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モルドの剣  作者: 馬の被り物
ダンジョンへ行こう
42/67

再開

 2人を呼び出す

 

「2人共今後どうしたいとか考えてる?逃げたって事は指名手配されてるし、ここだっていつまでも安全とは言えないぞ?」

 

「「・・・」」

 

 これ全然考えてないな...

 その場しのぎで逃亡しただけだな。

 

「金貨100枚だろ?あてはあるのか?」

 

「いえ全く...でも私にはこの力があります。冒険者になってでもお金を稼いで支払うつもりです」

 

「いや、それ何年もかかるだろ?その間シルヴィアの親父はどうすんだ?多分奴隷落ちして鉱山か、ヘタすりゃ見世物だぞ?」

 

 黙ってしまう2人

 

 2人の前に金貨の入った袋を見せる。

 

「もし、2人がここでの事を外に漏らさない。一生ここで暮らすって言うなら貸してやる。」

 

「こんな金額を...」

 

「いいか?貸しだぞ貸しあげるんじゃないからな?」

 

「ありがとうございます」

 

 シルヴィアが涙を流す

 

 ......

 

 ...

 

 シルヴィアが泣き止むのを待って

 

「ただ余り時間もないだろう。キヨシとナタリーを付ける。まだ信用した訳じゃないからな。それに裏技がある。それも漏らさないと誓えるか?」

 

「はい。それは大丈夫でございます。何から何までありがとうございます」

 

 まだ泣いてるシルヴィアにウルシが「お嬢様これで御当主様を救えます」と意気込んでいた

 

「このウルシ。ここで身を粉にして働かせて頂きます」

 

 と深くお辞儀をしてきた。

 

 さてと準備をしますか?

 現在シルヴィアの親父の現状がわからない。時間を無駄にしない為にも転移を使って王都の1番近い街に向かう。

 伯爵の領土まで馬で1日。しかしこっちにはダークネスウルフがいる。半日もあれば着くだろう。街から衛兵に見つからずに抜けるには夜中だな。

 

 任務が完了したらソッコーで転移して村にたどり着く作戦だ。伯爵にこちらの場所をバレないようにする為だ。

 問題はナタリーの顔が知られてる可能性がある。なんたって剣術大会で優勝し何の価値もない土地が欲しいっていう変わりモンだからな。屋敷の外で待機してもらうとして、消去法でキヨシだもんな...スゲー心配だよ。

 ウルシは執事やってるぐらいだから大丈夫だけど、コイツが裏切ったら洒落にならんな。

 そんときはキヨシ...犠牲になってくれ(祈)

 

 作戦を伝えるとナタリーが

 

「んなもん乗り込んで伯爵ぶん殴って親父を取り返してこりゃいいんじゃね?で転移で戻れば金も払わなくて丸くおさまるじゃん」

 

 

 

 何言っちゃってんのコイツ?正気か?

 

「そんな事すりゃ事態が悪化するだけだろ?」

 

 頭痛い

 

「へーへー」とヤル気が全然出てない。

 俺がいこうかな?

 

 

 

 夜になり王都近くの街に転移する。やっぱりナタリーは置いてきた。アイツには無理のようだ。悪化しないように俺が来た

 

 

 衛兵にバレないように【忍び足】で近づき、袋に入った鱗粉を風にのせて吸わせる。

 

 昼間思いつき実行してみたが、上手くいったようだ。速攻で眠り出した。今回の秘密兵器モスの鱗粉だ。

 

 みんなに合図し街からひっそりと出ていく。

 モスと話し、眠る鱗粉を出して貰った。元々はモスは幻覚作用がある鱗粉を出せるので似たような効果だし、睡眠の鱗粉は出せるらしい。デメリットは自分が風下にいると吸ってしまい逆効果になってしまう事だな。使い時を気をつけなければ...

 

 ダークネスウルフに乗り3人は伯爵の屋敷に急いで向かう

 

 

 

 

 

 

 

 伯爵の屋敷の近くに来た。俺は念の為に外で待機。キヨシは中で問題があった際に、ウルシと転移で脱出する手配になる。一応ウルシが逃げた際の器物破損の責任を取らされるかもしれないので、少し多めに持たせた。

 

 

 

 

 ウルシ視点

 

 リュウ様には頭が上がりません。たった1週間の付き合いでここまでの事をして頂けるなんて。主はシルヴィアお嬢様ですが、もしリュウ様に暗殺等、裏の仕事を頼まれれば、喜んで手を染めましょう。

 

 

 ふぅと一息吐きいつものように凛とした佇まいに戻し門へ近づく

 

「止まれ!ここに何のよ......まさかお前はウルシ!のこのこと何をしに来た!お前達は現在指名手配中だ!大人しくこちらに来てもらおうか?おっと武器は預かるぞ」

 

「えぇ結構です。ですが、本日こちらへ伺ったのは残りの借金を返しに来たのでございますよ」

 

「嘘つけ!こんな短期間で用意できるもんではないぞ!」

 

「いえ、こちらを見て頂ければ...」

 

 袋を取り出すウルシ

 

「中身を見て見なければわからん。・・・おい伯爵様に伝えて来い。本当にある様だ。」

 

 

 門番に案内され屋敷に入る2人

 

 ......

