本格的にダンジョン攻略
翌日宿を出て温泉地を離れる
温泉地から馬車が見えない場所まで来ると次々に村まで転移する。
いやーやっぱ転移は便利だねー
そして数日後には、また同じ宿へ残りの村人達を案内する。すると、この間の騒動で何件かは営業停止になっていた
「営業停止になったので、こっちにお客さんが流れて来て宿としては嬉しいですが、やっぱ温泉地としては活気が減ってしまうので寂しいですね」
と女将さんが言っていた。アイツらは自業自得だが他の宿にも迷惑がかかったのは自覚して欲しい。それに風評被害が起こったら何も悪くない女将さんにも迷惑がかかるんだからな。
まぁそれでここが潰れたらイルマのアイテムボックスでここを収納させてから村の近くで旅館業でもやらせようか?温泉まんじゅうに温泉卵なんかは名物になるぞ。
露天出してイカに甘辛いタレを塗って炭でやいたりエビを焼いたりしたら、沢山客が来て金を落とすだろう
ダンジョンをこれから攻略していくんだ。何か食べ物系の魔物を沢山探して行こう
そんな事を考えながら2泊3日を過ごして行くのであった
数日後、鍛冶場で魔鉱をコーティングした剣を受け取る。これで少しは魔力の通りもよくなるだろう。
現在の俺達の装備は探索組の運び込んだダンジョン産で賄っている。スキルや魔法のスクロールはいいのがあったが、それに頼ると自力が育たないというセキエイの忠告により保留とした。武器防具のみ使い、今後はさらに深い階層で順次アップグレードする予定だ
「じゃあ行こうか」
全員に合図すると、ダンジョンへ向かう。まだグレイは入った事がないので、1階から一気に降りる事にした。
ちなみに酒はポーターに預からせた。酒なんて飲んでる場合じゃないからな?
ゴブリン達もかなり進化しており、数体はゴブリンジェネラルに進化していた。このままキングまで進化して欲しいものである。
グレイは悲しい目をしていたが、しゃーねーと商人から手に入れた煙草を吸い出した。
火で爆発するような敵の所では吸わないでくれよ?
上層は特に障害にもならなく11階まで短時間で来れた。少し農園でも見て行こうかなと農園に入ると一面の水田があった。
「おう。リュウじゃねぇか。どうした?」
水田を眺めていると田吾作が声を掛けてきた
「今日からダンジョンの攻略を本格的にやろうと思ってね。こっちはどう?」
「順調よ順調。これなら後3ヶ月もすれば食べれんぞ。まぁ次の田んぼに回す分があるから流通させる程にはならないけどな。とりあえずは10haまで増やしたいよな」
1k㎡か…結界の10分の1とか農家すげーな
「カカオや小豆も順調そうだね」
「あぁ、出来た分はやっさんの所に持って行かせてるぞ。それに接ぎ木もしてるし、ここはどんどんデカくなるな。その内10キロ四方じゃ間に合わないんじゃないか?地上にも専用の場所を作った方がいいぞ」
そっかー。足りなくなるかー。チョコレートとかまだまだ需要が足りてないから10ha分位確保するか?農園専用にして収穫はトロッコで楽に運び出すとなるとかなりの人手も欲しくなるな。将来地上を人間だけにしたいから亜人や他の国からも奴隷を買い入れるか?
