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モルドの剣  作者: 馬の被り物
ダンジョンへ行こう
34/67

解放者様

 モリス達の村に重い足取りで向かう。

 

 モリス達は村の入口で待っており、俺が浮かない顔をして行く為

 

「お、おい...もしかして負けたのか?」

 

 と聞いてきた

 

「いや、負けなかったさ。大勝利だよ」

 

 

 わぁぁぁぁと大盛り上がりする獣人達

 

 

 俺とモリスは小声で

(じゃあなんでそんなに暗い顔してるんだよ)

(いやな、この後何て説明したもんかな?と思ってさ...)

(あぁそれだったら説明は明日でいいさ。今夜は騒げばいい)

 

 そうだな。こんなみんなが喜んでるのに暗い顔してもしょうがないもんな

 

「モリス悪いんだけど、酒樽をいくつかもらえないか?あいつらに持って行きたいんだ。今も夜通しで選別作業してるしな」

 

「おう!それぐらいならいいぜ!ってか魔物って酒飲むのか?」

 

「あぁ普通に飲むぜ。しかも今回オーガ手に入れちまってな。あいつら呑みそうじゃん?」

 

「おまっ!オーガだと!」

 

「おいっ!声デカい!」

 

(あぁ悪い。でもオーガかぁとんでもねーな)

 

「そうなんだよ。かなり強くなりそうで期待はしてる」

 

「っていうか何でこんな夜に選別作業してるんだ?」

 

「いやぁ元々はさ今回はギルド持ちでかなり美味しい討伐だったんだよ。でな、向こうが防衛にしか手が回らないから、ギルド長が応援を近隣に頼むって言ってて明日あたりにも来そうだったから早くしないと火事場泥棒がでそうじゃん」

 

「あぁまぁそういうのいそうだな」

 

「だろ?それにうちの配下を見せるわけにはいかないから、夜のうちにやっと来たいんだよね。」

 

「そうか、そういう事なら任せてくれ」

 

 

 そうして夜遅くまで宴会は続いた。

 

 ある者は涙を流し「あんた達が来てくれなかったら俺達はもうダメだったよ」と、ある者はナタリーに勝負を挑みボコボコにされていた

 

 ってゆうか、アイツ元気だな

 

 ホント疲れた。何とか終わってくれて良かったよ

 

 その後馬車が満載で載せられないと配下から連絡があり、折角ならと転移の指輪を試してみた。手で触れていた馬車毎、村に転移できた...

 

 マジで便利すぎる。とりあえずもう一度戻り満載の馬車をどんどん村へ転移させた。空になった馬車を行ったり来たりさせて作業が終わる頃には、うっすらと日が登り始めた。



 はぁなんでだろ?満載だ!と連絡あるまでは、もう終わって寝るつもり満々だったのに。こんな時間まで...

 

 戦場を見ると使い物にならない魔物の肉や死骸が散乱していた。今日は帰れないな...後始末しないと...

 

 すでに馬車は村だし、配下は人に見つからないよう森の中を進んで帰らせた。それにしても眠い。モリス達の元に帰って寝る事にした。

 

 



 

 昼頃に起きると食事の用意が出来ていたが、なんか周りの人達がよそよそしい。どうしたのだろうか?

 

 食べ終わると

 

「リュウ様宜しいでしょうか?モリス様がお呼びですので一緒に来て頂きたいのですが...」

 

 

 pardon?リュウ様?

 とりあえずついて行く

 

 中に入るとリュウの他に8人の老人がいた。

 

「昨日は申し訳ありません。知らなかったとはいえ無礼な言動を!」

 

 モリス達が土下座をしてくる。

 

「えっ?えっ?ちょっと!」

 

 急いで顔を上げさせる。ホントこういうのやめて欲しい

 

「急にどうしたんだよ。昨日の態度でいいんだけど...」

 

 それは私が...とモリスの横にいる...たしかジブじぃと言われていたな


 

「リュウ様。私達に伝わる様々な伝承があります。文章として残っておらず、代々口伝でのみ語り継がれているものがありまして」

 

 実はその中に...と神妙な面持ちで








 

【漆黒の蒼き衣を纏いし者

  数多の種族を率い

  暗闇から世界を解放する者なり】

 

「と言うものがあります。それが余りにも、貴方様にあてはまるのです。」

 

 まじか...たしかに青黒いコート羽織ってるし魔物が配下だけど色んな種族いるし当てはまる事だらけだけども、さすがに世界は救えないでしょ?そういうのは勇者に任せればよくない?

