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モルドの剣  作者: 馬の被り物
そうだ!村を作ろう
18/67

盗賊退治

 翌日の夕方。村に着くと、さっそく大騒ぎになった。

 

 いつもの事である。事前に馬車で伝えたが実際見るとやっぱ違うんだろう。無害な魔物だと必死で伝える。やっぱ見た目なんだろうな...笑顔が凶悪だもんな...可愛い魔物が欲しい所だ。

 自己紹介等を行い、隠しといた酒を振る舞うと早速ドワーフ2人が食いつき、ナタリーと酒盛りをしている。冒険者や盗賊、大工も輪に入り盛り上がっている。これなら大丈夫だと安心する。

 

 

 翌日、みんなで朝食を食べてる広場で今後の方針を伝える。

 ダンジョンの攻略を1ヶ月後に始める事。その為に攻略に関わる者は1ヶ月みっちり訓練をして欲しい事。

 ゴブリン達も今の半数はダンジョンに関わり荷物持ちを行い、魔物戦術で攻略した時に出る戦利品を地上まで運び必要のない物は商人が纏めて街に売りに行く。その一環で商人達は各地の街に素材を売ったり情報を手に入れる。ドワーフはここら辺一帯の山でまずは何が取れるか調べる。同時に鍛冶場を作り村で武器防具の作製ができる環境を作る事。ゴブリンを1部隊つけるので雑用をさせながら鍛冶の修行をさせる。

 

 大工には施設の充実を図るのと同時に村に比較的近い場所にゴブリンを派遣して山に洞窟を掘らせるので崩落を起こさないよう木で補強をさせて保存庫を作らせる。その為にも樽の製造を指示した。

 

 女性陣には洗濯や料理補助等に加え倉庫の整理、狩ってきた魔物の皮の鞣しを頼んだ。これは防具にも使えるし、家で寝る時に敷く用にもなる。

 子供達はあれだな...適当に遊んでてくれ。ただし、村から出てはいけないという事を守らせた。後は商人の手の空いている時には勉強をするようにと。

 

 俺は1番狩りをしているゴブリンを何体か呼び、現在森で発見できている魔物を教えて貰った。

 

 ゴブリン

 オーク

(ホワイト・ブラック)バイソン

(レッド・ブルー・グリーン・ピンク・ブラック)ボア

 ティンダーウルフ

 

 とりあえずゴブリン達が対応できる魔物を挙げてもらった。鳥に関しては俺の攻撃する手段がないので除外。ボアに関しては魔法の耐性及び攻撃手段で色の名前が変わるらしい。

 レッドボアは火を鼻から噴いたり火を纏って突進してくる。火は纏うが燃える訳ではないらしい。まぁ魔法の不思議な所だよな。ただなぁ...

 

 

 

 なんでイエローがいないんだよ!そこまで色違いを集めといておかしいでしょ!それとピンクってなんだよ。誘惑でもすんのか?

 

 猪に頬ずりしたりすんのかな?

 

「いや、お頭ピンクは無属性ですぜ?」

 

 えっ?いやいや、ピンク関係ないじゃん...それ普通のボアじゃん。



 

 そして森の奥は危険らしい。オーガだったりワイバーンが出るそうだ。ワイバーンって下竜とかいうやつでしょ?無理無理無理

 

 近場で戦力増やそう。オーガがもし村に出ても100体ぐらいで囲めばさすがに大丈夫でしょ。後は、遠距離からの魔法攻撃や弓で対応すればさすがにオーガとはいえ勝てないでしょ!

 

 となるとボアを各種類で増やしたいな。ついでにティンダーウルフとかいう狼で移動手段も増やしたいし。森での戦闘力upやダンジョン内での人間には分からない臭い察知に役に立つかもしれない。とはいえ俺の自力を底上げしないと...

 

 各々が役割を確認し、1ヶ月先に向けて動き出す。

 

 まずは移動手段の為にティンダーウルフを仕留めに行く。鼻が効く魔物の為、遠距離からでもこちらに気づき襲いかかってくる

 

「はっや!」

 

 突進を受け吹っ飛ばされる。護衛に来たゴブリン達が始末したが、予想以上に速かった。これマーキングする処じゃないし攻撃できんのかな?

 

 その日はティンダーウルフに絞って戦闘を繰り返した。5体目位から速さにもなれ10分ぐらいかけて1体を倒す事が出来た。

 なんか魔法とかで身体強化とかできないもんかね?

 ステータスを見るとやっとレベルが20になっていた。はぁ先は長いな...

