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おばちゃん(?)聖女、我が道を行く~聖女として召喚されたけど、お城にはとどまりません~  作者: 実川えむ
第10章 おばちゃん、実家(仮)に向かう

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第88話

 私たちが案内された部屋は食事をするための部屋らしく、すでに、エドワルド様たちがテーブルに着いていた。


「あら、私たちが最後でしたの」

「遅れてすみません……」


 そう言いながらも、余裕な感じで椅子に座るパメラ様。私はその隣、一番端っこの空いている席に、頭を下げながらこっそり座る。

 執事やメイド達周囲の視線が痛い。興味なのか、不信感なのか。そりゃね、この美形軍団の中じゃ、平たい顔で民族すら違うの、丸わかりだけどさ。失礼じゃない?

 そんな中、エドワルド様とアリス様は、お誕生日席に座ってるハリー様を間に挟んで座っていて、私たちに気付いて満面の笑みを浮かべていた。ハリー様には奥様はいらっしゃらないのか、他の身内っぽい人はいない。

 向かい側には、イザーク様とニコラス様が座っている。こうして並んでみると、髪の色が違っても、顔立ちに似たものがある。ただ、イザーク様の方が、身体がガッチリしている。ニコラス様は細マッチョと言われるタイプだろう。どっちにしても、二人はイケメンなのは間違いない。

 肝心のハリー様は微妙な顔で私の方を見ている。


「あの子はミーシャ。身内のような者だ。彼女のことは後で話そう。まずは、せっかく用意してくれた食事をいただこうじゃないか」

「そうね、急だったのに、ありがとう」


 エドワルド様とアリス様の労わりの言葉で、メイド達が動き出す。

 うーん、ハリー様は納得してない様子。誰も詳しい説明をしていないってところなんだろうな。でも、どんな人がいるかわからないこの場所で、詳しい話なんか出来る訳もない。

 そんな状況の中、貴族でもなんでもない私がこの席についてるのが、なんか申し訳ない。それでも、私の席と食事を用意だけはしてくれていたのだ。ありがたいというべきだろう。

 ……でも、そのジトッとした視線はやめて。


 食事中は、ほとんど会話らしいものがなく、せいぜい、隣に座っているパメラ様にこっそり料理のことを聞くくらい。お上品で静かな食卓っていうのも、久しぶりかも。

 テーブルマナーは、昔、若い頃、学校の授業でかじったのと、パートで結婚式場で配膳の仕事をしてたから、なんとなーく覚えてた。それが外れでなかったのは、誰からも注意されなかったから大丈夫なんだろう。たぶん美味しい食事だったんだろうけれど、マナーに気をとられて、全然味わえてない気がする。


 食事の後、全員が屋敷の応接室に案内された。

 ハリー様、ずーっと私のことが気になってるのに、誰も説明してあげないものだから、チロチロ私の方を見るのよ。エドワルド様もニヤニヤするだけだったし。

 部屋に入ったとたん、ハリー様は我慢の限界だったのか、突如、振り向きざまに私を指さし、叫んだ。


「いいかげん、こいつのことを教えろっ!」


 そうですよねー。皆、ニヤニヤしてるけど、失礼だと思うよ。

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