推し羊ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛
一晩野営をし朝から辺りを見回す。ノッキングシープが草原で草を食べている。
まずは雄と雌の見分けをしようと思い酪農家に聞いてみると
「見分けるのにはやはりツノですね。雄が上向きにカーブしていて雌が下向きにカーブしてます。これは雌の取り合いの時に頭で...」
話しの途中でツノをぶつけ合いながら興奮してる個体が遠くに見えた。体が大きいからすごい迫力だ
「ね。あんな感じなんですよ。あーそういえば今は発情期でしたね。これは少し危ないかもしれないです...」
えっ?まじで?どうしよう...これってやばくね?雌をテイムしたら取られたと思ってこっちに向かってくるかもしれないじゃん!
「あ、でもチャンスかもしれませんよ?今あの2頭は目の前の個体にしか集中してないですから死角から一気に倒せるかもしれないですよ」
まーそういう考えもできるのか...とりあえず近くの個体で試してみるか...一撃で倒せるかもわからないしなぁ
目の前のノッキングシープをみる。デカイな...
一撃で倒すとして脳天?いやそれはツノが邪魔してるな。となると首か?他は羊毛が邪魔して俺の実力じゃ厳しそうだしな。
後ろからソロソロと近づき一気に距離を詰め首に上段から剣を振り抜くも完全には断つ事が出来なく途中で止まってしまう。しかも首から抜く事ができない。
あまりの痛さからなのかノッキングシープが
もおおおおおお
と大声で叫び、それにビックリした近くのノッキングシープ達が逃げ出してしまう。
お前羊じゃねぇのかよ!なんで牛の鳴き声なんだよ!というツッコミをする暇なく暴れ出すノッキングシープ。
左右に振られる。まずい!このままじゃ吹っ飛ばされると思った瞬間、駆け寄ってきたゴブリンによってノッキングシープの命を断つ。
「お頭危なかったですね」
助かったよと。手を差し伸ばしてきたゴブリンの手を掴み立ち上がる。
ゴブリン2体にノッキングシープの羊毛とツノの剥ぎ取りを頼み、シュナイダーに跨る。
自力で走っても時間が掛かるのでシュナイダーに乗って追いかける。
目標は逃げ出したノッキングシープの一番前。逆に振り向かせ今度はこっちに向かってくるように誘導させる。そしてこっちではゴブリンに立ちはだかってもらい囲みを作らせる。脚の止まったノッキングシープ達を一体一体仕留める作戦だ。
全速力でシュナイダーと向かい1番前のノッキングシープに狙いを定めマーキングをし前に出る。シュナイダーが咆哮し脚を止めたノッキングシープ目掛けシュナイダーから飛び上段から振り下ろす。
シュナイダーのスピードの力をそのまま斬撃に上乗せし、途中で刃が止まらないよう上から刃に魔物の皮を巻いた手を当て体重を乗せる。一気に首を切断しテイムが成功する。少し体が軽くなり力が増したような気がする。レベルが上がったようだ。
ふぅと息を吐きゴブリン達に向かって行ったノッキングシープ達を見る。とりあえず後は雄を4頭は欲しいな。
シュナイダーに乗りゴブリン達に足止めされたノッキングシープに先程と同じ戦法で次々と倒していく。
雄が5頭揃ったので聞いてみた。
「なぁお前達。あの中で一緒に住みたいと思う雌っているか?」
そう。折角ならノッキングシープにも選ばしてやりたい。俺じゃ見た目の違いなんてほとんどわからないからな...
「え?ボスいいんですか?じゃーあの子がいいです。」
「ずっけーぞ!俺だってあの子に目をつけてたのに!」
「いやいやあの子でしょ!お前ら見る目ねーなー」
「「お前こそ見る目ねーよ!」」
ぎゃあぎゃあ叫ぶ5頭。とりあえずあの2頭だな。一気に距離を縮め一刀両断する。
離れた所で雄共が「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」と叫んでいたが、テイムするには一旦殺さないといけない。勿論復活して配下にはなるものの憧れの雌が死ぬのは堪えるのだろう。もう1頭もマーキング後一刀両断する。「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
これまで7頭も倒してるのでレベルが上がり楽になってきた。出来れば雄5頭に対して雌は15頭は欲しいので残り13頭。途中で、今まで使ってきたショートソードが駄目になったので、予備で持ってきたロングソードを取り出し残りのノッキングシープも倒す。
はーかなり疲れた。夕方には終わったが疲れたので今日は野営をした。
ただ雄共がお気に入りの雌ばっかりに媚びるので、いい思いをしない雌が共闘して雄共に突進していた。
仲良くして欲しい。彼らが仲良くできるかどうかで今後取れる羊毛の量が決まってくるんだからね。早めに子供を増やすのを期待してるぞ。
後でわかったのだが、ツノは年に1回発情期後、抜け落ちるそうだ。しかもかなり硬く武器素材としてかなり優秀らしい。
そしてシュナイダーにのり4日かけて村に戻る。結局往復5日程で戻ってくる事が出来た。あいつらが戻ってくるにはまだまだかかるが、のんびりすればいいさ。
村の前でシュナイダーから降り、よーしよしよしわしゃわしゃとシュナイダーと戯れて上機嫌になりながら村に入る。
村の中を見渡し開拓がどんどん進む光景を見ると、一瞬にして俺に雷が落ちた
う、嘘だろ......
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