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おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第10章 おばちゃん、実家(仮)に向かう

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第89話

 詳しい話は、代表してエドワルド様がしてくれた。

 当然、人払いした上で、結界も張ったよ。私が一人で結界を張ったのを見て、ハリー様も驚いていた。特に、防音効果が高いのに驚いてた。そこは私の危機意識の高さから、なのかもしれない。


「なんということを……シャトルワースは何を考えてるんだ」

「……おそらく、国王はご存じなかったかもしれません。ただ、あれから約一カ月。レヴィエスタ王家の方から、連絡がいっているかもしれませんんが」


 そう答えたのはイザーク様。あの時期に、同じ王城の中にいたのだから、私の知らない表の状態っていうのもわかるのだろう。

 一方で、エドワルド様の話を疑いもしないハリー様。それでいいのか、と思いつつ、この二人の絆だからこそ、なのかもしれない。




 ここからは、パメラ様から聞いた話。

 そもそもハリー様とエドワルド様は、領地が隣り合っていることもあって、幼いころからの親友同士で、同じ時期にトーラス帝国にも留学していたとか。

 帝国に留学っていうのは、どうにも定番なんだろうか。国内にも学校みたいなのがあると思うんだけど、何か理由でもあるんだろうか? ちょっと不思議。


 ハリー様のお母様というのは、トーラス帝国よりももっと東にあるドワーフの国の末の王女様だったそうだ。留学先の帝国の学院で出会った二人。そこで先に恋に落ちたのが、王女の方。熱烈な王女のアプローチに負けて、先代のエンロイド伯と結婚することになったとか。ドワーフっぽいって思ったのは、当たりだったようだ。


 今まで、そういったまさにファンタジーな人種(エルフとか獣人とか)、こちらでは亜人というそうだが、そういった人々と出会うことがなかったのは、帝国を挟んでいることもあってか、亜人の国との交流が少なく、姿を見ることも稀なのだとか。

 時々、冒険者の中にいたりとか、商人でいることもあるそうだけれど、私は運悪く、遭遇したことがなかった。頭の中には、あの映画の美しいエルフ様がよぎる。そのうち、エルフとかに出会えたら嬉しい。


 よくわからないモノに対して、拒否反応を示してしまうっていうのが人間の性、というのは、こっちの世界も同じようで、相手がドワーフの国の王女ということであっても、レヴィエスタの王都周辺の貴族達の中では、偏見を持つ者が後を絶たなかったとか。

 心無い言葉で傷つくことが多かった彼女を見かねたのが、先代の国王の正妃様。彼女の言葉もあって、当時の国王は、先代のエンロイド伯爵を比較的穏やかな人々が多いとされるオムダル王国との国境を守護する辺境伯に任じたそうだ。

 国境だったら、逆にシビアな空気とかありそうなんだけど、元々国同士が仲がいいからか、そうでもないそうだ。


 そして家族ぐるみでの親交のおかげもあって、今に至るわけだ。

 ちなみに、ハリー様の奥様と息子さんたちは王都に住んでいるらしい。社交担当ってことで任せっきりだとか。それでいいのか、と思うけど、この世界ではそれが一般的らしい。

 王家主催のイベント、舞踏会とか、夜会みたいなのかな、そういうことが無い限り、王都に行くことはないんだそう。まぁ、辺境伯だもんね。やたらと国境から離れるわけにはいかないよね。


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【コミカライズ】
2022年4月8日
モンスターコミックスfより発売


おばちゃん聖女コミックス

ミキマサハル先生

【書籍化】
ツギクルブックスより発売中

おばちゃん聖女

イラストレーター:那流様

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