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モルドの剣  作者: 馬の被り物
食材を探そう
58/67

謎の人物?だれだっけ?

 1時間程遊び、子供達を満足させ馬車に戻る。

 片付けを村人達に任せていたので、後は出発するだけだ。

 

「すまん。任せ過ぎた」

 

「いえいえ、大丈夫ですよ。あんなに子供達が喜んでいるのですから。それに夕方までに着けばいいのですからね」

 

 途中いくつか魔物の反応があったが、ダークネスウルフが先行して倒してくれた。

 もはや家のペットとなってしまったティンダーウルフのシュナイダーも積極的に倒しに行っていた。

 

 完全に安全を確保された一行は順調に夕方旅館に到着した

 

 

 温泉旅館アツウミ

 

 ......気のせいか?でも聞いた事が...

 いや、多分気のせいだろう。気にしちゃいけない



 

「あれ熱海とちゃうんか?熱海やろ?」

 

 とか、やっさんが言ってるが気のせいだろ

 

 ここは貸切なので、気兼ねなく休める

 

「えぇやん。老舗旅館っぽくてええやん」

 

 とやっさんが堂々と入ってきた。

 おいやっさん!

 俺の顔を見たやっさんが「あっ」という顔をした

 それを見た女将さんが

 

「さ、魚が喋ってる!」

 

 と驚いてしまった

 

「あっ、この人呪いで魚に変えられちゃったんですよ。可哀想でしょ?」

 

 と誤魔化したが、やっさんが「もう少しオブラートに包んでくれても...」とか言ってたが自分が悪いんだからしょうがない。最初は鞄に入ってもらって、その後は色々考えてたのに全部パーだ

 

「そうでしたか...それは大変な目に...」

 

「ホントやで!大変な目におうたわ。女将さん夜の布団で慰めてーな」

 

 いきなりのナンパである

 おい。ギャルはどうしたんだ?

 

「申し訳ございません。私は夜は仕事の方がございまして」

 

 やんわり断られてる。ざまーねーなー

 

「そうか、ならしゃーないわなー」

 

 寂しそうにしてる。

 

「お食事はどう致しますか?大広間を用意致しておりますが、部屋の方がよろしいですか?」

 

「いや、折角なので大広間で」

 

「わかりました。では1時間後にお集まり下さい」

 

「わかりました。それじゃみんな!1時間後な!それまで自由時間だ!風呂でもなんでも好きにしていいぞ」

 

「よっしゃー!風呂風呂ー!」

 

 とナタリーがはしゃいでる。

 さっきまでガッカリしていたやっさんの目と垂れ下がっている玉が光った。


 

 

 

 

 俺達は荷物を部屋に置いて露天風呂に来た

 

 でかい旅館に相応しい大きな露天。何十人でも入れる風呂

 

 まずは体を洗う。そして風呂に入る。

 

「ふー。極楽極楽」

 

 寛いでると、キヨシとやっさんが入ってくる。

 寛いでいるが、3人とも目で牽制をしている。

 

(おい、下いけよ)

(何言うとんねん。年功序列やからな?1番上はおっちゃんに決まってるやろ?)

(こ、ここはジャンケンで決めるのがい、いんだなぁ)

 

 バチバチと3人の間に火花が散る

 

 そうこうしている内に壁の向こうから声がする

 

 

「うぅ。おねーちゃん達いいなー」

 

「そうか?こんなもん剣を振るうのに邪魔だぞ?」

 

「そうよ。ルナちゃんこんなには必要ないわよ」

 

 自分の胸を指しシルヴィアも同意している。

 

「私はこれぐらいで丁度いいですね」

 

 別に大きくないが小さくもないナディアが、そう言いながらもナタリーとシルヴィアを見る

 

「うーやっぱり大人になる!」

 

 ルナちゃんダメ!とイルマが叫ぶが

 

 ボフン!

