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犯行の木曜日

最近変わったなと思うことがある、妹の態度というか正確だ

昨日のこともあり、少し怖く感じていた、絶対に落とすこと、そう言った時の表情

あれは完全に悪役の顔だった、俺としても信頼されてる兄として裏切るわけはない、優菜は俺に対して人懐っこい、しかし人懐っこいのを勘違いしちゃいけない


昨日妹と話して教えられたこと、それは相手の心をどう掴むか、それは綺麗ごとではなくかけひきだと上下関係付けてでも無理矢理でも掴めればそれでいいと


確かに綺麗な関係じゃなくてもそばにいられればそれでいいのかもしれない


「ねぇ、お兄さん、ねぇってば」


隣にいる優菜が少し不機嫌にこちらを見て膨れている、そういえば今は放課後で一緒に帰ってたんだ

一緒に帰る、一緒に居る時間はチャンスを生む、俺はごめんごめんと謝りながら、さり気なく優菜の手を握り横を歩いた

手を握った瞬間、ふと笑った気がした、もしかしたらそれは気のせいでただそう思いたいだけなのかもしれない

そしてこの手を離さなければ、別れることはない、つまり1つのチャンスだ

いつも別れる曲がり角

「じゃあお兄さんまた明日」

そう言って手を解こうとするが俺は離さない、そう簡単には離さない、今日の目的はその先にある


「今日、家来ないか?」


「えっ、お兄さんの家に?」

戸惑ってる優菜、妹には無理やりにでも誘いなさいと助言を受けていた

当然男子に手を握られてる、か弱い女の子には振り解くのは厳しいそれを利用して、俺は握った手を引っ張って歩き出す


「ほら行くぞっ」


「うぅ私に拒否権はないんですね」

そう言いながらついてくる、どうやら優菜の中でそれ以外の選択肢は消えていたようだ


「ただいまぁ」

「おじゃましまーす」

そして家に帰ってきたときに出迎えたのは妹だった


「おかえり、あれ優菜も来たんだね、ゆっくしてきなよ」


「よし、俺の部屋で遊ぼうか」


「あ、兄さん、部屋行くならこれ、また晩御飯の時に呼び行くね」


ん?うん!そう言って妹から縄を受け取った、これで縛れってか、晩御飯の時間まで好き放題やれってか

後ろにいる優菜が少し引いている


「えぇ」

微かにそんな声が聞こえた気がした、廊下を進み、俺の部屋に入った

まずは優菜を椅子に座らせる、そして・・・


「手を後ろにやって」

素直にそのまま縛ってみる、手を後ろで縛った、しかし縄はあと2本ある、椅子の足と優菜の足を縛ればいいのだろう、そう思い縛った、その時顔の近くに真っ白なふくらはぎがありドキッっとしてしまう

やばい白い、こんなにも綺麗なんだなとつい目がいってしまう


「どんな感じだ?」


「うぅ最悪、私に何する気よぉ」


「今なら好きなことできるんだもんな」


「い、痛いのは嫌だよ?」


縛られるときに何も抵抗せずにいた優菜が言ってもあまり説得力はなかった、本来なら部屋片付いてるねとか、そんな会話が普通かと思っていたが例外もあるみたいだ、それでも痛い目に合わせる気はないんだ

ただ、君の心を掴めればそれでいい


女の子を好きに出来る時、まずは何がしたいか、ふと思いついたのが匂い、女の子の匂いを嗅ぎたい

たまにふとすれ違う時に感じるあの匂い、いつも一瞬だけでもっと嗅ぎたい、そう思う時があるだろう

今はそれを十分に出来るんだ


俺は優菜の方を後ろからそっと抱きしめ、頭に鼻を当てる、ほんのり香る甘い匂い、すげぇ


「いい匂いだ、最高だな」


「ちょっとそんな嗅がないで、恥ずかしいってば」


「もうちょっとだけ」

ほんといつまでも飽きない・・・というよりかはたまに嗅ぐからいいのかな、レアだからこそ輝かしい匂いなのかと、しばらく嗅いだとこで思い始めてた

その後も反応がおもしろくて、脇腹つついたりして変な声出させたり、マシュマロのようなほっぺたをつまんだりして遊んだ、これは癖になりそうな遊びだ


しばらくいろんなことを堪能して、次は憧れだった膝枕をしてもらうことにした、相変わらず恥ずかしがってる優菜を見るのはおもしろいな、心の中でニヤニヤしっぱなしだった

ひんやりぷにぷにとした心地よい感触が頭にはしる、そして優奈に見下されるような視線を浴びれる

これぞまさしく一石二鳥といったところか


「そういえばさ、気になってたんだけどさ、妹をいじめてたってホントか?」


「えっ・・・うん、昔のことだけどね」

その後もいろいろ聞き出してみた、物を隠したり、うわばきに画鋲入れたりしてたらしい、様々なドッキリに純粋にはまってくれるからおもしろいということだ

いつの間にかやりすぎてた頃に、妹にトイレに呼び出され、負かされた


「そっか、まぁ今が仲良ければいいかな」

いつの間にかしんみりした空気になっていた、俺は縄を解いてく


「えっ、もう終わりですか?」


「ん?まだやりたかったか?」


「もっと酷いことされると覚悟してたのになんなんですか」


「そろそろ暗くなるし、帰らないとまずいだろ?」


「ううぅぅぅ」

そう唸りつつ、どこか納得いかないような顔の優菜

俺はそのまま優菜を送ってく、帰り道に再び手を繋ぐ、さっき繋いだときよりもがっちりと指を絡ませる繋ぎ方だ、そんなにがっちり繋いで今度は優菜の家にでも呼ばれて仕返しされるのだろうか

倍返しにされるのだろうか、ちょっとだけ心配になった

会話がないまま、いつもの曲がり角へさしかかる


「ここまででいいよ、また明日」

そう言って、優菜に手を引っ張られれる、少しだけ予想外だ、なにされるかと身構えようと思ったがぎゅっと抱きしめられるだけだった、そっと10秒だけ囁いた

10秒という時間はあっという間に過ぎた、ただ不意打ちでやられたので思考が追いつかない

なんで抱きしめられてるんだろう、俺には分からなかった

そしてすっとぬくもりが離れた

「じゃあまた明日ね」


そういって手を振って去って行った、きっと明日また会える、また楽しい会話ができる

明日からは普通の関係に戻るだろう、俺はほんの少し道のりを寂しく帰った





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