表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第14章 おばちゃん、王都でひと暴れする

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

166/420

第138話

 地下に放り込まれたスパイたちについては、兄様たちは説明してくれなかった。政治に関わることだから、と私を蚊帳の外にしてくれたのだ。たぶん、あの下男たちのこともそう。もっと詳しいことがわかってるのだろうけれど、私には説明はしてくれなかった。説明されても、私も理解できなかっただろうから、それはそれでいいのかもしれない。私も敢えて、聞かなかった。


 他の従僕やメイドたちには、彼女たちが何故辞めさせられたのか、ギルバートさんから説明があったらしい。ヘリオルド兄様推しのメイドのこと以外、思ったほどの混乱がなかったということは、仲間内では問題視されてた、ということなんだろうか。

 今回のことで王都の屋敷の人手が足りなくなった。急ぎでリンドベルから人が呼ばれることになったらしい。それでも、今日、明日で到着するわけではないので、しばらくは少数精鋭で、ということになったそうだ。

 まぁ、私も中身は子供ではないので、自分のことは自分で出来る。出来ないのは髪を綺麗にまとめることくらいだろう。あ、ドレスの背中のボタンは留めて貰わないと駄目だったわ。

 部屋に用意されていたドレスの中で、濃いグリーンにペパーミントグリーンのレースの、比較的地味目なのを選ぶ。たぶんメイドさんがいたら絶対選ばないだろう。

 お手伝いはおチビさんにお願いした。肩くらいの短い髪も綺麗に纏めてくれるから、ありがたい。それに、彼女は基本、私の言う通りに動いてくれるから助かる、助かる。

 しかし、出発間際、玄関へ向かう前に姉様付きのメイド、メリンダさん、ライラさんに捕まってしまった。満面の笑みが怖すぎる。おチビちゃんもビビってるわよっ!


「……ミーシャ様、もうドレスは仕方ありませんが、せめてもう少し、お化粧を濃くいたしましょう」

「いやいやいや、これ以上、どこを」

「お部屋にお戻りを」

「えぇぇぇ」


 ……どうも私のナチュラルメイクは駄目らしい。謁見の時の薄化粧はなんだったのだろう。鏡に映る自分の顔が別人のようになってて、遠い目になる。


「まぁ、まぁ、ミーシャ。綺麗になって」

「ジーナ姉様」


 私のくたびれた顔を見て、クスクスと笑ってる。


「さぁ、これからは女の戦場よ。王妃様は良い方だけれど、周囲の方々は様々ですからね。でも、大丈夫、私も一緒ですから」

「……はい」


 ジーナ姉様、随分と気合が入ってる。いつもは優しく美しい顔が、今日は凛々しく見える。

 でもね、姉様、私もだてに四十七のおばちゃんじゃないのよ。

 これでも、病気になるまでは、色々仕事もしてたこともある。まぁ、貴族の奥様達とパートのおばちゃんとは違うかもしれないけど、姉様のことは、私も守るよ?

 私も心の中で気合を入れてニッコリと微笑むと、姉様とともに部屋を出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】
2022年4月8日
モンスターコミックスfより発売


おばちゃん聖女コミックス

ミキマサハル先生

【書籍化】
ツギクルブックスより発売中

おばちゃん聖女

イラストレーター:那流様

小説家になろう 勝手にランキング

cont_access.php?citi_cont_id=791464659&s
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