ダンジョンボスは俺にかかればイチコロよ!キリ
地下5階に来た。目の前の扉を見る。石造りの扉に不思議な紋様が刻まれてる。扉の前で皆を集め語りかける。
「この先のボスを倒したいと言う者はこの中にいるかもしれない。だがここは俺に任せて欲しい。そして俺自身、今の実力が知りたい。皆を守る力が本当にあるのか。今こそこの力を解き放ち、邪悪なる権化に炎の鉄槌を落とさん!皆の者その目にこの力を焼き付けるがよい!」
討伐隊、配下に緊張が走りゴクリと喉を鳴らしている
(ふふふサクッとボスを倒し流石村長だ!くっやはり村長は本当の力を隠してたのか!と尊敬の眼差しをいっしんに受けて献上品を持ってこさせよう)
リュウは浮かれていた。昨日は休みだったので、スキルや魔法をゴブリンに使い無双していた。
何コレ!メッチャ気分いいじゃん!魔法ってすっげー!瞬殺じゃん!俺マジTUEEEE!これはもう俺が苦労しなくてもみんなに攻略して貰ってスクロール持ってこさせればいいんじゃね?
リュウは自分に酔っていた。酔いに酔い泥酔していた為、自分が魔物最弱最底辺のゴブリンをイジメていただけだと言う事に気付きもせず...
仰々しく手を扉にかざし
「さぁ俺に殺られる可哀想な奴はどいつかな?」歯キラリ
ゴゴゴゴ
扉が開き歩を進める。暗闇からボスが出てきた。
3mはあろうかという巨体に顔は牛。凶暴な牙、角は一突きされたら人間など1発で貫く程の鋭さを持つ。そして、その巨体に相応しい巨大な斧。ミノタロウスがそこにはいた
......うん。やめよう。帰って寝よう。
そう思って帰ろうと振り返ると扉がすでに閉じていた。
あ、コレって入ったら閉まるパターン?
襟首をナタリーに掴まれ
「おい、どこ行くつもりだ?さっきまでの威勢はどうした?「さぁ俺に殺られる可哀想な奴はどいつかな?」だっけ?」ニヤリ
顔を両手で隠し
「やめてー!」
さっきまでのクサイセリフが頭の中で繰り返される。
「もし逃げるならアイツらに後でコイツ(ボス)に向かって「さぁ闇の炎に抱かれて眠れ!」ってポエムを言ってたって言うぞ!」
ナタリーがニヤニヤしながら
「あいつらずっと後々までこのセリフを語り継ぐんだろうな~」
何その黒歴史!一生消えない心の傷になっちゃうじゃん!
はぁ...もうどっちにしろ(心の傷的にも戦闘的にも)逃げれないからやるしかないか...
緊張感の欠片もないまま戦闘に移る
ミノタロウスのリーチ的に纏まるのはまずいので、全員散る。囲むように位置取る。
開始直後、盗賊が投石でヘイトを買う。背後からはキヨシが弓を撃ちミノタロウスの集中力を崩す。意識がキヨシへ向いた瞬間、忍び足で一気に詰め切り掛るものの斧の腹で防がれる。
一旦距離を取りファイヤーアローを撃つ。魔法使いが威力はないものの連射できるウインドカッターを放ち脚に傷を付けていく。盗賊がナイフ、キヨシが弓を放ちミノタロウスの意識が散漫になった所へ、ナタリーが一気に距離を詰めミノタロウスの右腕を切り落とし斧が転がる。
ここだ!と思いサンダーシールドを纏ながら左手でミノタロウスに触れる。
ビクンとミノタロウスが感電し両手でロングソードを振るう。
感電した為か抵抗もなく首を切り落とす事に成功する。
ふぅ何とか倒せたな。
倒すと奥に宝箱が出現し、入口と出口の扉が開く。
おおっ!めっちゃ興奮する!
宝箱を開けた瞬間
あっ!やっべ...普通に開けてしまったと後悔した。罠があったかもしれないのに...
とりあえず今回は罠はなかったが、ボス部屋とはいえ次からは気をつけよう
宝箱にはスクロールが入っていた。
スキル
【鑑定】
キターーーー!めっちゃチート能力じゃん!
みんなに許可をもらい習得した。ナタリーは
「攻撃系スキルじゃないからいらない」
ホント脳筋である
奥の部屋に魔法陣があり一旦地上まで行けるのか試してみる。問題なく作動していた。
ミノタロウスがかなり大きいので解体し一抱え分は確保し、村で焼肉をする。久しぶりの牛だ。味付けは塩コショウしかなかったが、かなり美味かった!
そして柑橘系の実があるので果汁に塩を混ぜタンを堪能した。
タンだけに...




