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第八話

バス事故の知らせは大学中をパニックにさせた。

涼子は「まさか静香乗ってないよね?」と真っ青な顔をしてつぶやく。

「とにかく見にいってみよう。静香なわけ、ないじゃん。こんな時間から来るはずない」

涼子は声を震わせながらいった。

ヴィゴは何度か静香の携帯を鳴らしたが、出てくれない。

(さっきの静香の電話に出ればよかったんだ。くだらない意地なんて張って・・・。

もし、静香が事故に遭っていたら・・・)

涼子の車にヴィゴ、哲平が乗り込む。

そして恐ろしい現場に着いた。

もうもうと煙が立ちこめ、まだ炎が燃えている。

「・・・事故で行方不明なのは・・静香さん24歳。」

警察無線の声が聞こえる。

・・・ヴィゴは心臓が破裂するかと思った。

「静香?静香が事故に遭ったの?」涼子は泣き叫び、哲平の胸に顔をうずめた。

哲平も蒼白になり、「静香はどこですか?」と警察に問いただしていた。

ヴィゴはその場にうずくまり、嗚咽を漏らした。

こんな炎のセイで、静香が・・・。

やっと会えたのに。

・・・オレも此処で死ぬ。

静香を一人で死なせるものか。

「ヴィゴ、危ないよ!」涼子が引きとめるのも聞かず、炎の中に突進していく。

哲平はヴィゴを炎から引き戻そうとしたが、到底かなう相手じゃない。

なにせロキの血が流れているのだから。

追いついてきたセドリックとマルクスでやっとヴィゴを炎から引き離した。

「オレは人を愛してはいけないのか?」

咽喉から血が出るほど叫んだが、言葉にならなかった。

声が出ない。

ものすごい怒りが体中を襲った。

真っ黒な霧が足元から咽喉元までせりあがってくる。霧は次第に形作り、黒い蛇となり、ヴィゴにまきついた。

ヴィゴは気を失った。


涼子は自分のマンションに連れて行くといった。そこなら広いし、ここから遠くないところだから連絡があればすぐ駆けつけられる。

涼子のマンションは地上30階の所にあった。

最高級マンションの最上階。

セドリックとマルクスはヴィゴをつきっきりで見張り、哲平は警察との連絡に大忙しだった。

涼子はヴィゴの側に静香の写真を置き、いつでも見れるようにしてやった。

「ヴィゴはなんでこんなになっちゃうの?静香だけじゃなくヴィゴまで死ぬかも・・・」

ヴィゴはときどき痙攣を起こし、病院に連れて行ったほうが、と忠告する涼子をセドリックが止めた。

「ワシらでできるだけの事はするから」


ヴィゴは夢の中で暗闇の中をさまよっていた。

すると、小さな手がヴィゴの手の中に滑り込んだ。手はヴィゴを暗闇から引き出そうとものすごい力で引っ張る。

「うわっなんだよ!!」

(ヴィゴ。ダメだよ。そっちに行っちゃ。

アイツを蘇らせちゃダメだ。)

「グリフなのか?」ヴィゴが叫んだ。


その夜、涼子のマンションに真っ白な爆発ヘアの少年が尋ねてきた。

「・・・藤原君?」涼子が恐る恐る聞く。

「・・・はい。そうです。可奈子のお姉さんですよね。可奈子の事・・・。絶対に連れて帰りますから。」

「なんなの?可奈子家出してるの?私のトコには来てないよ?それにしてもナニよその頭。

藤原君はマジメなところがよかったのに。染めたのね。カラコンもしちゃって。」

藤原はイヤイヤと頭を振った。

「これにはイロイロ事情があるんです。

あのぅ・・・その男のヒトを連れて行かなきゃならなくて。これ、伝言です」

藤原はセドリックにロバートからの伝言を移したメモを渡した。

「長々のご無沙汰申し訳ござらん。(以下長々と季節のご挨拶が続く。)

さて、本題だがプリュキトスをこちらに渡してほしいのだ。ロキの息子、ヴィゴの事だ。魔王はありがたいことにまだ、ロキの息子とは気づいてないらしいが。人間界にいる彼を狙ってベルセルク達が押しかけるだろう。ソレは人間界のために避けねばならん。まず、薬を飲ませろ。「半悪魔の鼻くそ」は気付け薬になる。

