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モルドの剣  作者: 馬の被り物
ダンジョンへ行こう
29/67

森の危機

 ????視点

 

 リュウがボスに挑む2日前の事

 

 王国と亜人達の国アチレーマ共和国に跨るように佇む森、ホエル大森林で異変が起こった。

 

 

「ぎゃあああ」

「ダメだ!こっちはもう抜かれそうだ!」

「そっちもか。コチラももう戦える戦士が少ない。頼む!長老達に状況を伝えてきてくれ」

 

 

 1人の戦士が死ぬ気で馬を走らせ味方に知らせに行く。だがその戦士もすでに体中傷だらけで持つ手網に込める力は弱々しい

 

 

 

 はっはっはっ

 

 森の未来の為、しいては自分達部族の未来の為、必死で村に辿り着いた。

 

「おい止まれ!

 なっ!お前傷だらけじゃないか!一体どうしたんだ?」

 

 傷だらけの戦士を見て獣人の村の見張りが慌てる

 

「一刻も早く長老に...森の一大事なんだ...」

 

 ただ事ではないと察し

 

「わ、わかった。今すぐ長老を呼んでくる。おい水を持ってこい!それと村の薬師を呼んでこい」

 

 見張りは同僚にそう指示し自分は急いで長老を呼びにいく

 

 

 薬師の手当と水を飲んだ為か少し落ち着きを取り戻した戦士

 そこへ長老を連れて戻ってきた見張り

 

「お、お待たせしました。偉大なる森の戦士の方。一体何があったのですか?」

 

 

 戦士の話しはこうだ。

 数日前から森がやけに騒がしかった。何かあったのでは?と、ある村の長老が村の者に異変を調べる様に指示を出した。明くる日、血相を変えて戻ってきた村の若者。

 とんでもない数の魔物がこちらへ向かってると。

 最初はあまり気にしてなかった。なんといっても自分達は獣人なのだから。

 亜人の国でも比較的身体能力が高い獣人は一人一人が人間より強く、森の中でも充分生きて行けた。

 その驕りというかプライドが邪魔をし不幸を招いた。

 

 最初から応援を頼めば少なくとも今のような状況にはならなかった。気づいた時にはすでに村が9つ程、魔物の群れに飲み込まれていた。

 今もその勢いは膨れ上がっており、ここへ押し寄せるのも時間の問題だった。

 

「すでにここから馬で1日の所に魔物の群れが来ています。推定数千。全体像がまだまだ掴めず、必死で防衛網を守るので精一杯でした。」

 

 それを聞いていた村の者は愕然とした。普通の村でも精々100人程しかいないのである。すなわち何もしなければ村は一瞬で飲み込まれてしまうのである。

 

「若い者はすぐに各集落に連絡を!女子供はすぐに避難の準備を!こうなれば村を捨てる。総長の所へ避難するのだ!」

 

 

 総長。それは獣タイプの亜人達を纏める者。

 この亜人の国には獣、猛禽、水棲、龍等の多種多様の知能を有する者が住んでる。その昔、人間と獣が交わって産み落とされたとも、魔物が突然変異したとも伝わっている。そんな亜人の王都は国王がいなく、すべての部族から代表の総長を選出し、話し合いにて物事にあたっている。それは大昔、国王になったある種族が他の種族を奴隷の様に扱った為だとか。

 そんな経緯もあってこの国には国王が存在しない。

 

 話しは戻るが、そんな獣人の中にも色々な種族がいる。大体は動物から来ている。犬や猫、虎やライオン、熊等もいる。そして総長とは1番力が強いもの。加えて知能に優れているものが、その座に着いている。いくら強くても知能がなければ王都での仕事は務まらない。逆に強さがなければ争い事をおさめる事はできないのである。

 

 そして昨年新しい総長が誕生した。まだ歳は若いものの知勇兼備の新しい総長。

 

 その総長なら何かいい案が出るだろう。そう藁にもすがる思いで向かう準備をおこなうのであった。

 

 

 翌日......

