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プロローグ

うちのクラスには学校NO.1の美少女がいる。

彼女の名前は鳳取撫子(ほうとり なでしこ)さん。

高嶺の花だが、我こそはと男女関係無しに毎日告白しているらしい。


今の時点で既に、学校の半分の生徒が告白するほどの人気だ。


この四季旬高等学校は1学年200人程、3学年合わせると600人を越える進学校だ。


今更だけど僕の名前は、奥天夜(おく てんや)

身長は175cmで、前髪で目が隠れていて肩まで掛からない程度の髪、そして眼鏡を駆けている。


ここ数年運動していないからかお腹周りに肉がついてきたのが悩みな何処にでもいる高校2年生だ。


彼女の事を初めて知ったのは1年生の時の春。

クラスの男子のほとんどが休み時間になると隣のクラスの前に集まっているのがある日気になり、彼らに着いていったときに初めて見た。


その時の印象は

(うわぁ~。何かモデル顔負けの子が居る。道理でこんなに混んでるわけだ。)


程度の事しか考えていなかった。

そして何故か彼女と同じクラスになったであろう男子と女子は凄くどや顔を決めていたのも印象的だ。


あまりにも毎時間廊下が塞がれるため、学校側から昼休み以外は彼女の教室前に集まるのは禁止と言われ、何人も肩を落として帰ってきたのが面白かった。


そして、昼休みになると上級生を含めて廊下だけで無くベランダにも不良っぽい十数人が集まって居るのが恒例とかしてしまった。


放課後になると校舎裏にある大きな桜の木の下に彼女と数人が行き彼女に1人1人告白するのがまるで毎日の行事のようになっていった。


何故、こんなにも詳しいのかというと。

振られる度にクラス全体が情報を共有するという謎の現象が起き、彼女のクラスの1番後の掲示板には毎日数字が増えた状態で張り出され、生徒名簿に赤線が引かれるのだ。


そのコピーや写真が朝のHRで全員に展開されているので誰でも今誰が告白したのか、その人数が分かってしまう。


告白場所も学校から校舎裏の桜の木の下と指定されたのも大きい。

何故なら、その場所は職員室の目の前で断られた生徒が強行に走らないように見張るために決められたからだ。


桜が咲いているうちに告白したいという生徒が学校側に何度も直訴して入学してすぐに授業をしない日が設けられ、彼女に1日中告白する日になった。


もちろん彼女の友人や先生が人数を管理し、彼女の体調を考えた上で行った行事だったので本格的に彼女は祭り上げられたのであった。


告白が終わった人や告白しない人はまるっと1日自習になるので、学校に来なくても出席したことになると聞いた僕は学校に行かず、受験で見れなかった昨年の春、夏、秋、冬アニメを見る日に宛てたのでとても有意義だった。


そんな行事が終わってからは告白の波が放課後に2、3人が告白するという形に落ち着いた。


その頃に彼女は入学当初のキラキラとした目から光が無くなる事が多くなり、ストレスを溜めているのが時々すれ違う僕でも分かった。


僕はお昼ご飯は基本的には立ち入り禁止になっている鍵の掛かった屋上で食べるようにしている。

鍵に関しては合鍵を手作りで作り、そこに入り浸っている。


ある日お昼休みが終わるまでのんびりしようと寝転がって居ると鍵が開く音がして扉が勢いよく開き人影が屋上に入ってくる。

その影は慌てているのか僕には気付かず扉をそのままの勢いで閉じて鍵をかけた。


「はぁ、はぁ、はぁ。ここまでくれば大丈夫ですかね……?」


そう言ってポケットから出したのはスマートフォンで寝転がっている僕はそれで何をしているのか分からなかったが。

一応、声をかける事にした。


「あの~~?」


そう声を掛けるとビクっと肩を揺らしこちらに振り返ってくる。


「え?え?何でここに人が!?鍵締まっていた筈ですよね…?」


何か変な誤解をしそうだったので僕の持っている鍵を見せる。


「あーー、僕も鍵を持ってるんですよ。ほら」


鍵を見せると安心したのかへたり込む。

その時に勢いでスカートの中が見えてしまったのは仕方ないと思うんだ。


そんな彼女はまた疑問に思ったのか聞いてくる。


「私は先生から鍵を貰ったのですが…コレを含めて2本しかないって言われていたのにどうして持っているんですか??」


「僕の持っているのは前に屋上の鍵を見る機会があったからそれを思い出しながら自分で作ったんだよ。だから、鉄じゃないよ?」


僕の持っている鍵を投げ渡す。

よく見ると僕の鍵は木に色が着いているだけだと分かる。


「あ……本当だ。木でできてます」


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