藤原の鼻くそで事足りるだろう。ほじらせろ。

そして歩けるようになったら藤原にその男を託してくれ。」

セドリックは藤原に頼み、鼻くそゲットした。

そして丸薬をヴィゴに飲ませた。

気を失ってるヴィゴに飲ませるのは大変だったが。

ヴィゴはあまりにもでか過ぎる丸薬に何度かえづいたが、

(周りで見てる皆もなぜかえづいた)どうにか飲み込んだ。

「まさかヴィゴがロキの息子とはな。ワシもロキには会った事はないが・・・。

・・・君、ヴィゴを任せて大丈夫なのか?」

藤原は「任せてください」と言った。

薬はよく効き、ヴィゴは意識を取り戻した。

「歩けますか?まず、飢えるカムから悪魔界にいきます。

ロキが待っていてくれるはずです。」

涼子は「静香がどうにかなってるって時に連れて行ったりしないで!」とさけんだが、

ヴィゴが自分で立ち上がり、連れて行って欲しいとお願いした。自分のせいで人間界に迷惑をかける訳にはいかない。

マルクスがついて行く、と言ったがヴィゴは断った。

「・・・大丈夫だ。それより静香のコト、オレの代わりに見届けて欲しい。」

マルクスはわかった、と言い反対する涼子を引き止めた。


藤原はヴィゴを気遣いながら歩きはじめた。

「・・・その目の色。・・・そっくりです。」

ヴィゴは返事をしなかった。

「・・・いい人ですよ。僕も最初はこわかったけど。」

藤原は大人の男が歩きながら大声で泣いてる姿を見て胸がつまった。

藤原とヴィゴは飢えるカムにたどり着いた。

店の前には巨大なシートがかけられたバイクが止まっている。

ハーレーの倍はあるだろうか? 

藤原はギィとドアを空け、「ヴィゴさんを連れてきました」と言った。

暗がりでビールを飲みながら何かを食べている匂いがする。暗がりで光るうす紫色の目。

アレがオレのオヤジ?