 

 

 翌日ナタリーが冒険者や盗賊達を連れて村から出ていった。

 

「あいつら生ぬるいから実戦で鍛えないとダメだなコリャ」

 

 と言っていた。昨日は夕方までぶっ通しで模擬戦やら武器が壊れた時を想定して近接格闘戦術を叩き込んでいた。死んだような眼をしていたのが印象的だった。


 よ、よかった...テイムのスキルがあるから戦力増加の為に動いてて...もしそれがなかったらあの中に入れられてたかもしれん

 とりあえず食料をバックに入れ背負わせたゴブリンをお供につけたが、食糧がなくなったらどうするんだろ?

 お金を渡そうとしたら

 

「現地で食糧は調達するし、金はなんとかなるから大丈夫だ」

 

 と手をヒラヒラとしながら出ていった。まぁナタリーはなんだかんだ剣術大会で優勝してるからかなり深く森の中に入らなければ大丈夫だろう。

 

 それより俺だよな。人の心配してる場合じゃないよな

 

 とりあえずウルフ、ボア、オーク、バイソンをテイムできる位には強くならないと

 

 

 その後1週間は夕方まで森へ入り、夕方から夜まではゴブリン達と稽古をした。

 

 

 

 1週間後、現在新たにテイムできた魔物

 ティンダーウルフ20匹。これで森の移動が楽になった。鼻が良いので森に入り食べれる植物や果物、土に埋まってる自生の野菜等が多く手に入った。その内の1頭、最初にテイムしたティンダーウルフにシュナイダーと付けた。

 

 1週間たった後、街から戻った商人が奴隷商から連絡を貰ったと言って来たので翌日街に向かう事にした。

 ちなみに商人達には毎回ゴブリン2体を護衛につけ街の手前で森に放ってもらい。帰りもゴブリンを馬車に乗せて帰ってくる。ここは辺境だし荷が襲われたらたまったもんじゃない。盗賊に関してもそうだ。ゴブリン達と意識が繋がっておりもし緊急事態になるとすぐ連絡する事になっている。

 

 

 翌日街に向かい、宿で1泊する。奴隷商で引取りをする。

 今回は

 ドワーフ1名

 酪農家3名

 農家5名

 冒険者2グループ(剣士2名、魔法使い2名、斥候2名、僧侶3名)

 

 今回の僧侶1名と前回買った魔法使い&盗賊(斥候役)俺に、キヨシ、ナタリーと組んで合計4グループでダンジョン探索にあたる。

 

 今回もかなりお金を使ってしまったので当分は我慢である。前回と同じく翌日に受け取りに来る事を話し、帰る。残ったお金で酒樽を購入する。

 

 

 翌日夕方に村に帰ると、早速大騒ぎになった。

 ただ前回と違ってティンダーウルフがいるせいか近寄ってモフモフしている。

 そうだろうそうだろう。

 

 ふふふ。うちの狼達は定期的に水浴びさせているのでかなり綺麗になっていてふかふかしている。俺も専属もふもふのシュナイダーで癒されている。

 

 村の中を見るとナタリー達が帰ってきていた。見ると冒険者達がげっそりとしていた。自分達より格上であるオークやバイソン達と戦ったり、野良の盗賊達の根城に乗り込んで捕縛して街へ連れていきお金に変えたのだそうだ。

 あれ?これって奴隷商でまた盗賊買ったらマッチポンプになるんじゃない?

 

 ナタリー達が捕縛→奴隷→買うという図式ができたらほぼ金をかけずに人手を集められちゃうじゃん?

 

 この村の秘密も守られるし、最高じゃん

 

 他にも盗賊の根城で金貨銀貨や武器防具に食糧まで手に入ったらしく、さすがに持ちきれないので帰ってきたとの事。修行の途中で狩った魔物は街で売り捌いたと。

 

 これは実践&金策になると思い、今日連れてきた冒険者達も追加で派遣させる事にした。

 最初に行った冒険者グループはそのままゴブリン1部隊付け、今日来た2グループはナタリーと盗賊2名をリーダーに配置しゴブリンを1部隊づつ護衛兼荷物運びで実践を積んで貰う為に2週間を目処に各地に各地に散ってもらう事にした。とは言っても大怪我だけはしないよう無理がない範囲で行動してもらう。

 

 まぁそれは明日にするとして夜は村総出で宴会の用意をし、大いに盛り上がった。

 

 

