さぁ儲けるそ!
村人の話しによるとギルドの街へ行っている商人から、外に待機してるゴブリン経由で連絡が来たとの事。
「それならゴブリンが直接俺に連絡してくれればいいのに!何でそんな面倒い事するの?」
「す、すみません。でもギルドから緊急クエストが発動されたんです」
【説明しよう。なぜ村人が直接言いに来たのか。それはただ作者が「きゃーーー!えっちーー!」というおふざけをしたかったからである。怒られて可哀想な村人である】
「えっ?緊急クエスト?それ受けないといけないの?」
「はい。受けないと資格剥奪になってしまいます。なので、ギルドで今後魔石とか買い取ってもらえないと思います」
えーーーー!ヤバイじゃんそれ!
「しかも今回はかなり深刻みたいで、急いで向かって下さい」
しょうがないな...折角お風呂を堪能してたのに...
支度をしナタリーとキヨシを呼ぶ
「まぁそんな訳でさ、着いてきてよ。馬車だと時間がかかるからシュナイダー達に乗って行こう」
「まだ飯食ってるんだけど?」
ナタリーもキヨシも肉を頬張りながら話しを聞いてる。コイツらは...
俺だってまだ食ってないのに...
「あっちで奢ってやるから、な?」
「しょうがねぇすぐ終わらせて飯食うぞ!」
急いで街に向かう。街の中に入ると街中は喧騒に包まれていた。
慌ただしく動く人々。冒険者が鍛冶屋に詰めかけている。
人々を横目で見ながら冒険者ギルドに入る。
「ちわーす。三河屋でーす。」
あら?サブちゃんという言葉は返ってこなかった...
カウンターに向かい受付嬢にどうしたのか聞く
話はこうだ
ここから馬で1日くらいの場所に獣人の村がある。
そこから救援の依頼があった。なんでも北東から魔物の群れが押し寄せている。
数は数千規模だが実際の数がわからない。
真っ直ぐ来ているのでこのままだとこの街も飲み込まれるとの事。今はギルド長が近隣にも応援を頼んでいる。
獣人側はこちらに応援を寄越して欲しいと言っているが、この街も余剰がなく防衛にあたらせるので精一杯なのだと。
リュウ達には出来れば応援に行って欲しい。毎回あれだけの量の素材を持ってくる程の実力があるので、今回は力を貸してほしい。
うーん。俺達だけで、応援?無理じゃね?数千でしょ?
まぁこっちに向かってるって事は他人事ではないしなー
防衛はもう城壁完成してるし、籠城なら少人数でも耐えられるとは思うけど...
「ちなみにさ、今回の報酬ってどうなってるの?
」
「今回は緊急って事もありまして、魔物1体につき銀貨10枚を出す予定にはなってます」
「証明はどうなるの?」
「討伐部位を持ってきて貰えば大丈夫です」
「じゃあ魔石や他の素材は丸々儲け?」
「はい。そうなりますね」
まじか!
ナタリーとキヨシを呼ぶ
「おい。聞いたか?金儲けのチャンスだぞ!10体で金貨1枚。千体だと100枚。うちの魔物達300以上いるから1人頭4体撃破するだけだし、ぼろ儲けだぞ!」
「あぁ楽しみだな。下手すりゃ一生働かなくてもいいんじゃね?ちょうど欲しい攻撃系スキルのスクロールが欲しかった所なんだよなーヤバかったら帰ればいいしな!獣人?知ったこっちゃねぇ」
「パ、パンが食べ放題なんだなぁ」
こいつら優しさの欠片も緊張感もねぇな。俺も含めてだけど。
「わかりました!受けましょう。ただ頑張りますけど、自分達の命も大事なのでもうダメだと思ったら撤退しますよ?」
「ありがとうございます。はい。それでも大丈夫です。よろしくお願い致します」
「ちなみに俺達はあまり目立ちたくないので、もし今回上手くいって撃退しても俺達の名前を公表しないようにギルドマスターに言っといてよ」
受付嬢はえぇと答えたが彼女は思った。
今更である。この街より大きい防壁。奴隷ばかり集めた村。毎週大量に運ばれる魔石に素材。リュウ達は外に行かないので知らないが、すでに彼らはこの一帯で有名になっていた。リュウの顔を知らなくても村の存在は......
さて、まずは部隊の編成だな。馬で1日と言っても馬が走って通れる場所は遠回りをしないといけなく、かなりロスだ。最悪囲まれて獣人の村で籠城なんてものも視野に入れないといけないから今回は機動力重視の騎乗部隊だな。となると...
俺達3人
ハイゴブリン70体
オーク20体
コボルト10
ティンダーウルフ50体
ダークネスウルフ20体
ボア各種合計150体
ハーピィ20体
バレットイーグル20体
が現在の出せる戦闘系戦力
歩兵は全てウルフ達とボアに乗り騎乗兵士だ。
騎乗部隊100
フリーの移動部隊120
空挺部隊40
冒険者達は最悪のパターンを考えて村の防衛だ。
馬と違ってウルフ達は森の中でも自由自在だろう。通れない場所もなんのその。
少し戦力が少ないが、現地につけば歩兵部隊は徒歩で攻撃。アーチャーのみ騎乗すれば問題ないだろう。
300体程の軍勢になるハズだ。もし足りなければ、現地で俺が増やせば問題ないしな。
村に思念で連絡し向こうは最短距離で獣人の村に向ってもらい、俺達もさっそく向かう。
シュナイダー達に急いで向かってもらう。
獣人の村に着くと。まだ襲われていなかったが、遠くから砂埃がたっているのが見える。あまり時間はないようだ。間に合って安心する。
村の衛兵に応援に駆けつけた事を伝える。
急いで総長を呼んでくるとの事。総長?村長みたいのかな?
少しすると大柄の虎みたいな獣人が来た。
「はるばる応援に来てくれて助かる。俺が獣人の総長をやってるモリスで虎の獣人だ。状況は見ての通りだ。この地響きのせいでみんなブルってやがる。」
肩を竦むモリス。
リュウも周りを見渡し
「そうみたいですね。まぁしょうがないですよ。ちなみに戦えるのは何人ぐらいいます?」
「いや、敬語はいらない。まともに戦えるのは全部で200人くらいだな。ただ外から避難して来た者が多いから連携がな...ちなみに来たのはもしかして3人だけか?」
「いや、事情があってここにはいないが300人用意した。まずはうちらで迎撃しようと思う。」
「おい、300人じゃ殺られちまうぞ!それより篭って籠城した方がよくないか?」
「いや、多分大丈夫だ。ここで待っててくれ。少し削ってくる。」
(なるべく多く狩ってお金儲けしたいからね)
「ただこれから見る事は他言無用にして欲しい」
「はっ?」
「よし。いくぞ!」
急いで魔物の群れに向かうリュウ。あまり獣人達には配下の戦いを見られたくない。だって普通に見たら仲間割れしてるようにしか見えないもんな。理解しろっていうほうが無理だもん。
陣形は前方に歩兵軍団。
ゴブリンは各10名づつに別れ。1部隊を率いるのはゴブリンナイト(騎士)とハイゴブリン。その後ろにボアの魔法軍団を配置した。ゴブリンアーチャーもといハイゴブリンアーチャーが左右に展開する。
「作戦開始!」
こうして村始まって以来の大きな戦いに火蓋が切って落とされた
一体銀貨10枚。銀貨100枚=金貨1枚です。10体で金貨1枚になるので5000体いたら金貨500枚なんですよね...ちょっとあげすぎかな?と思ったりします。