 

 

 

 

 とは言えない空気だなこりゃ。それにしてもさっきのよそよそしい態度はこれだったのか

 

「あーでも俺全然強くないし、解放とか無理だと思いますよ?もっと強い人に頼んだ方が無難だと思いますけどね...」

 

「そんな事を仰らずに解放者様!どうか我々をお導き下さい」

 

 解放者様!?何でそんな仰々しい呼ばれ方してんの?

 

 あーやめだやめだ!もうコイツらに何言ってもダメだ!

 それならとことん利用しよう

 

「今から言う事を守るなら考えなくでもない」

 

「本当ですか!」

 

 めっちゃぐいぐい来るなジブじぃ

 

「あぁ本当だ(考えるだけね)まずはモリス!」

 

「はい!」

 

 何かスッゲー目をキラキラさせてる。少年の様な瞳だ。騙すから心が痛い

 

「まずは敬語禁止」

 

「ぐぬぬ。が、がんばりま、がんばる」

 

「そして今後俺の事は秘密にする様に!」

 

「「な、なぜですか!」」

 

 一斉に言ってくる

 

「色々とまずいからだ。基本魔物なんて討伐の対象だ。俺が囲ってるなんてバレてみろ?何て言われるかわかったもんじゃない。最悪討伐対象だぞ?まだまだ戦力なんてないのに国家規模で来られたら今までの苦労が水の泡だ」

 

「なるほどこれから戦力を整えて行くまでの時間が欲しいんですね。ゆくゆくは国盗りを。さすが解放者様だ。我々とスケールが違う。世界を解放=世界制覇ですね」

 



 全く違うけどな

 

 

 どうなってんのコイツらの頭?そんな面倒な事するわけないじゃん。楽に暮らしたいんだよ!こっちは!

 

「まぁ違うけど、なんでもいいや」

 

 とりあえず今後の事も話しとこうか?

 

「戦場の事なんだけど、昨日モリス達が倒した分の分配はどうしようか?」

 

「いえ、解放者様にすべてささげます」

 

 コイツ言葉治らないな。もう諦めるか

 

「いや、他から避難した人いるでしょ?復興にもお金かかんじゃん?」

 

「その事なんですが、朝色々話しまして、ここで暮らし規模を拡張していこうと...そもそも散らばりすぎて被害が多かったのでここで頑張っていこうと話しをしました。それに解放者様が守護した土地ですからみんなここがいいと...だからお金は本当に...」

 

 引かないな...

 

「じゃあこうしよう。今戦場に死体が沢山あるんだよ。腐って病気が出ても嫌だから俺の代わりに集めて貰う。その仕事の代金として渡すのはどうだ?」

 

「それでしたら...」

 

 よし決まった!じゃあすぐやろう

 

「とにかく俺の事は村の者に外へ言いふらさないように言っといて。もし言いふらすようなら、この話はなしだ!」

 

「は、はい!キツくいい渡しときます。ですが今回の討伐の件はどう致します?私共だけでは討伐は無理だと思いますが...」

 

「あぁそうだよな。応援に駆けつけた冒険者と協力して倒したって事にしといて。間違ってはいないしさ」

 

「わかりました」

 

「こっちはこっちで何とかしとくよ」

 

 さてとギルドに行かないとな...