ヴィゴは鼻をすすりながらも、心をかたくなにした。

・・・オレをプリュキトスとして生まれさせた男。ロキ。

ヴィゴもロキの噂だけは聞いていた。

神でありながら悪魔に身を堕とした男。

ソイツがオレのオヤジだったのか。

「・・・泣いてるのか?」

ロキは冷たく言い放つ。

「藤原、お前はこの世界に残れ。お前が来たところで役にもたたんからな」

そういうロキに藤原があわてた。

「僕は可奈子を一人で置いておくわけには行きません。・・・迷惑だろうけど、連れて行ってください。」

「・・・勝手にしろ。」

店の奥に光りが灯り、一つ目女が偽造書類をかいて持ってきた。

「ああ、あんた、見覚えがあると思ったら、この前店に入ろうとしてロキに追っ払ってもらった人間ね。

かなり蹴られたり殴られたりしてたから店の前に死体で転がってると思ったのに。

いつの間にかいなくなってて。まあ、私はおかげで警察にも追求されずに助かったんだけど。

あなたがロキの息子だったとはね。そういえばあの時、目の色が一緒だと思ったわ。

悪かったわね。」

「悪かったって・・・アンタは息子を殴ったり蹴ったりしたってわけか?」

ヴィゴはあきらかに険悪ムードに陥った。

藤原はアワアワとあせり、一つ目女に入れてもらったコーラを机にぶちまける始末。

「・・・とっとにかく、悪魔界に行かないと。

・・・僕の鼻くその効き目もいつまで持つか。」

「ちょっと!!僕の鼻くそってなんだ?」

ヴィゴは藤原に問いただし藤原は気まずくだまりこんだ。

ゴンドラは用意できてるわよっと一つ目女が案内してくれた。

「お前らガキはゴンドラで来るんだな。

オレは、悪いが少し探したい女がいる。」

「そんな・・・。一緒に来てもらわないと。」

藤原がつぶやいた。

「とにかく後で人間コロニーで会おう。必ず行くから。・・・それとお前の女は生きてる。もう泣くな。ガキじゃないんだから。」

ロキはそういうと、店の外の巨大バイクにまたがった。

ヴィゴはロキを追いかけて外に出る。

「静香が生きてる?どこでだ!」

こんなときでもなければ、物好きのヴィゴにとってロキのバイクは「超イケテル」品物だった。シルバーのボディに神を冒涜するタトゥ模様がデカデカとペイントされていた。

「天界でだ。」

ロキはそういい残し、バイクは街に走りさった。

「・・・天界で?静香が?」

呆然と座り込んだヴィゴを藤原はせきたてた。

「・・・ロキさん、勝手だなあ。とにかく。さあ、僕たちは悪魔界に」

「・・・オレに・・・コレに乗れって?」

藤原はブツブツ言うヴィゴを白鳥のゴンドラに乗せ、例のごとく白鳥は下品な音を立て暗闇を進んでいった。

「可奈子って君の女?」

「・・・いやっ違います。トンデモないです」行儀悪く座るヴィゴに席を占領され端に縮こまっていた藤原はあわてて否定する。

「そりゃ涼子の妹ならかわいいだろうがな。・・・性格が想像できる。すごく気が強そうだ」藤原は無言で頷いた。

「静香だ、すっげぇキレイなんだ。」ヴィゴが自慢げに携帯の待ちうけ画面を見せた。ヴィゴは静香が生きていると知り、ホッとした様子だった。

「・・・知ってます、さっき見せてもらったので。」

藤原は自分達が悪魔界に来たいきさつを手短に話した。

「そりゃ気の毒だったな。オレも悪魔飼いっていうのは知っているし、悪魔を連れて歩いてる人間はたまに見かけるよ。でも君と同い年のヤツがロキを飼ってたなんてな。」

ヴィゴ商店の十字架ペンダントを藤原がしているのを見つけたとき、ヴィゴは大喜びした。

「それ、今キテルよ。かなりね」

ゴンドラは悪魔界に着き、二人はかっこ悪く街のど真ん中に投げだされた。

「あぶないっ」

藤原は悪魔界に戻ってきて太郎の力がよみがえり、すばやい動きで這い回ってる大ムカデからヴィゴをかばった。

「ごめりんこ〜」と大ムカデに乗っていたデーモンは叫ぶ。

「・・・サンキュ。藤原。ったく、悪魔みたいな野郎だ。・・・って悪魔か。」

「悪魔界だと、僕は一応ケルベロスと合体して強くなれるんです。街も安全に歩ける。

悪魔を悪く思わないで下さい。悪魔って慣れてくるとけっこうお人好しが多いですよ。」

この街ならヴィゴも何度か来たことはある。

バイヤーの商品の売れ行きを確認したり、売上をちょろまかす露天商のチェックなど。

露天商の不正が発覚しても相手は悪魔だから力でかなう相手ではなかった。

時たま、強い改造人間を雇い、懲らしめてもらうが謝礼もバカにならなかった。

歩いていると、ヴィゴの商品のコピーが露天で売られていた。

「・・・あああああ!!!」

ヴィゴは露天商のグールにつかみかかった。

「ナンだよ、オレ商品じゃん!」

ヴィゴはグールに投げ飛ばされ、あわてて藤原に助け起こされた。

「・・・ひどい。オレ商品なのに。」

「急いだほうが、いいと思います。」藤原は道草ばかり喰うヴィゴに少々いらだちながら言った。

早く可奈子に会いたい。人間コロニー53番地。そこに可奈子がいる。藤原の足どりは軽かった。山下が一緒にいることなど、藤原はとっくに忘れてしまっていた。

ぶっ壊れた人間コロニーには「入るにゃ」とロープが張られている。

しかし、悪魔どもは好き勝手に入り込んでは家具だの、食べ物などを勝手に盗み出していた。

「ひどい連中だな」ヴィゴは顔をしかめながらつぶやいた。

「人間コロニーはこの前ベルセルクたちに襲われたんです」

藤原は道端で呆然とすわりこんでいる人間コロニーの住人に声をかけた。

ソイツは藤原には見覚えがあった。

補習授業を受け持っていた先生だった。

「すみません、人間コロニー53番地はどこですか?」

ソイツは声を発せずアゴだけで、近くのマンホールをさした。

「は?どこ?」ヴィゴは訳がわからず、大声で問いただす。

藤原は(このヒトってかなりせっかちだよな。大人のくせに)と心でつぶやき、

「たぶんあのマンホールの下だと思います。」と言った。

マンホールをもぞもぞと下りると、ものすごい悪臭が鼻を突く。

「うっわ。くっせぇ。死ぬぞ、こりゃ」ヴィゴが騒ぐ。