まぁそれはおいおい考えるとしますかね。
それにしてもここは凄いな。幾つもの建物が建っている。
米の穂を玄米にする作業場。玄米にしたら近くの水車で精米に変えるそうだ。精米は村の洞窟で保存。最近は保存によく洞窟を使っている
それ以外にも日本酒製造や醤油味噌といった調味料専用小屋も出来ていた。これは楽しみだね。
来年は世界の料理界に激震が走るのではないか?いやー楽しみだね
いかんいかん考えすぎてしまった。先を急ごう。
地下20階層も難なくクリアした。まだここら辺は大丈夫だな。
現在マッピングは35階層まで進んでる。
36階層は敵が強いらしく今は34階層で探索組がレベル上げをしているようだ。
なので、俺達は36階層でセキエイ、ウルシの指導の元レベル上げを行う事にした。
2日かけ36階層まで来た。入口付近は何ともないが、ずっと奥に見える火山地帯は近づくとかなり暑いらしい。
さてとやりますか。
まず現れたのがリザードマン。トカゲの一種で二足歩行をしている。両手には反りのある剣を持っている。コイツは進化すると火も吐いたりするらしい。是非ともテイムしときたい魔物である。
一度に5体出現するので、各個撃破する予定なのだが、これがまた強い。二刀流なのに腕の力が強いので片方だけでも大剣を使われるような衝撃がくる。
セキエイとウルシが修行内容を決めた。まずは一体を確実に倒す。それが一撃で倒せるまで延々と繰り返す。倒せるようになったら2体。最終的には5体全部を無傷で倒せるまでにならないといけない。
これをルナ以外が全員クリアしないといけないのだが、キヨシとエマが躓いた。
エマは高火力の魔法があったが禁止をされ初級のみで倒すようにとの事
どうやれば倒せるのか?試行錯誤をして辿り着いたのが魔力を圧縮する方法。ただし無駄に魔力をこめて圧縮すると魔力切れを起こすので、倒せる量の魔力を込めるという方法で魔力操作を身につけた。
キヨシも同じく魔銃の魔力の質をあげる事を目標にレベルが足りなければレベル上げをし魔力を上げていた
俺は2人より先に終わったのでテイムを100匹程行い、リザードマンの肉を地上に運ばせる部隊を作った。加えてエマの修行を見て、魔法も色々やり方があるのだと考えた。新しい魔法の製作だ。とは言え、今の所、使えない系統は無理だ。
切る、焼く、爆発に絞る事にした。火魔法と雷魔法しか使えないが生活魔法に水があった。
その水をまずは飛ばす。何回も繰り返す。次はスピード。速さを重視する。何回も繰り返し、ダークネスウルフのスピードとどちらが速いかやってみる。
3日程掛かったがなんとか同じスピードで放つ事ができた。やはり魔力の濃度が大事なんだと感じた。
そしてここからが本番だ。スピードを求めたのもこれの為である。
そう。高圧で切れる水を出す為だ。と言うのは簡単だが、かなり魔力の操作が難しい。
エマに聞くと
「私のやり方ですと内面から絞り出し全身なら膜を皮膚に張り付かせる感じ。点ならそこに集める感じですね。ただ、中心から魔力の繋がりを切らしちゃうとうまく流れないですね」
点にね…そこで指先から出るイメージ。もっと詳しく言うと爪の尖った部分から極細の糸を出す感じで圧縮した水を出してみた。何とかうまくいったけど、これ集中力が半端ないな。毎日これに時間を費やし段々と気配察知をしたり投擲をしたりしても片手間で出す事に成功した。木の幹を豆腐を切るみたいに切れたのには感動をした。結局水の厚みを鉛筆ぐらいにするのが丁度良かった。それ以上だと魔力の消費が多いし連発すれば、すぐ魔力切れを起こしてしまう。
これを【ウォーターカッター】と名付けた。安易すぎたか?
焼く、爆発は今後また先で考えよう。まだ36階の入口なんだから。
そして36階層の奥、火山地帯に来た。
かなり暑い。コートなんて着ていられないので、脱ぐことにした。みんなも暑いのか薄着だが、ウルシだけは執事服を脱がない。無理しなくても良いのになぁ
次は火のリザードマンと四足歩行のサラマンドラだった。リザードマンが攻撃しサラマンドラがサポートをしてくる。
連携がしっかりしている相手なので、それを崩す訓練だ。
これも1人で各々課題をこなしていく。
自力自体が上がっているので、2日程掛かったが満足のいく結界が得られた。
結果10日程をこの階だけで過ごした事になる
まだまだ先は長いな
ルナは怪我をしたメンバーを治すのに大忙しです




