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おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第15章 おばちゃん、店を持つ

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第158話

 それから家の中の方へと案内される。子爵ご夫婦での暮らしだったこともあり、中はそれほど大きくはない。間取りは4LDKくらいだろうか。玄関を入って正面の部屋は、ソファとテーブルだけ、とシンプルなお部屋。


「ここは、客間になります。子爵様がお客様がいらした時に、お会いするためのお部屋として使っておられました」


 メアリーさんがドアを開けながら説明してくれる。他にも寝室や書斎、お客様が泊まるためのお部屋があって、一人で住むには十分だ。装飾も貴族様のようなピカピカではなく、家の外見にあったシンプルながら、ホッとするような空間。

 キッチンも結構大きくて、子爵夫人が一人で使いこなしてたとは思えないほど充実している。食器や鍋類も置いてあって、ちゃんと使ってた痕跡が残ってる。


「こちらのキッチンは、奥様の拘りがかなり反映されております。貴族の奥様としては珍しく、お料理がお好きでしてね。よくお作りになられておりました」


 料理好きが高じて、調薬の趣味に走られた、ということだろうか。その気持ち、わからなくもない。水道もコンロも魔道具のおかげで、かなり便利になっているみたい。そこは助かる。残念なのは、冷蔵庫がないこと。一応、食料を置いて置ける棚みたいなのはあるけど、生モノは置いておけない。これ、魔道具で作れないものなのだろうか。要相談だな。


 キッチンのそばにあるリビングはかなり広くて、大きいテーブルに椅子が六脚ほどついている。こんな『魔の森』の中まで、そんなに頻繁にお客様が来てたのだろうか、と思ったら、リンドベル家の先々代が、魔物狩りのついでに、よく立ち寄ってたらしい。

 私が住んだとしても、それほどお客様が来るとは思えないんだけど……と思ったら、ジッと見つめてくる視線。チロリと目を向けたら……はい、リンドベル家の面々がニッコリと笑みを浮かべてる……来る気満々ですね。


「あれ?」


 メアリーさんについて回って、気が付いた。


「あ、あの、子爵夫人、調薬ってキッチンでされてたんですか?」


 そう、調薬のための部屋がないことに気付いたのだ。趣味にされていたというから、てっきり専用の部屋があるのかと思ってたんだけど。思わず、声に失望感が滲んでしまう。


「ああ! そうでしたね。ミーシャ様は調薬をされるのでしたね。旦那様は、ちゃんと奥様のためにお部屋をご用意されました。こちらです」


 メアリーさんは寝室のある方へと歩いていく。後を追いかけたのは私とアリス母様。

 寝室はこの家の角部屋。これ以上部屋はなかったと思うんだけど、と思ったら、ドアを開けて中に入っていくと、箪笥の影にドアが隠れてた。そのドアを開けてみると、なんと、地下に降りる階段があった。


「この下に、奥様の調薬のための部屋がございます」

「入っても?」

「ええ、どうぞ」


 私はドキドキしながら階段を降りていく。


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おばちゃん聖女コミックス

ミキマサハル先生

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おばちゃん聖女

イラストレーター:那流様

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