藤原は「あのう、ここは一応隠れ家なんで、少し静かに・・・。

何か明かりになるものありませんか?」

と聞いた。ヴィゴは携帯をとりだした。

二人で暗闇を携帯の明かりを頼りに進んでいくと、ポッと小さな明かりが見え、扉が見えた。ノックすると女の声がする。

「誰?」

「可奈子だ!!俺だよ、藤原!!」藤原が叫んだが、音が反響し聞こえづらい。

「はぁ?はっきり言いなよ」

ヴィゴが咳払いして活舌たっぷりに言った。

「あのさ、藤原クンに連れてこられた。ロキがココで待ってろって」

そういうと、扉が開く。

かわいい顔の女の子が覗いた。

「ああ、ロキの息子でしょ?目を見ればわかる。ああ!!藤原!!」

「可奈子っ無事だったんだ!!!」藤原がヴィゴを押しのけ可奈子に飛びついた。

「藤原じゃん!!よかった〜無事で。って抱きつかないで。

それにナニ、その頭。タンポポみたい。」

女の子は男物のぶかぶかの服を着ていた。

その子はヴィゴにイスを勧め、ココアを出す。

「ロキは?」「どっかに行っちまったよ」

「フーン」といいながら、可奈子はヴィゴ用に入れたココアを飲みだした。

「名前は?プルルンキンタマだったっけ?」

「・・・ヴィゴ。」

「可奈子・・・そういえば山下は?」藤原は恐る恐る聞いた。

可奈子は奥の部屋を指差した。

「私達が悪魔界に来た時、スーパーマルトミでベルセルクたちにつかまってさ。

そいで裁判所に連れて行かれ、入国資格があるかどうか調べられたの。

(オレは喰らうメイトの裁判で来たのだ。早く帰って欲しければさっさと逃げた人間を探し裁判をすることだな。)ロキはそう言ったわ。

山下は早く檻から出してほしい一心でベルセルクに取り入ろうとしていた。

(ロキのことなら何でも教えますから)って言ってた。

ベルセルクは山下だけを檻からだし、魔王のところへ連れて行くと言ったの。

まる一日ほど、檻に入れられていたかな?

私、咽喉がからからで死にそうだった。

ようやく檻から出されたのは次の日の朝だったの。

ロキの入国が正等のものである事を確認したから。山下は結局魔王の満足いく情報を持ってなかったみたいで、ボロボロになって帰ってきたわ。

今、奥の部屋で寝てる。怪我してるの」

藤原が「どくたーに見てもらったほうがいいんじゃないかな」といい、可奈子はほっとけば?と冷たく言った。

「オレ、少しなら癒しの魔法使えるし、やってみようか?」ヴィゴが提案した。

「マジ?なによ、お兄さんやるじゃん。」可奈子は山下の所に皆を連れて行った。

山下は明らかに弱っていた。

可奈子はタダの切り傷と思ってるみたいで、簡単に絆創膏が貼られていた。

傷をみたヴィゴはこのままだと死ぬかもしれない。直感的にそう思った。

「ロキは・・・この傷を見て何も言わなかったのか?」

ヴィゴは信じられない思いで可奈子に聞いた。

こんなヤツでも一応飼い主なのに・・・。なんて冷たいやつだ。

「うん、ほっときゃ治るって。っていうかナニ?ヤバイの?」

ヴィゴは絆創膏をはがし、真っ黒に変色した傷に手を当てた。

「うっわ。ナニその色。最初そんなんじゃなかったのに。」

「藤原、悪いけど、そのペンダント使わせてくれ。」

山下は意識を失っている。

・・・このままだと、闇のしもべとなる。

ヴィゴは台所に行き、果物ナイフを探してきた。

そして山下の変色した傷にナイフを突き立てた。

可奈子は叫び、藤原はヴィゴを止めようとする。

「なにするんだ!殺す気かよ!!」

すると、傷から血が噴出し、そして真っ黒の長虫が這い出てきた。

ヴィゴは藤原にナイフを持たせ、十字架を構える。ブツブツ何かを唱えた。

「・・・ナニ?アレ」

長虫はヴィゴたちに向かって鎌首をもたげていたが、何かを確認したのかあわてて壁の割れ目からぬるっと出て行った。

「くそっ。逃げやがった。アイツが体の中を喰いやぶる。生きながらの屍になるんだ。あの長虫は魔王に操られたしもべ。コイツはロキの飼い主だから、操れるようにしようと思ったんだろう。

生きながらの地獄を味わう。ロキのヤツ、知っていてほったらかしにしやがって!

悪魔みたいなヤツだ!!」

だから悪魔なのよ、と可奈子はつぶやき、山下に駆け寄った。

「・・・大丈夫?山下?」

山下はうーんと起き上がり、傷だらけの二の腕を見てあわて始めた。

藤原が手に血だらけのナイフを持っていた事から、

「藤原!!おれを殺そうとしやがって!!」

違うっと藤原は叫んだが、山下は睨みつけるだけだった。

ヴィゴは山下の手に自分の手をかざし、なにやらブツブツ唱えはじめた。

「これで傷はふさがる。安心しろ、死なねえよ。」

ヴィゴは魔法に力を使いすぎ、近くのオンボロソファーに座り込んで寝始めてしまった。

可奈子は「このまま、ここに寝かせておいてあげましょ」と言って、白い布を毛布代わりにかけてやり、藤原を促し、部屋から出て行こうとした。

「可奈子、おれもそっちにいくから」山下は何とか起き上がり、藤原が手を貸そうと差し出したが、ばしっと叩いて断った。

「お前なんか、大っ嫌いだ」

可奈子は山下の頬を叩き、「いい加減にしなよっ」と言った。

「そもそもアンタのセイで私達ここに来てるの。アンタが死にそうになってるのをこのプルルン金玉さんが助けてくれたのよ?」

「・・・たぶん、プルルン金玉じゃないと思うけど。」藤原は遠慮がちに忠告した。

山下は知るかっとつぶやいた。

とにかくロキが帰ってくるまではここにいなくてはいけない。

3人は元いた部屋で気まずい思いをして座った。


・・・そもそもロキが山下に飼われ、喰らうメイトしたいきさつはこうだった。

人間界に落とされたロキはくだらない飼い主に恵まれた。

そして大量に人間を食っている様子を残酷に微笑みながら見ている飼い主もついでに喰ってやった。

しかしいくら人間を喰っても飼い主を喰っても満たされる事がなかった。

セックスフレンドの店、飢えるカムでヤケ食いしていたロキの、たまたま隣に座ったロバートにこう、忠告されたのだ。

「貴様、知ってるのか?