 翌日、冒険者を見送り新しい農家は古参の農家に任せ、酪農家を集め今後の方針を伝えた。

 この先、牛豚鶏を飼育する予定で、追加で羊を買ってきて洋服、肉にする事。繁殖させ乳からチーズ等の製品を特産にし周りの街に売りに行く為の準備に動いて欲しいと話した。

 大工と協力して森から離れた草原側に飼育施設を作り日中の放牧も可能にする。

 施設が完成したら近くの牧場から買い付けを行ってもらう。

 まずは鶏から始め、徐々に豚、牛、羊と手を付けていくが人手が足りなければ新たに奴隷を買うので言って欲しいと伝える。

 

「ちなみにだけど魔物で良さそうのいる?」

 

 ......3人でひそひそと話しをしている。

 

「それなんですが、村長がテイムした魔物は肉にしても大丈夫でしょうか?」

 

 あーそっかー。確かにテイムしたら言う事きくから扱いやすいよね

 

「あー。なんだ...それは無理だね」

 

 だって思念があるから、肉にするのに殺すとき「いやだー!死にたくない死にたくないぎゃああああ」とか言われたら耳に残りそうだもん

 

「であれば...羊毛を大量に取れるノッキングシープなんてどうでしょう?基本大人しいですし普通の羊の3倍の大きさもありますからね。肉はあまり美味しくないのでちょうどいいですし乳も多く取れますよ。テイムしてない羊と見分けが付きやすいです」

 

「それいいね!で、どこにいるの?」

 

「ここから馬車で5日離れた所の平原でよく見ます」

 

 往復10日か。2週間後にナタリー達が帰ってくる事を考えると明日にでも出発したいな。

 

 

 その夜、夕食時にみんなの前で明日からノッキングシープを狩りに10日程留守をすると伝え、鶏舎が完成次第酪農家には鶏を買い出しに行ってもらい、世話は基本手の空いてる者がする事にした。早めに増やしたいのでオスとメスを1対10の割合で5セットまで買える分だけ買ってもらう事にした。鶏なんていくらするのかわからないし...

 一緒に着いてくるのは護衛ゴブリン2部隊と酪農家1名。酪農家はノッキングシープをテイムした後に村まで運んでもらう役目がある。さすがに大きすぎて馬車には乗せられない。道中はゴブリンに護衛させるつもりである。俺はシュナイダーで移動なので帰りは早めに帰ってくる。

 

 

 翌日出発し、どうせ行くのだからと馬車には素材を詰め込みゴブリン達とシュナイダーは徒歩にしてもらう

 

 夕方街に着き商人には街で素材を売ってもらい、俺はシュナイダーに乗ってゴブリン達と先に目的地まで向かう。馬車は後から追いついてもらう予定だ。

 街道沿いを途中はゴブリンしかいなくテイムしても付いて来れないのでここではテイムは諦めた。シュナイダーの後ろに乗ってる酪農家は涙目になりながら必死で俺の腰にしがみついてくる。

 こんなオッサンじゃなくて美女ならどれだけうれしい事か...


 美女と言えばハナさん(25)だが、まだ何も進展していなかった...向こうから来るかと思ったが、みんなとワイワイやってる。

 あれ?この場合俺から行った方がいいのだろうか?でもなぁ初めては雰囲気良くしたいしなー

 でもなー夜の方も頑張りますとか言ってたけど、俺が奴隷同士でも好きな者同士で結婚していいよと言ったからもしかしたら、俺の事タイプじゃないかもしれないし...もし断られたらショックで立ち直れないぞ!

 いや、奴隷主として無理矢理にでも...いやいやダメだこれじゃ職権乱用のセクハラだ!

 

 そのな事を悩んでいると後ろにいたはずの酪農家がいなくなっていた。遠くで転がっており敵のゴブリンにボコボコにされていた。

 

 あ、、、

 

 急いで戻り助けると

 

「ひどいですよ村長ー。何度も助けを呼んでるのに全然止まってくれないじゃないですかー」

 

「すまんすまん考え事をしててな...」

 

 特に酷い怪我はしてなかったので、薬草を噛ませとく。

 3日後、目的地に到着する。

 

 

 

この世界では盗賊は討伐対象となっており、保管してある財宝などは討伐した者に権利がある設定です。おまけに捕まえて街の衛兵に引き渡せば、安くても銀貨1枚にはなります。

馬車を引く馬は競馬のようなスピード重視ではなく体の大きな馬です。なのでシュナイダーは予定より早く着いてます。今後ゴブリンと同様にどんどん大きくなるのでスピードは増していきます

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