表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第12章 おばちゃん、王都に行く

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

124/420

第104話

 私の言葉に、不安そうな顔になったのはジーナ様。


「ミーシャが王都に?」

「ああ、そうなんだ。彼女は召喚された聖女だからね。イザークからすでに王都に、というか、正確にはヴィクトル王子経由で連絡がいってしまっているはずだ。このまま、私たちの元に、という訳にもいくまい」

「……そうなんですの」


 何か言いたそうなジーナ様だが、無理矢理に飲み込んだようだ。

 なんとなく、予想はつく。自分の娘として、とか、そういうことなんだろう。だが、身体は子供でも、中身はおばちゃんだからなぁ。こんな若くて綺麗な両親ってのには抵抗がある。それに。


「ジーナ様、大丈夫。貴女は、もう一度、ちゃんと赤ちゃんを授かることができるわ」


 アルム様から授けられた力で私が癒したのだ。妊娠しづらかった原因まではわからないけれど、もう身体は大丈夫なはずだ。


「でも、ずっと授からなかったのよ……今回は、ようやくと思っていたのに」

「ジーナ……」


 悲し気なジーナ様の肩を抱きしめるヘリオルド様。

 う、美しい……って感動してる場合ではなくて。私は、一度、おばちゃんモードに切り替えることにした。そう、あの紺のスーツのおばちゃんだ。だって、子供に妊娠関連の話をされても、納得感がないかなって。私の変化を初めて見たジーナ様は、大きな目をより一層大きくして驚いていた。


 妊娠しやすい周期というのがあることと、ストレス……心理的圧迫はよくないこと、十分な睡眠が必要なこと、食事の栄養も大切で、軽い運動も必要だということ。子供を産んだことのない私でも知っていることを簡単に伝えた。


「……そんなこと、聞いたこともなかったわ」

「……えぇぇぇ」


 中世っぽい世界だなぁ、と思ってたけど、その手の情報って知らされないものなんだろうか。産婆さんとかお医者さんとか、アドバイスみたいのってしてあげないのかしら。ジーナ様のお母様は若い頃にお亡くなりになっていたそうだし、アリス様は……まぁ、ポンポン産まれたっぽいから、気にしたこともなかったかもしれないか。


「とにかく、屋敷の方々全員で協力して、ジーナ様が心安らかに居られる環境を整えて、母体がいい状態にあるようにしてあげてください。大丈夫。今度はちゃんとジーナ様たちに愛らしい赤ちゃんが来てくれますって」

「ミーシャ……」


 それでも、なんだか不安そう。むむむ。このままの彼女を放っておくわけにもいかないかな。本来なら、実母がいらっしゃるならしばらく実家に帰って、なんてことも出来たのだろうけれど、すでに亡くなられているわけだし、そもそも、あの妹たちがいるんじゃ帰すわけにもいかない。

 もしかしてアルム様、この状況も見越して、私にここまで向かわせたのかしら。


「まだ、今すぐに王都に向かうこともないでしょ。あちらから、何かしら連絡があってからでも考えればいいでしょうし」





 ……そう言ってた時期もありました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】
2022年4月8日
モンスターコミックスfより発売


おばちゃん聖女コミックス

ミキマサハル先生

【書籍化】
ツギクルブックスより発売中

おばちゃん聖女

イラストレーター:那流様

小説家になろう 勝手にランキング

cont_access.php?citi_cont_id=791464659&s
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