人を喰うたび記憶が減っていくのだぞ。

飼い主の命令だからって必ずしも喰わなければならない事はない。

人間飼われ全書 第456条に書いてある。

喰わない権利としてな。

覚えておけ。」

その時のロキはロバートに余計なお世話だ!と殴りかかったが、ロバートは気にもしないようだった。

「自分も悪魔飼いの経験がある。」

そうしてポケットから可愛いリボンをつけたケルベロスの写真を出した。

「太郎だ。ワシが20人目の飼い主だったそうだ。

最初は魔王に飼われていたが、エサの時に魔王の小指を噛んだらしく人間界に堕とされた。

最初は手がつけられんくらい乱暴で、事があると魔王のところにばかり帰りたがったが、

いまではワシを信頼してくれておる」

ロキはこの日から時々ロバートと一緒に飲むようになった。

「結局運命には逆らえん。ロキ、お前の運命は人間食いをするためだけとは思えん」

ロキは記憶を失っていたのでなんとも答えられなかった。

「お前は神だったんだぞ。その記憶まで失くしたのか?」そうロバートに言われロキは驚いた。

「もし、運命の神がいるのだとしたら・・・。

それに賭けてみようと思う。

オレはタマゴに戻る。ロバート・・・。タマゴを天界の上から投げ落としてくれないか?

オレを飼うべき人間の下へ落ちてくれるはずだ。」

そうしてロキはタマゴ帰りした。

ロバートは天界に行ける資格はないので、ヤタガラス飛羽便に頼む事にした。

「このタマゴを落としたらいいんでヤタガラスねぇ?」

そう言ってヤタガラスは首に唐草模様の風呂敷を括りつけ、天界に帰っていった。

帰る途中、ヤタガラスは風呂敷がやけにもぞもぞするので道端で括りなおそうと一休みする事にした。

すると、そこに大きな黒いオオカミが出てきてヤタガラスは縮み上がった。

「・・・なんでヤタガラスか?急いでいるんでヤタガラスよ・・・」

ヤタガラスは恐ろしさからタマゴを置いて逃げてしまった。

オオカミはタマゴをくわえ、人間界に下り立ち、山下美紀の眠っているベッドの中に押し込めた。

そして山下がタマゴを奪い取ったのだ。

山下の誕生日の日だった。

ロキはこの日タマゴから生まれた。

山下を飼い主として。

ロキは山下に飼われ、くだらないいじめっ子だの、うるさい親戚のババアなどを食わせられた。 

運命の神にゆだねた結果がコイツか?ロキは後悔した。

ただ、妹の美紀とはよく遊んだ。

山下に隠れ、2人でベッドにもぐりこみ、怖い本を読み、おいしいお菓子だのを隠れて食べた。

だんだん父親は帰ってこなくなり、母親は酒におぼれ始めた。

美紀が中学になるころの話だ。

美紀が年々美しくなっていくのが原因だったらしい。

父親は美紀の美しさに魅せられ母親は嫉妬に狂った。

そしてまた、ロキの心は美紀に奪われた。

ロキにとって人間界に落とされて以来の幸福な時だった。

美しくなった美紀の髪を何時間もブラシで梳いてやった。この黒髪は何かを思い出させる.