 

「やっとおねーちゃん達と一緒になったー」

 

 それを見た一同は驚く

 

「「羽!」」

 

 あぁぁーとイルマが嘆くが手遅れだった

 

「ルナちゃん亜人だったの?」

 

「うん。黙っててごめんなさい...」

 

「いえ、怒ってる訳じゃないわ。他にも誰か知ってるの?」

 

「お兄ちゃんには前に見せた。ちょっと恥ずかしかったけど...」

 

 イヤンイヤンしている

 

「アイツ後でシメねーとな!」

 

 子供に手を出したと完全に誤解をされるリュウだった。

 

 ......

 

 ...

 

 その頃男湯では...

 

 先程まで醜い争いをしていたが、拉致があかない為、ジャンケンをする事にした。

 

「しゃー!やったで!おっちゃんが上や!」

 

「ちくしょう!なんで俺が1番下なんだよ...キヨシいますぐ痩せろ!」

 

「む、無理なんだなぁ。ごめんリュウ」

 

「がぁぁぁ重い...急げ!急いで登ってくれ」

 

「ちょっとゆっくりさせてーな」

 

 うんしょうんしょと登るやっさん。しかし残念ながら手足の短いやっさんにはその道程は遠かった。登り切る前に落ちたのだ

 

「アイタ!」

 

「やっさんテメェなにやってんだ!しっかり登りやがれ!」

 

「堪忍してーな。ちょっとこの山は険しいわ」

 

 ふーと腕で、おでこの汗を拭う

 

「でも諦めへんで!こんな試練がなんやねん。のちに人は言うだろう。なぜそこまでして登るのか?ワイはこう答えるやろ。そこに2つの柔らかい山があるからや!」

 

 いや、なんかいい事言ってるようだけど...

 

「早くしろよ!」

 

 うんしょうんしょと登るやっさん

 

「おい。まだか?」

 

「もう少しや。もうちょっと頑張ってや」

 

 とリュウに向かって声をかける。やっと登ったと振り返ると...

 

 そこにはナタリーの顔があった

 

「!!!」

 

 やっさんが声を出す前にやっさんの突起物がもげた。

 

「ぎゃああああ!おっちゃんの...おっちゃんのセクシーシンボルがぁぁぁ!」

 

「おい!やっさんどうした?」

 

 下にいる為、上の状況がわからないリュウ

 

「これはこれはリュウ殿?そんな所で何をされてるのかな?」

 

「いや...これには海よりふかーい訳が...」

 

 ウルシの目が笑ってない

 

 ......

 

 ...

 

 

 顔をボコボコにされ酷い顔になった3人

(おい。やっさんが早くしねーからだぞ?)

(そんな事いったってしゃーないやろ?)

 

「おい。誰が喋っていいと言った?」

 

「「「すびまぜんでしだ」」」

 

 俺達はこんこんと説教を受け女性陣から軽蔑の目に晒された

 

 夕食は俺達3人だけテンション低く皆と離され食べたが

 

「お兄ちゃん大丈夫なの?もうしちゃダメだよ?」

 

 コテっと顔を右に傾ける。ルナには癒される。ほんわかした。ちなみにやっさんのもげた突起物は、ルナが回復魔法で治してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その夜

 1人で庭にやって来た。庭の椅子に座って月を見ていると、隣にウルシがやってくる

 

「隣いいですか?」

 

「ああ」

 

「それにしてもこの村はいいですね。活気に満ち溢れている」

 

「俺が将来楽したいとかいう目的で作ったけど、みんなよくやってくれてるよ」

 

「そうなんですか?てっきりどっか占領したいとか野望があるのかと思いましたよ」

 

「やめてくれよ。そんな考え微塵にもないよ」

 

 冗談だろう。俺が肩をすくめて言うと笑っていた

 

「少し昔話をしても宜しいでしょうか?」

 

「珍しいな」

 

「そんな大層な事ではありませんよ。私は昔、盗賊をやっていました」

 

 まじかよ...全然そういう風に見えないんだけど

 

「とは言っても盗賊というより暗殺業の方が多かったですが」

 

「あぁなんかそっちの方がしっくりするな」

 

 音もなく背後から首を切る方が合ってそうだよ

 

「その頃の私は漆黒のイタチとか、漆黒のカマイタチとか呼ばれていましたね」

 

 すげー!2つ名だよ!俺はそんな名前で呼ばれたら恥ずかしけどな。

 

 ん?

