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モルドの剣  作者: 馬の被り物
そうだ!村を作ろう
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連れて行け!

 ロペス(料理長)視点

 

 奴隷商から新しいご主人に変わって数日、驚くばかりだ。奴隷に落ちれば過酷な鉱山で働かされたり魔物の討伐部隊で騎士達に使い捨てられて死ぬような待遇しかなかった。

 料理ができるってだけで今の主人に買って貰えたんだから本当に幸運だったと思う。まぁその料理できるって事で結局はスープに虫が入ってるってイチャモンつけられて口論の末に客を刺してしまったんだからな。どっちがよかったんだろうか?


 話を戻そう。


 買ってすぐに身体を清潔にさせてくれたり服に豪華な食事にと奴隷にしては破格の待遇だった。その為、昼食時あまりのうれしさに号泣してしまった。

 

 ただ、それより驚いたのが新天地に着いた時だった。馬車から出ると大量のゴブリンがいた。しかも普通のゴブリンよりデカいボブゴブリンが何体もいたのだ。一瞬、もうここで終わりなんだ。食われて殺されるんだ。と思ったが様子がおかしい。ボブゴブリンが喋ったのだ。腰抜かす所だった。なんでもご主人のスキルの【テイム】で支配下に置いているそうで、世間にバレたらこき使われるから秘密をバラさない奴隷だけの街を作るつもりなんだとか。


 それにしても、このゴブリン達はすごい。一日中働いてる。食べる量もさる事ながら捕まえてくる量もすごい。正直1人では料理の手が足りない。ゴブリンも助けてくれるが、どうしても需要に対しての供給が間に合ってない。


 ご主人から皆に、この村での必要だと思う職業や人数とか案を出してくれ。次に街に行ったら買ってくるからと言われてるので今度料理人か料理出来る人を買ってきて貰おう。

 

 この村に来て数日、新しい住人が増えた。活気が出てきた。農家さんが増えたので畑を作るスペースを拡張するらしく、500m四方というとんでもない広さに変わり出した。街の外に畑を作ると農家が魔物に襲われる可能性もあり折角お金を使って買ったんだから勿体ない。だったら拡張するぞ!とご主人が意気込んでゴブリン達に指示を出してる。

 

 

 

 

 そんなある日、完成したばかりの集会場に来るようにと朝食後、副村長のキヨシさんが言いに来た。副村長という役職が正しいのかわからない。というかこの村には名前がない。来た時にご主人に聞いてみたが

 

「ないよ」

 

 と。じゃあつけましょうよと言おうとしたら

 

「そんな事より先に役職きめよーぜー!」

 

 子供みたいにはしゃいで、どんどん勝手につけていった。しまいにはゴブリン達にも付けていき、あるゴブリンの背後から肩をポンポンと叩き

 

「じゃあお前今日から防衛隊長な!」

 

 と言われたゴブリンが膝から崩れ落ちていた。どうもゴブリン達は防衛任務が嫌いで魔物らしく狩り部隊が花形らしい。

 

 














 朝食を片付け集会場に行くと、集会場の中はコの字型のテーブルが並べられていた。すでにこの村の人間が全員揃っていて重苦しい空気が流れていた。何が起きているんだ...

 

「揃ったか...」

 

 ご主人である村長がブラインドから指を離した

 

 あれは一昨日に村長が大工に作らせたものだろう。ブラインドという物がなんなのかわからなかったが

 

「集会場にはブラインドが必要なんだ!ブラインド!ブラインド!ゆーたろーみたいな雰囲気出さないとダメなんだ!」

 

 と訳の分からない事をいってたが、きっと村長には必要なものなんだろう。手には木のコップに果汁水が入っていた

 

「さて、お集まりの諸君。いつもご苦労さま。君たちに集まってもらったのには訳がある。このメンバーを見ればすぐわかると思うが...」

 

 村長が椅子に座りテーブルの上で両手を組みながら額に当てている

 

「ふむ...少し難しかったかな?キヨシはわかるよな?」

 

 村長の横に座ってる副村長に振る。副村長は村の設立当初からのメンバーだ。村長の右腕として意思疎通は完璧だろう

 

「ぱ、パンがないんだなぁ」

 

 しーんとした空気が流れる

 

 

「連れて行け」

 

 そう村長が口を開くと入口の扉が開かれゴブリンが2匹入ってくる。そして副村長が左右の腕を捕まれ外に出ていく

 

「ぐふふふふ暴れてもいい事はないからな」

 

 とゴブリンが笑いながら出ていく...

 

 副村長が連れていかれると、より一層重い空気が流れる。村長はまだうつむいたままだ。すると1人が挙げた。彼は確か役職【商人】と村長に言われていた若者だ

 

「こ、この村に来た時に思ったのが女性がいませんよね?」

 

 若者は異様な量の汗をかいていた。

 確かに...

 

 全くいない...

 

 ..

 

 ....

 

 ......

 

「おめでとう!君がこの村の参謀だ!」

 

 村長は両手を広げ大袈裟な仕草をしている。一気に重い空気が拡散した

 

「やっとだよ!やっとこの村の問題に気づいてくれたよ~いや~全然みんな言わないしさ~正直ここの村民ヤバいのかな?と思ったんだよね~」

 

 さっき若者が着いた時からって言ってたのに村長は完全にスルーしてる。

 いやーホント気づく者がいて良かったよ。キミは優秀だな!ガハハハ!と若者の肩をパンパン叩いてる。若者を見ると顔が引き攣ってる。

 

 村長は自分の椅子に寄りかかり

 

「いや~買う奴隷買う奴隷が何故かみんな男ばっかなんだよね~。あの奴隷商を少し脅したから嫌がらせなのかね?次から女性も買わないと正直やる気でないよね~」

 

 鼻と上唇の間に細い木の棒を乗せて村長が喋る。

 あ、これは料理出来る女性を頼むチャンスじゃないか!

 そして俺が頼もうと手を挙げようとした瞬間

 

 

 

 

「か、頭ぁ大変だー!」

 

 とゴブリンが「バン!」と扉を勢いよく開けると

 

「な、なんやてー!」

 

 ゴブリンが詳細を喋る前に村長がそう叫ぶ

 

 

 な、何が起きたんだ......

 

 

 

 

 

 

 

 

○○視点に憧れて無理やり書きました

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