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モルドの剣  作者: 馬の被り物
ダンジョン攻略
63/67

ボス

 40階のボス部屋にいたのはアラクネと呼ばれる蜘蛛だった。体高は4mに8本足。

 周りには子蜘蛛だろうか?数えるのも馬鹿らしいくらいにうじゃうじゃといる。


「気持ち悪いのー」

「ルナちゃん見ちゃダメ!私がバリアするー」


 とイルマがルナに向かって掌を出す。そうすると球状の薄い膜が出来、ルナを覆う。


「かみさまーありがとー」

「ルナちゃんだけ特別だよ」


 いや、俺達にもやってくれないかなー?


「イルマ、俺達は?」


「えっ?やって欲しいの?」


「まぁボスだけなら良かったんだけど、お供があんなだろ?張り付かれたら嫌じゃん」


「ふーん。頑張れば?」



 てめーー!良心ってもんがねぇのか?



 くっそ!どうせ言ってもやってくれないから期待してないけどな!


 するとエマが


「イルマさん。悪いんですけど、私はああいうの苦手で、よかったら掛けてくれませんか?」


「いいよー!えいっ!」



 えっ?なんで?


「ねえねえ?イルマさん?俺は?」


「頑張れば?」


 くっそ!俺に何の恨みがあるっていうんだよ!



「来ますから集中して下さい。エマ殿リュウ殿キヨシ殿は周りの子蜘蛛を魔法で倒して下さい」


 ウルシから怒られた。

 渋々前を見る。

 俺やエマの攻撃を合図に戦闘がスタートする。

 俺は5本のファイアーアローを出す。それが当たり吹き飛ぶ子蜘蛛。しかし何体倒そうが減った雰囲気がない子蜘蛛がどんどん詰めてくる

 エマも手数の多いファイアーアローで交戦している。

 キヨシは魔銃で一度に12発放っているので、うちら2人より少し手数が多いぐらいたが子蜘蛛の勢いを止められない


 その内にとうとう俺へと子蜘蛛が張り付いてしまった


「しまっ…」


 た、と言い切る前に小規模な爆発が起こった


「くっ!」


 こいつら小型の爆弾かよ!ダメージは少ないが数が数だ。いつかは致命傷になるまでダメージが蓄積されるだろう。


 20分程たっただろうか?今は他の所でも爆発が起きている。ボスのアラクネは足を切られてもすぐさま再生をしている。8本も足がある為1本切られても体勢は崩れず前衛4人も苦戦をしている。


 アラクネは粘着性の糸を出し、武器を絡め動きを封じる他に地面に落ちた糸が油の様に滑ってしまい今やアラクネの独壇場になっていた。


「まずいのー。この蜘蛛もそうじゃが子蜘蛛の爆発も視界が悪くなるし中々手強いのじゃ」


 そう。子蜘蛛が爆発をすると煙が出て前が見えなくなるのだ


「えぇまずいですね。足が長いのでなかなか本体までが遠いですね」


「くそ!この糸が邪魔くせーなー!」


「そうじゃ!リュウ、雷はこいつらに効くかの?」


 突然こっちに振られる


「ちょっと待ってろ」


 俺はサンダーボールを放つ。当たった蜘蛛は焦げて嫌な匂いが立ち込める


「大丈夫みたいだぞ」


「おお!じゃあエマと協力してアイツらの周り一面に水を上空から振り撒いてくれんかの?」


 そう言われた俺は


「そういう事か!よしエマ、俺は左をやるから右側を全力でやってくれ。他のみんなは後ろに退避!」


「わ、わかりました!」


 そういうとエマが少し詠唱をし、滝のような水を出す。

 俺もイメージし出してみたのも一面に薄い1cmくらいの水の板が落ちてくるだけだった。



 パシャ…そんな音しかして来なかった


「くっくっく。しょっぼ!威勢よく言っといてこれかよ!」


 とナタリー腹を抱えて笑っている

 ウルシを見ると顔を逸らし笑いを堪えている。


「・・・」


 うっせー!これからなんだよ!これからやってやんよ!


 俺は涙が出ながらも


「エマまだ余裕があるならあの水溜りに雷を落としてくれ…」


「え?リュウさん泣い…」


「泣いてなんかいない!やるぞ!」


 俺とエマは魔力を振り絞り雷を落とす。

 水にずぶ濡れになっている蜘蛛達は感電し、黒焦げになっている。


「はぁはぁ後は頼んだ」


 俺とエマは魔力切れになりその場に座り込む。あーしんどい


 子蜘蛛達はほとんど焼け焦げており、残すのは僅かだった。


「りゅ、リュウの方の蜘蛛がお、多いんだなぁ」


「やっぱりな」


 うっせー!キヨシもナタリーも口動かさずに手を動かすんだ!


「さてと、じゃあ2人が頑張ったんでやりますかね?早く終わらせて酒が飲みてーなー」


「そうじゃな。まずはあの邪魔な足を何とかしようかの?一気に4本落とすぞい。」


 そう言うと4人は一気に足に近寄り呼吸を合わせ切る



 アラクネが左に傾く。


「次じゃ!」


 残り4本も切り落とす。再生はするものの足が真っ直ぐになって立ち上がれていない。その隙にナタリーが飛び上がりアラクネの首を横凪にはねる


 よし!やっと終わった。


 とキヨシを見るとまだ子蜘蛛達と戦っていた


「み、みんな…こ、こっちも手伝って欲しいんだなぁ」


 ……


 …


 やっと後始末も済み、辺りを見回すと蜘蛛の死骸だらけだった。これ何も旨みがないよな?剥ぎ取る物がない…


 それじゃあ宝箱でも開けますか。と向かうと部屋の片隅で動く影。

 子蜘蛛がいた。まさかあれ…

 ひょこひょこっとこっちに来た


「アニキー!これからよろしくね」


 と言ってきた。やっぱり…

 テイムできていた。その数80


「う、うん。宜しくね」


 後ろを見るとナタリー以外の女性陣が怯えて首を横に振っている。少なくてもダメなのね。


「お前達って何ができるの?」


「糸しか出せない…」


 糸かぁ。試しに出してもらうと、少し粘っこいが、かなり引っ張っても切れない。切ろうとしても伸びるだけで切れにくい。充分な強度に加えて伸縮性があった。


「これ粘りを出さない様にできる?」


「うん。できるよ!唾液さえ付けなければいいだけだから!」


 えっ?これお前達の唾液だったのか?触っちゃったじゃん

 と自分の掌を見ながら微妙な顔になった。


 強度も問題ないし、防具に使えないかと鍛冶屋に後で向かわせよう。


 じゃあ改めて宝箱だな。宝箱は2つ。1つは普通の箱。もう1つは長方形の箱だった。



 普通の箱を開けると久しぶりに転移の石5個と指輪10個が入っていた


「またアイテムボックスはないのか…」


 くやしい。また入って無かった…




 気を取り直して2つ目を開ける。

 そこには刀が入っていた。


「やっりー!俺のじゃん!」


 それは白い鞘に入った刀『秋雪』だった。


「これで二刀流だな」


 そういえば最初に会った時に刀と鞘の二刀流だったな。


 それにしても名前がカッコイイじゃないか!

 少し羨ましいぞ!


 まぁしょうがないか。刀を他の奴に渡しても慣れない武器を使ってもしょうがないしな…と思いつつ村に帰るのだった




ちなみにグレイが今持ってるのが『春雷』です

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