 

 

 

 

 シュナイダーに乗り街のギルドに来た。

 

 いつもの受付嬢が走り寄ってきた

 

「リュウさんどうでした?」

 

「あぁその事なんだけどね。ギルドマスターいる?」

 

「はい。呼んで来ましょうか?」

 

「いや、2人で話したいから連れて行ってくれない?」

 

 応接間へ通される。結構儲かってんのかな?高価な調度品が並ぶ

 

「初めまして。何級か忘れた冒険者リュウです」

 

「初めましてギルドマスターのシャンテです。」

 

 そう言ったギルマスは30歳くらいの女性だった。荒々しい冒険者を束ねるギルマスとしては力を誇示するものがなるもんだと思っていたが、彼女は事務仕事の方が似合いそうなメガネ美人だった。

 

「聞いた話しだと今回の報告に来たと...」

 

 キランと光るメガネの奥の目が怖かった

 

「あ、はい。とりあえず魔物の群れは全滅させました」

 

「なんですって!数千もいるのに一体どうやって?」

 

 まぁ確かにそうなるよな

 

「詳しくは言えないんですが、裏技でね。ただ今回はやりすぎました。悪目立ちすぎましてね。平穏に過ごしたいんですけど、絶対国から目をつけられますよね?最悪利用されかねないんですよ。」

 

「確かにね。そんな戦力があれば囲って国の為に働けって言われるものね」

 

 そんなの真っ平御免だね

 

「で、ここから相談なんですけど、ここから応援に駆けつけ倒したって事にしません?」

 

「はぁぁぁ?そんなの無理に決まってるじゃない」

 

「一応対策は用意してあります。冒険者全員に昨日行った事にして口止め料に金貨1枚づつ渡して欲しいんですよ」

 

「いや、多分無理だと思うわよ?」

 

「まぁ多少でもでいいんですよ。要は俺達が倒したとバレなければいいんです。それにここの冒険者が倒したって事はギルマスの評価に繋がりますよね?損をする人がいなくて最高じゃないですか?」

 

「まぁ確かに悪くないわね。でもそのお金はどうするのよ?」


「俺の討伐分からでいいですよ。あっ!全ての換金をバレないようにしたいので夜とか人目につかないようにしたいですね」

 

「わかったわ。じゃあいつがいいかしら?」

 

「じゃあ今日の夜にでも」

 

「ちょっと待ってよ!こっちは色々と準備があるのよ」

 

「でも腐っちゃいますし」

 

「はーもういいわ今日ね。日が落ちたら裏の倉庫へ来て頂戴」

 

 頭を抱えるギルマスを横目に部屋から出るのであった

 

 すぐさまキヨシと連絡を取り街の外れに夕方転移で馬車を運ぶよう指示を出す。

 夜に倉庫へ行きどんどん討伐品を出していく。段々と顔を青くしていく職員

 

 結局今回討伐したのは

 合計6786匹。テイムしたり、討伐部位自体とれない程の損傷したのを含めると8000ぐらいはいたんじゃないだろうか?

 その他にも

 魔石

 牙や爪、ツノや皮

 肉

 等も含めるとかなりの儲けになる。ちなみにワイバーンはナタリーが真っ二つにしていたので、比較的に綺麗で全て村で確保した。今後装備品にしたり、肉は村で今回頑張った者に振る舞う予定だ。今回の収益

 討伐分が銀貨67860枚なので

 

「金貨678枚銀貨60枚」

 素材がトータルで

「金貨165枚銀貨8枚」

 トータル

 金貨843枚銀貨68枚となり、一般家庭4人で70年分を一日で叩き出してしまった。

 でもその中からモリス達の復興費用として2割、金貨170枚を渡し、冒険者の口止め料76人分金貨76枚をギルドに払う。ついでにギルドへ迷惑料として追加で金貨50枚渡した。

 そして残りが俺達の儲けで金貨547枚銀貨68枚を手にしたのだった。

 

 

 あ、忘れてないよ。奴隷商で新たな住人を引き取った。追加も忘れずに...

 

 

 いやー楽しみだなー!

 

 

 

さすがに金貨1000枚獲得!とかは現実的じゃないので魔石しか取れないゴブリン多めにしました。

素材も色々計算しましたが、どんぶり勘定にしたらとんでもない金額になったので、調整してこれぐらいです


そしてやっと、あらすじを無理やりぶっこむ事に成功しました

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