 

 獣人の総長。虎の獣人モリスの元へ早馬で、ある村の若者がくる。

 

「はぁはぁ急ぎでお伝えしたい事があります。モリス様に御目通りしたく参上致しました。」

 

「用件を伝えよ!」

 

 衛兵がそう伝えるものの

 

「いや、ですから森の一大事なのです!一刻も早くモリス様に...」

 

 慌てている村人と衛兵の言葉が噛み合わず押し問答になっている

 

 騒がしいなとモリスが村人の方に近づくと

 

「あっモリス様!ぜひ伝えたい...」

 

「おい!誰が近づいていいと言った!」

 

 衛兵がモリスに近付けさせまいと若者の首根っこを捕まえようとすると、モリスは手で制し

 

「どうした?何があった?」

 

 身長2mに見合った体躯。顔には若いながらも3本の傷があり、かなりの場数を踏んでいる事がその表情から読み取れる。若者はその圧倒的な強者のオーラに、たちすくんでしまう。

 

「あ、あ、はい。実は...」

 

 その話しを聞いていたモリスは若者がすべて話し終えた後、すぐさま行動に移る

 

「おい今すぐ獣老のジジイ共を叩き起してこい!すぐに対策を練るぞ!とりあえずお前もこい」

 

 と奥のテントに若者も連れて行くのであった。

 

 

 獣老8達

 獣人の最高幹部にしてモリスを支える者達。武力はないもの知能に優れ、日頃から獣人達の問題を解決しているのである。

 モリスは武力には優れているものの少し知能が低い。そこで獣老8達が様々な知識でモリスの教育をしている最中なのである。

 

 そして集まり出す面々。全員が揃った所で、モリスが若者に先程の事をもう一度喋るように言う

 それを聞くにつれて驚き戸惑う8達。

 

「なんと!」

「今までの歴史上かつてない危機ですぞ!」

「信じられませんな」

「もしそれが本当ならここも危ないですじゃ」

「だからと言って先祖代々のこの土地。特に神獣の木の側を離れる訳には...」

 

 

 

 モリスもそれには賛成だ。ここを離れたら、もし生き残れても自分達は生きた屍だ。この土地が...神獣の木が獣に汚されてしまうからだ。自分達も獣なのに何言ってんだかと少しおかしく笑ってしまったが。

 

「ジブじぃ何かいい案はないか?」

 

 さっきから思案顔で黙っていたジブじぃと呼ばれた男が口を開く

 

「そうですな。若が思ってる事と同じくこの土地からの撤退はありえませんな」

 

 髭を手で触りながらモリスが生まれた時から世話役として長年仕えるジブラが

 

 それならばと...

 

「近隣のギルドに応援を頼んではどうでしょう?応援に来る間、他の地域から集まった者で、籠城を行い国にも応援を頼みましょう」

 

 それしかないか...とモリスは少し考え、分かったと一言発し

 

「聞いた通りだ。反対の者はいるか?」

 

 反対の者がいなかった為、すぐに行動を起こす

 

「すぐに救援の依頼を出す。手の空いてる者は防護柵等の強化、女共は戦の支度だ。時間が無い。急いで取り掛かれ!」

 

 おおおおお!

 

 とりあえず士気は低くないな...ただここも300人程しかいない。どれだけ持ちこたえられるのか?どれだけ応援が来てくれるのか?時間との勝負だなと思い戦の支度をするモリスであった...

 

 

 

読んでくれてる方が毎日増えてくれるのがわかり、うれしい限りでございます。

色々試行錯誤で書いてるのですが、何せ内容の厚みが...厚みが全然なくて他の作者さん達はホントすごいなぁとただただ尊敬するばかりです。

ただ厚み増やしたくても自分の力ではダラダラとした文章になっちゃうので困りもんです。サクサクしないと今回で2カ国目が出てきましたけど、ほんの触りぐらいなので...

後6カ国もあるからいつ終わるかわからないです...

いっその事。UFOでも登場させて絨毯爆撃で王都爆破でもさせて終わらせるか?なんて考えましたけどねw


UFOが出現した→絨毯爆撃→国が更地に→復興→俺たちの冒険はこれからだ!→FIN

まぁ冗談ですけどね

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