ある日、美紀が掃除をしているとき、山下の隠し持っていた好きな子の写真を見つけてしまったのだ。

それは普通にとったスナップでなく、あきらかに盗撮だった。それは見逃せないほどの量だった。

美紀はその事を母親に告げ、母親は学校に連絡してしまったのだ。

その日、山下はロキに母親と美紀を喰うよう命令した。

その後、山下の可奈子の隠し撮りは、ますますエスカレートしマヌケな幼馴染の藤原にたのんで、盗聴器まで仕掛けようとした。

「この本を可奈子の本棚にこっそり返して来てよ。おれ、借りっ放しで怒られるからさ。」

悔しい事に藤原はよく可奈子の家に遊びに行っているらしい。

実際には可奈子の母親の自宅料理教室に藤原のおかんが通い、出来立てのご馳走を晩御飯代わりに藤原に試食させてるだけなのだが。

藤原はいつも炊きたてのご飯とふりかけを持参し、家では絶対味わえない何とかソースのかかったステーキだの、白身魚の香草焼きだのを食べた。

可奈子は藤原がそうやってジャージでのそのそ来る日がキライではなかった。

藤原がご飯をたいらげ、可奈子の母親と藤原のおかんがコーヒーを飲みながら世間話に花を咲かせてる間、2人でお気に入りのCDを聞いたり、漫画を読んだりした。


学校では可奈子は超モテモテで話しかけるなど、藤原には考えられなかった。

その可奈子がこうして自分の横でCDを聴いて小声で鼻歌を歌っている。

歌はへたくそだったが、横に寝転びながら藤原は幸せだった。

可奈子は藤原が漫画に夢中になってくると、耳に指を突っ込んでやったりいたずらをするのが面白かった。

学校ではこうして自分らしさをさらけ出すなど、とんでもなかった。

ましてやジャージで頭にタオルを巻き、柿ピーを食べながら番茶を飲むなど。

可愛い、モデル志望の可奈子で通っていたからだ。

可奈子のお姉さん、涼子から借りたホラー映画を見るため、ソファを背もたれに床に座り二人は毛布をかけあい、怖いシーンに備え顔を隠す準備をした。

母親にだまって用意したチューハイを片手に可奈子は柿ピーをつまむ。

しかし、映画はものすごくつまらなくて、可奈子は酔いも回ってうたた寝をし始めた。

そして藤原の肩にもたれかかってきた時、藤原は我慢ができなかった。

小学生のときからずっと好きだったのだ。

藤原は可奈子の唇をみつめ、こっそりキスをした。

唇が触れるか触れないかの怪しいキスだったが、藤原には精一杯だった。

そうして有頂天になった藤原は山下に頼まれた本をど忘れし、そのまま可奈子がもたれて眠るのを幸福に思った。

本はそのまま藤原が持ち帰り、かばんから飛び出していた本「モーニング息子」は、藤原のおかんがテレビを見る際、肘の高さ調整のために使われた。

山下は藤原を問いただしも出来ず、可奈子に告白する事にした。

たぶん、クラスきっての男前のおれだから振ることはないだろう。

家も金持ちだし、おしゃれだし。

山下は休日に可奈子をおしゃれな喫茶店に呼び出した。

可奈子は何のことか大体検討はついた。多分、付き合ってって言われるんだろう。

返事はイエスと決めていた。

せっかく初めての彼氏になるんだもん。かっこいいほうがいい。

お姉ちゃんは初めての彼氏は一生の思い出になるんだから、よく考えた方がいいっていってたけど。藤原だったら許すだってさ。

あんな、ダサい男、今時マイふりかけ持参だし。

しかし、本当に山下に告白されると可奈子はしどろもどろだった。

飲んでいた紅茶カップがガチャガチャ震える。

「・・・好きな人でもいるの?」

そう聞かれ、「・・・藤原が好き」と答えてしまったのだ。

山下は猛烈に怒り、飲んでいたカップを投げつけてきた。

こうなったら可奈子も黙ってない。

水をぶっ掛け、「あんたなんて、サイテー。」と言い捨て店を飛び出した。

その夜、藤原から珍しく電話があった。

なんだか声を聞くとホッとする。

そう伝えたかったけど、恥ずかしくて言えなかった。

ただ、心配なのはなんだか藤原の様子がおかしかった。

部屋で一人CDを聞きながら、「藤原が好き」と言った自分を思い返した。

でも一緒にいると楽しいとか、ホッとするとかそのレベル。それが好きって事なの?

ふと、ベランダに異様な気配がした。

振り返ってみると、そこには大男が覗き込んでいた。

可奈子は声にならない悲鳴を上げ、ヘッドフォンを投げつけた。

「・・・ガキの女か。まあいい。山下がお呼びだ。」

そうして抗う可奈子を肩に担ぎ上げた。

山下の部屋に連れて行かれるとそこは「THE ストーカーの部屋」だった。

可奈子の写真が所狭しと張ってある。

制服の写真、体操服の写真。

夏の水泳大会の水着写真。そして、カーテン越しに影絵のように写っている着替えをしている写真まで壁に貼ってあった。そして壁紙ごと写真がカッターで切り裂かれていたのだ。

「・・・何これ?」

可奈子はおびえながらも山下をにらみつけた。

「ああ、君の写真だよ。おれが好きだった可奈子ちゃんの。今は反吐が出るくらいキライだけどね」

そうして喰らうメイトの全容を聞かされた。

「おれは可奈子と一緒じゃなきゃ悪魔界に行かない。だってお前のせいで喰らうメイトになったんだ。おとなしくつきあっておけばこんな事にならなかったのに。」

山下は明らかにおかしな理論で攻め立ててくる。

可奈子はロキに助けを求めたが、ロキはぼうっとしていた。

美紀を思っていたのだ。

ロクサーヌの記憶が戻った今、美紀はロクサーヌの生まれ変わりという事は一目瞭然だった。自分たちの子供がプリュキトス。どうすればいい?オレが堕神だったセイだな。しかし息子も息子だ。くだらん商売なぞするから目立つんだ。バイセン村で農業でもしてりゃよかったのに・・・。


