整理しよう!
レイに教室まで連れてきて貰い何とか席まで辿り着くことが出来た。
「あれ、レイ自分の教室に行かないの?」
何故か私の横の席へと腰掛けるレイを不思議そうに見つめると可愛い笑顔が返ってきた。
あれ…レイって同じクラスだっけ…?
確かゲームのストーリーの回想シーンでレイとヒロインは違うクラスだったような…。
レイは私の手を握り耳元に唇を寄せると囁いた。
「離れたくないな…」
「…!」
そんな可愛い顔でそんなセリフずるい…流石乙女ゲームの攻略対象…。
「れ…レイ、教室戻らなとダメだよ?」
「……はぁ」
深くため息を吐くと繋いでいた手を離し立ち上がるレイ。
「またね、エミリー」
残念そうに教室を出ていくレイを目で追いながら取り敢えず自分の状況を整理した。
私は乙女ゲームのヒロイン エミリー
今のところ出会ったのはアルベルトとレイ
アルベルトは王子で…レイは幼なじみ。
後攻略対象は確か3人…だったかな…?
クリアする前に終わっちゃったけど…
私がクリアしたのは4人だけど、4人共結ばれなかった攻略対象の悲恋エピソードが可哀想過ぎたんだよね…。
5人目の攻略対象のレイルートをプレイするタイミングで現実でも失恋した私は悲恋エピソードの辛さに耐えられないと思って5人目のレイを攻略することが出来なかったんだよね…。
ここが乙女ゲームの世界なのは間違いないと思う。
だけど仕組みはよく分かっていない。
だってあのゲーム1年生編なんてなかったし…。
乙女ゲーム以外のストーリーも存在するってことよね。
よくまだ分かってないけど、
とりあえず私は、誰とも付き合わないっ!!!
悲しい人なんて…少ない方がいいもんね。
なんとか1日を終えお迎えの馬車で無事に屋敷まで帰れた。