一人の野営
「うぇっ...やっぱ死体の臭いはキツイな...」
見渡すと頭を潰された死体やぐちゃぐちゃになった死体が死臭を撒き散らして散乱している。
あんまりこの場にはいたくないなと、とりあえず体にこびり付いた血等を洗い流そうと近くを流れる川で身を清める。
しっかりと洗い流すものの流石に服には血の後が残り取れないので後でぬるま湯でも作って洗い流そう。それ以外は特に問題はなさそうだ。
えっ?なぜ無事かって?それは最初から馬車の下に隠れて死体の山ができたら敵にバレないように山に紛れ込んで全身にそこら辺の死体の血を付けて臭いも分からないようにしたからである。前からこの機会を狙っており頭の中で何回もシュミレーションしてたけど、実際本番では成功するかドキドキもんだったから成功して良かったよ。
下手すりゃ死んでてもおかしくなかったからね。最初なんて横にいたサフジさんが倒れた時心臓止まるかと思って。腰が抜けたもんな。傍に馬車があったから隠れる事ができたけど、もうあんな思いしたくないね。
この先も魔物がいるかもしれないからとりあえず警戒しつつ徒歩は危険だから乗ってきた馬車が一台でもあればなーと思って見渡すと遠くの方、森の中にコの字になってる所へちょうど馬車がハマって出れなくなってる一台を見つける。
よかったーこれで街まで向かえるよ。ひと安心するもののここは辺境であり魔物が出現する森の中。気を抜かずに先程の死体のある場所まで戻る。広場はさっきより更に匂いが酷くなっており、一秒でもいたくない気分になるが回収しなくてはいけないものがある。
まず武器である。奴隷やスラムの人間だろうが肉壁役として足止めをしなくてはいけない。その為、低品質な槍や剣といったものを持たされている。あまり金にはならないとはいえ量が集まればソコソコのお金になるはずである。
死体から取るのに心が痛まないかって?日本でも戦国時代は戦場で泥棒して商人に売る人が多かったんじゃなかったっけ?
次は防具である。奴隷やスラムの人間は基本防具は付けないが冒険者や斥候、兵士等は鉄や革製品の防具をしている。
次はモーラス。さすがに貴族だけあっていい装備をしている。指には宝石。コイツ何しに来たんだ?とりあえずロングソードはもらってマントは家の紋章がついてるから足がつかないようにそこらへんに捨てておこう。鎧一式は重たいから体から脱がせれない。必死に取ろうと思うんだけど、元々でっぷりしたお腹がある通り重すぎる。
うんほっとこう
ここらへんに落ちてる物は全部持っていくとさすがに後から調査に来た人達が不審に思ってしまうので半分くらいかな?失敬して。合掌する。
見つけた馬車はまだ食糧が残っていて助かった。日が完全に真っ暗になる前に急いでこの森を抜けたい。
森を抜けた先に広がる草原。魔物が見えるような見晴らしの良い場所まで向かうと馬車を止め野営の準備をする。流石に寝ると一人だし魔物に襲われるのが怖いので寝ずに火の番をし朝を待つ。
朝が来るまで暇な為、現状の持ち物を確認する
ショートソード×20
槍 ×20
ロングソード
革の装備一式 ×10
宝石各種
食糧10日分
金貨3枚
銀貨60枚




