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モルドの剣  作者: 馬の被り物
ダンジョンへ行こう
32/67

帰ったら特訓な!

 序盤は攻勢だった。

 ゴブリン軍団の通る道を残してボア軍団が魔法で遠方の魔物を倒していく。

 アーチャー軍団は外側の敵を屠りながら中へ入らせないようにしている。

 しかも思念によって矢の雨ではなく一体につき一矢。頭に突き刺し効率よく倒している。ボア軍団も散らばしながら攻撃してる。ゴブリン軍団は順調に進むが死体が邪魔してなかなか進みが悪い。

 

 これはまずいな。まだ被害は少ないが、長期戦になると分が悪いぞ。俺達は進行方向に邪魔にならないように迂回しながら敵を倒していく。

 

 勿論、テイムしながら。テイムしたばかりの弱い魔物は死体を後ろに纏める役にさせた。負けない戦いもそうだが、金も重要だ。

 戦闘に投入するのはテイムしたオーク。できるだけオークをテイムしていきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 モリス視点

 

 戦闘開始してから1時間。一向に敵がこない。いや、多少は戦闘から漏れた魔物が来るが大した事はない。

 

 ただ気になる...

 

 先程応援に来たという冒険者達が向こうに行ってから魔物の群れの足が止まったように感じる。まさかS級の冒険者なのだろうか?いや、どう見てもそうは見えない。S級というのは人外であり、見ればオーラが違う「今から見る事は他言無用」という言葉も気になる。

 

 

 今こちらはそんな危機らしい危機はない為、様子を見たいが...

 

「若!なりませぬぞ!獣人達の大将が自ら危険な場所に向かう等と!」

 

 これである

 

「いや、危険が及んでない今がチャンスなのだ!」

 

「それでもなりませぬ!」

 

「じゃあ遠くから眺めるだけだから。お供もつけるからいいだろ?」

 

「では、じぃも行きます。ですが遠くからですぞ?絶対近寄らないと誓って下さい」

 

「分かった分かった」

 

 はぁ参ったな

 

 

 お供50騎を連れ現場に向かうと驚愕の光景が目の前に広がる

 

 

 

 

 

 

 

 

 リュウ視点

 

 一向に楽にならない。この数の差だ。最初から分かっていたが、精神的にツラい。配下達は体力の底が一見未だに見られないが、思念では

 

「お頭ぁ~かったるいっすよー」

「まだまだ先が見えないっすねー」

「あー矢がなくなったわ。とりあえず槍でやっておきますね」

「ボスもう魔力ないっす。突進しますねー」

 

 全然緊張感がない...

 

 とりあえず、ある程度削って休憩取ろう。もう1時間程たって50体はテイムした。俺何気にすごくね?ほぼ1分に一体テイムしてるよ?

 

 でも半分くらいが敵に倒されてる...鍛えてない配下だしゴブリンとかだから殺られてもしょうがないんだけどね。

 

 ナタリーは...もう人間じゃねえよ。突っ込んで1振りで5体位吹っ飛ばしてる

 

「おー姐さんめっちゃスゲー!」

「俺らの5倍は倒してね?」「俺ら頑張らないとコレヤバくね?」

「ヤバイヤバイ!さっきから、こっちチラチラみてるよ!」

「これ頑張らないと帰ったら地獄だぜ?」

「お頭が1人4殺ぐらいで大丈夫なんて言うからだよー泣」

 

 ゴブリン軍団が妙にヤル気を出してくれた。俺も頑張らないと...

 

 キヨシに至ってはなぜか無双してる。二丁拳銃をすでに使いこなし、1回で6殺。すでに300体くらい倒してるんじゃ?手数多いのずるい!今度俺の戦闘スタイル考えとかないと...

 

 あ、魔力切れみたい...必死の形相で敵を引き連れて来る。

 

 おい!バッカヤロー!大量に連れてくるんじゃないよ!

 

 もうどれをマーキングしたか分からないけど、大量にしとけば後でわかるっしょ?

 20体位お供で連れてきた敵の中に飛び込み一気に殲滅させる

 

「リ、リュウありがとうなんだなぁ」

 

 

 後ろに逃げていたキヨシにまぁ気にすんなよと振り返る。

 振り返ると、その方向には遠くにモリスがいた......

 

 

 

 

「あっ!見られた」

 

 どうしよ。どうしよ。

 

 あっ!こうなったらちょっと頼んで来よう。

 

 急いでモリスに近寄る

 

「あの...これには深い訳がありまして...」

 

「どういう事が説明してもらおうか?」

 

「ある特殊なスキルがありまして...これ攻めてるのうちの仲間です。絶対害はないので今回は見逃してもらえませんか?色んな意味でバレるとまずいので...」

 

「だろうな。まだ序盤で勝つかわからないが、もし勝った場合は、じっくり聞かせてもらおうか?勿論他言無用にはするが。」

 

「はい...それは有難いのですが、実はマジックポーションみたいのありませんか?うちのものが魔力切れでして...」

 

「うちは獣人だから魔法を使うものが少ないんだ。100本ぐらいしかないが大丈夫か?」

 

「ありがとうございます!全部欲しいのですが、お金は...」

 

「そんな事気にするな!どうせうちが蹂躙されれば全部なくなるもんだしな。おい!すぐに集めさせろ!」

 

 そう言うと、モリスは、ここで見た事は秘密だと十二分に言い聞かせ配下を走らせる。

 

「ではまだ敵が残ってるので行ってきます。持ってきたら、まずはあそこのデブに渡して下さい。では」

 

 戦場に戻るリュウ

 

 

 

 それを見たモリスは

 

「じぃどう思う?」

 

「はい。確信は持てませんが可能性はあります」

 

「だよなーだとしても、さすがにこの戦力差は厳しいな、彼らの休む時間を作る為にも少し手を貸すか?」

 

「それがいいでしょうな。100騎程、元々いた我々の里の者を出しましょう」

 

 

 そうしてジブじぃに準備をさせたのである。

 

 

 

 

 

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