「・・・ロキさん?藤原も悪魔界に?」

ロキは我にかえり、あわてて頷いた。

「私も連れて行って。藤原に会いたい。」

可奈子は心のそこから藤原に会いたいと思った。


可奈子は自分の隣でソファに身をうずめ、ペラペラと悪魔雑誌を見てる藤原をながめた。

(私、藤原のこと好きなんだろうか?)

「ヴィゴさんて、魔法使えるんだね、もしかしてみいこの呪いを解く方法知ってるかもしれないな」

藤原はそんな事をつぶやきながら自分のココアのおかわりを練り始めた。

山下は藤原を睨みつけていたが、

「あいつ、ヴィゴって言うんだ。ヴィゴって誰?」

「ああ、ロキの息子さんだよ」と何気に藤原は答えた。

「フーン」

「その頭、タンポポみたいだね。」可奈子はフワフワと撫でながら藤原に話しかけた。

「そう、太郎って言うケルベロスと合体したんだ。ヴィゴさんは今はあんなんだけど、ホントはすごいヒトなんだって!」「そうなんだ〜」可奈子は感心したようにヴィゴの寝ている部屋を見つめた。


ヴィゴは夢の中でなつかしい光景に会った。

美しくも崩れかけた建物の側で花が咲き乱れている。

一人の少年が振り返り、ヴィゴはあっと叫んだ。見覚えがあったのだ。

(久しぶりだな!グリフじゃん!)

・・・ヴィゴ、思い出してくれたんだ。

(オレがいじめられた時、よくなぐさめてくれたよな。オレの初めての友達だ。おぼえてるよ。)

・・・ボク、ヴィゴを守るんだ。アイツから。

(アイツ?腐れ神の事か?)

・・・さっきヴィゴが彼女の事で怒った時、少しだけど顔を出したんだ。真っ黒で。気味が悪くて・・・。

(ナンだそれ?真っ黒いヤツ?まあ、よくわかんねえけどもう大丈夫だ。静香は生きてたんだし。ソイツをこれ以上暗闇から呼び出すなんて事、しねえよ。)