 

「えぇこの間、カポの村の洞窟で会ったフクロウがいましたよね?彼は以前の仲間です。どっちかと言うと同業者の方が合ってるかもしれません。私はボスの指令で動き、他とはあまり交流がなかったですからね。」

 

「あれから結構時間がたってるが、どうして今そんな話しを?」

 

「今日の子供達の笑顔を見ていると、初めてお嬢様と会った時の事を思い出しましてね。リュウ殿に話しとかないとと思いまして」

 

 ウルシがそう言うと月を見上げる

 

「あれはお嬢様が生まれて間もない頃です。夜に屋敷へ忍び込んだのです」

 

「お前まさか?」

 

「いえ、その時は暗殺ではなく盗賊稼業で、金貨や金になるものを探していたのですよ」

 

 ほっとする

 

「何かないかと屋敷を探していると、ある部屋に入ったのです。その時に初めてお嬢様と会いました。とは言えまだ赤ん坊。お嬢様は覚えていないでしょうね。しかし、ふと私の指を握られた時、思ったのです...暖かいと」

 

 そう言うと1口ワインを飲む

 

「当たり前かも知れませんが、その当時はそれがかけがえのないものに思えたのです。私は今まで何をしていたのだろうか?組織の指令で人を殺す毎日。自分の感情さえ殺し、ただの殺人機械になっていた。その時に初めて人の温もりを感じたのです」

 

 笑ってしまいますよねと苦笑をしてくる

 

「そして私は組織を抜ける事にしました。勿論抜けさせてくれる訳がありません。しかし私は組織の幹部が集まる中、もし足を洗うのに反対するのなら容赦はしないと宣告し、その場にいた反対する者を一瞬で殺しました。もし追っ手を出すなら同じ目に合うとだけ言って抜けました。」

 

 その後も追っ手が来たので、追っ手を小飼にしてる幹部の元へ行き同じ目に合わせましたけどねと微笑んできた

 こ、怖ぇな

 

「そして、屋敷で働きたいと話し、今に至ります」

 

「お前の過去はわかった。もしかしてウルシって名前...」

 

「えぇ漆黒から一文字取りました。過去を切り捨てるという意味を込めて漆黒の黒から後ろを省いた<漆>という名前に」

 

 急にこちらを向き直し

 

「リュウ殿。今回の旅行から帰ったらダンジョンの最深部を目指しませんか?」

 

「どういう事だ?」

 

「今日河原でナタリー殿とも話しましたが、嫌な予感がするのです」

 

「嫌な予感?」

 

「はい。フクロウなのですが、彼は人の上に立つ人間ではありません。誰かの下に付き好き勝手にやるのを好む性格です。あそこにいた50名の者は多分盗賊でしょう」

 

「だから部下の事を気にする素振りもなく逃げたのか...」

 

「えぇそして彼が1番の腕ならあんな単独行動で、王都から何日も離れた場所に来るはずがありません。間違いなく彼より手練がいるはずです。ヘタすると国家戦力級の猛者が」

 

「不味くないか?」

 

「えぇ。そして私達の村は誰もが羨む環境です。貴族なら誰もが手に入れたいでしょうね。もし依頼をされたフクロウ達のような組織が村を狙いだしたら防ぎきれないでしょう。ですので、防衛の上でも個々の底上げをしたいと思ってます。一番はリュウ殿でしょうね」

 

 ふふふと笑われてしまった

 

「やっぱそうなる?」

 

「はい。リュウ殿が死ねば魔物もテイムから外れてしまいますので、戦略上困ります。これからは深い階層でレベル上げしながらテイムして強い魔物の軍団を作り上げたいですね」

 

 

 

 

 

 椅子からずるずると降りながら「はぁ~」と溜息をつくリュウだった






謎の人物が!とか予告で言ってましたが、書いていてアレ誰出すんだったっけ?と今でも謎なんで出てきませんでした。すんません

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