表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第11章 おばちゃん、初めて聖女らしい仕事をする

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

116/420

第98話

 部屋の中は重い空気で沈んでいる。まさかの『呪い』の可能性に、皆、考え込んでしまった。


「まさか、ジーナを恨むような者がいるだなんて」

「ていうか、まだ身体が落ち着いてもいない相手にすることじゃないよね」


 美しいアリス様の眉間に皺が寄る。パメラ様が怒りも露わにブツブツ文句を言う。


「……殺したいってことじゃない」

「ニコラス!」


 うん。ニコラス様、私もそう思う。不謹慎だってわかっても、そう予想するよね。


「でも、ミーシャが触れようとしたら、消えてしまったのだろう?」


 エドワルド様に聞かれ、頷く私。確かに、触れる前に消えてしまった。ということは、呪いが消えた、ということだろうか。


「じゃあ、呪いはなくなったってこと?」

「パメラ、そう簡単な話じゃない気がするけどね」

「ニコラス! なんで、さっきから否定的なことばっかり言うの」

「大事だろ。誰かが最悪の場合を考えていた方が、何かが起こる前に身構えられるし」

「そうだけど! そうだけど、そうじゃないでしょ!」


 双子は仲がいいなぁ。喧嘩してても、じゃれあってる風にしか見えない。


「しかし、誰がそんなこと」

「ヘリオルド兄さん、そんなの単純なことじゃないか」


 呆れたように言うニコラス様。私とニコラス様は思考回路が一緒なのかもしれない。


「ライラたちの誰かに決まってる」

「……ライラって誰?」


 初めて聞く人の名前。まぁ、たぶん、義妹の名前なんだろうけどね。一応、確認。


「ミーシャは知らないか。ジーナ義姉さんの妹の一人だよ。ジーナ義姉さんには二人の妹がいてね。どっちも母親は違うんだ。上の子がライラ、下の子がリリー。ヘリオルド兄さん、見舞いに来たのって、この二人?」

「いや、あと、従姉だという女性も連れてきていた」

「従姉?」

「ああ、ライラたち二人よりも年上のようだったが。名前までは覚えていないな。仕事中だったから、軽い挨拶だけしかしていないんだ」


 額に手を当てながら思い出そうとしている姿は悩ましい。無自覚な色気って、罪だわ。身内はそれに気付いていないようだけど。その姿を見ただけでピンとくるよね。その三人の女性たちの目的って。


「ねぇ、ニコラス様、もしかして、その義妹たちとは最近まで疎遠だったりする?」

「フフフ、『ニコラス兄さま』って呼んでくれてもいいんだよ?」


 いやいや、今はそんな話をしている場合じゃ。


「えー! だったら私は『パメラ姉さま』!」


 おいおい。


「ニコラス、パメラ、いい加減にしろ」


 ほら、イザーク様に怒られた。


「あー、ミーシャ、確かに、あの二人がこの城に来たのは久しぶりかもしれないね」

「そうね。私が会ったのは二年前の学園の卒業の時かしら。ライラは学校が一緒で同級だったからね」

「そういえばそうだったね。すっかり忘れてたよ」

「あまり親しくしてなかったからよくは知らないわ」

「……まぁ、パメラならそうだろうな」

「……うるさいわね」


 うん。相性ってあるよね。特に女同士って難しいし。それでも、義理とはいえ親戚にあたる女性に対して、パメラ様みたいに竹を割ったような性格の女性が嫌がるってことは、なかなか面倒そうな相手だなって、思ってしまう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】
2022年4月8日
モンスターコミックスfより発売


おばちゃん聖女コミックス

ミキマサハル先生

【書籍化】
ツギクルブックスより発売中

おばちゃん聖女

イラストレーター:那流様

小説家になろう 勝手にランキング

cont_access.php?citi_cont_id=791464659&s
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