・・・ボクもそう思ってる。でもね、ソイツ次にボクを狙いはじめたんだ。ヴィゴはあてにならない。お前でいい。

あのイヤな出来事を思い出せって。

そういう少年の周りに黒い煙が巻き上がった。

・・・うわっこわいよ。助けて・・・。


「グリフ!逃げろ!」ヴィゴは叫び起きた。

そして真っ白い布に包まれた自分を見下ろした。

・・・それは猛烈に臭かった。

「ナンだよ、これふんどしじゃん。すっげぇ臭いんだけど!」

隣の部屋から叫び声がする。

「すごい人って・・・そうは見えないね〜」藤原と可奈子は顔を見合わせ笑った。

「俺、見てくるよ」藤原は奥の部屋に行き、可奈子は山下と二人っきりになった。

「・・・何よ」じっと見つめてくる山下に可奈子が警戒した。

山下は突然可奈子に近寄り口を塞ぎ、叫べないようにした。

「騒ぐと魔王に言いつけるぞ。・・・あんな、藤原のどこがいいんだ?」

そういうと、無理やりキスをしてきた。可奈子は思いっきり山下の頬をぶったたいた。

「最低!!」

山下は藤原が物音に気づく前に外に飛び出していった。

「可奈子っ大丈夫か?」藤原はあわてて駆け込んできた。

「来るのが遅いよ!!何してたの??」可奈子はワンワン泣きながら藤原につっかかった。

「ヴィゴさんが、ふんどしに絡まっちゃって・・・山下は?」

「出て行ったわ。死んじゃえ!」

藤原は「山下が街に出て行った?」とあせりだした。

「大変だ!!人間ストリップ野郎たちにつかまっちまうよ!俺、山下を探してくる。」

可奈子は「行かないでよ!!危ないよ!」と叫んだ。

「どんなヤナヤツでも一応友達だから。すぐ連れ戻すよ!」

藤原は出て行ってしまった。

可奈子は泣き出した。

ヴィゴはふんどしからやっと逃れられ、部屋に入ってきた。

「なんだ?なんの騒ぎだ?」

「山下が魔王に会いに行くって。

あんたのことも魔王にチクルわ」

ヴィゴはチクルという意味がわからなかった。

「・・・それに、オレのことも告げ口するかもな」

・・・だからそう言ったじゃない?と可奈子にいぶかしげな顔をされた。

「サイッテー。初めてのキスがあんなヤツに!」一時間ほど、藤原を待っていたが突然、サイレンが鳴り響きはじめた。

「またベルセルクたちのお出まし。

逃げるのよ、ココは危ないわ。」

荷物をあわててまとめ始めた。

そしてマンホールの入り口に止めてあったバイクにまたがり、エンジンをふかせ始めた。

ドーナツを買っていた持ち主のゴーストライダーが猛烈に追いかけてくる。

「ぷるるんさん、後ろに乗って。早く!」

バイクは空に浮き上がり、上下、左右グラグラと揺られた。

「・・・原付と全然違うね」

「・・・どこ行くんだ?」

「・・・知らない。どさくさにまぎれてあんまり抱きつかないで。」

可奈子はバイクで街をすっ飛ばし、ヴィゴは可奈子の細いウエストに抱きつくしかしがみつくとこがなかった。

「全く藤原はお人よし過ぎるよ」

「・・・やめてよ、抱きつくの・・・。」

「藤原のタンポポ頭、どこからでもわかりそうなもんだがな」

「やめてったら!」

可奈子はバイクを留め、路上でヴィゴに説教し始めた。

「抱きつかないでよ!嫁入前の娘なのに!」

道歩く悪魔どもは可奈子の剣幕に面白がり、集まり始めた。

「・・・あの、可奈子ちゃん、落ち着いて」

「もう、最悪。ファーストキスも奪われるし、エロオヤジに腰は触られるし!」

「エロオヤジ言うな!」

「ああ、もう最低。あんたなんてベルセルクにつかまればいい。」

「お!ヴィゴじゃねえか!!お前懸賞金かかってっぞ。何した?魔王のパンツでも盗んだか?」

ものすごく体格の大きい顔中メーターだらけの男がヴィゴの肩をたたき、ヴィゴはよろめいた。

ヴィゴがたまにボディガードとして雇ってるモルボイという改造人間だった。

ヴィゴは事情を説明し、かくまって欲しいと告げた。

「うーむ。そうか。だが、人間コロニーはかくれるにはまずいぞ。この前も襲われたからな。この間、ロバート達が人間の男の子と女の子を逃がしていた。そいつがお前らのさがしてる藤原だろう。」

「何それ!女の子って!!わたしより可愛いの?」改造人間は頷いた。

「ひど〜い!」

「君も十分可愛いよ」ヴィゴは半ば投げやりで褒めたが可奈子は機嫌をよくした。

「とにかくどこか安全なところへ連れて行って欲しい。」

改造人間は自分の腕に仕込んだ電卓でヴィゴに代金を表示した。 

¥100000000000000

ヴィゴは承諾し、さらさらと小切手を切った。バイヤーで稼ぎまくった全財産だった。

可奈子が尊敬の眼差しで見つめる。

「お兄さん、お金持ちだったんだ〜」

「こっちだ」

改造人間は追いかけてきたゴーストライダーを殴り倒し、バイクにまたがり、ヴィゴ、その後ろに可奈子が乗った。

可奈子はヴィゴにしがみつくのを恥ずかしそうにしていたが、それどころでなくなったのか、痛いほどひっついてくる。

「可奈子・・・。苦しい」

「ごめん・・・。だって・・・怖いんだもん。」

可奈子の案外大きな胸を背中に感じながらヴィゴはまんざらでもなかったが。

改造人間が連れてきてくれたのは廃墟の教会だった。悪魔界に教会?と疑問に思うが、人間界からきた人間達が神に祈りを捧げるため建てた。魔王は嫌だったが、心の狭いヤツっと思われるのがイヤで笑顔で承諾したらしい。魔王は案外いいやつなのかもな、ヴィゴは内心思った。

「この地下に部屋がある。ここなら隠れてても大丈夫だ。藤原にあったら伝えておいてやる。ほんで、ロキにも伝えておくよ。」

ヴィゴは「ああ。オヤジにヨロシクな」といい、改造人間は顔中のメーターを狂わせながら叫んだ。

「ヴィゴ!お前、ロキの息子だったのか?」

そんな人から金は受け取れん。

そういって小切手を返そうとした。

ヴィゴはもらっておいてくれ、というし、改造人間はイヤイヤと差し出す。

「可奈子がもらってあげる」

そういうと可奈子は二人から小切手をひったくり、笑顔でポケットにしまった。

二人はあああ!!!と顔をしたが遅かった。

モルボイは惜しそうに二人に別れを告げ教会を後にした。

ヴィゴは地下におりる階段を見つけ一人でさっさと下りていった。

薄暗い地下で小さなランプが唯一の明かりだった。


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