 

 ...

 

 数十分後部屋に通される

 中には腹がでぶっとして頭が禿げ上がった50代くらいの男がいた

 

「失礼致します」

 

「本当だな。この間はよくもやってくれたなウルシよぉ」

 

「先日の御無礼申し訳ございません伯爵様」

 

「ふん。よくもここに顔が出せたもんだ。それで金ができただ?どこで盗んできた?それともどこぞの貴族にでも泣きついたのか?」

 

 悪態をつく伯爵。今すぐにでもぶん殴ってやりたい。が、御当主様の安否もわからないのだ。それにこれ以上リュウ様に迷惑をかける訳にはいかない。

 

「いえ、犯罪行為をしたわけではございません。それに私共の爵位は男爵でございます。助けてくれる方なんてございません。貴族ではない、とある方が善意で貸してくれたのでございます」

 

「おいっ」

 

 伯爵の後ろに控えている執事に金貨を数えさせる

 

 

 

 

「...確かに金貨100枚ございます。ですが...」

 

「だな。確かに借金は返せたようだが、お前が入り込んだ際に壊した物の弁償はどうするんだ?」

 

 やはりこの男まだお嬢様を諦めてない

 

「いくらでございますか?」

 

「そうだなー金貨20枚だな」

 

 バン!とテーブルを叩くウルシ

 

「なっ!壊したのは窓とドアのハズでは?いくらなんでもその金額は高すぎます」

 

「もう約束の期限は過ぎてるんだ。利子もある。それにあの男の寝食の分も。タダじゃないんだ。どうせ払えないんだ。出直してこい。3日まってやる。次はシルヴィアも連れてこいよ」

 

「分かりました...」

 

 その言葉を聞いてニヤッとする伯爵。彼にはシルヴィアとの今後の事を想像したのだろう。

 

「これが金貨20枚でございます」

 

 顔が青ざめる伯爵

 

「ばかな!おい!」

 

 控えていた執事が袋の中を見て頷く。

 

「では御当主様の所へ案内して頂けますか?」

 

 テーブルをドンドンと叩く伯爵。あと少しあと少しで手に入るハズだった。言葉巧みに男爵に無利子でいいからと貸した。それもシルヴィアを手に入れる為。もし失敗してもいい。次の手を考えれば良いのだから。

 悪手だった。もう少し強引な手で手に入れればよかったのだ。どうせ払えないだろうとタカをくくっていた...

 

 男爵を引き取りリュウと合流する。

 

 

 

 

 

 

 リュウ視点

 

 キヨシとウルシが出てきた。横にはシルヴィアの親父と思わしき人物。

 すぐさま村へ転移してもよかったが、いきなりだと混乱すると思いまずは街へ転移した。

 

 そこで伯爵の屋敷での話しを聞いた。案の定利子を吹っかけてきたようだった。親父は「そんな事はない。無利子だったはずだ」と言ってたが、払えない金額を提示する為に契約の詳細を知らないウルシが払えない金額にする為に嘘をついたのだろう。

 あまりに高すぎると契約書を見せてくれと言われるしな。高すぎず、少なすぎない金額だな。

 

「ウルシよく払えたな。渡した分じゃ足りなかったろ?」

 

「はい。なので、私の今までの給金も全額出しました。これで私は無一文でございます」

 

 なんだよ。少しは持ってたじゃんか

 

「それで、シルヴィアの親父さん。これからどうすんの?」

 

「もう私は行く所がありません。リュウ殿が良ければ村に置いて頂けないでしょうか?シルヴィアの近くで暮らしたいのです」

 

 ウルシもお願いしますと頭を下げてきた

 

「条件がある。うちの村の秘密は絶対に漏らさない事。もしバラしたら配下が地の果てまで追い続けるし、容赦なく奴隷になってもらう。それはウルシも一緒だ」

 

「ありがとうございます。約束します。絶対に秘密は守ると。所で秘密とは?」

 

 俺の秘密、村の秘密を話すと「にわかには信じられません」と言ってたので、転移で現実を見てもらった。すぐ近くにオーガがいて「ひぃ」と言っていた。わかりやすい奴がいて良かったよ。

 

 シルヴィア親子は抱き合って涙を流しながら喜んでいた

 

 

 

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