計画の水曜日
優菜と出会ってからというもの、今までの平凡な日常は終わり、楽しい日常へと変わる
1人の影響力とはこれ程にも強いものか、今日も優菜と帰りちょうど別れたとこだ
帰り際に別れると腕が随分軽くなる、それだけしがみつかれてるってことだ、悪くない
帰ってきて、家の扉を開けると遥に会った
「おかえり、兄さん、今日も優菜と帰ってたの?」
「うん、そうだけど」
「そろそろあの子に惚れた?」
「えっ、ちょっと何言いだすんだよ」
「もし、あの子を本気で落としたいなら、私の部屋に来て、いいこと教えてあげるから」
多少からかわれても、でも何か聞けるならいいんじゃないかなと思った
このドアの先、妹の部屋、その先にはいったい何が待ち受けているのだろうか
俺は妹の部屋に入り、腰を下ろす、妹は自分のベッドに座ってる
この位置だと少し見上げる感じになる、見上げる妹はいつもと違う笑みを浮かべてる
「で、優菜のことどう思ってるの?」
「なんだかなぁだね、急接近しすぎな気はするんだけども」
「兄さんはさあ、もっとあの子に近づきたいと思う?」
俺はその答えに頷いた、しかし妹から帰ってきた答えは予想とは少し違った
「そっかぁ、じゃあ協力したげる、あの子の落とし方教えてあげるね」
そう言って妹はにやりと笑った、落とし方、普段聞きなれない単語に耳を疑った
「まずは、優菜は性格が悪いからね」
「それって猫かぶりってことか?」
甘えん坊なとこを意図的に出してる、そうだとしっくりくる
「うん、それもあるんだけどね、誰かをいじめたり、おとしめたり平気でするよ、私もあの子にいじめられてたし」
この前見たときはすごい仲良さそうだった、それこそ普通に仲良い友達なんだなと思うくらいに、だからその言葉は意外だった
「どうやって仲良くなったんだ?」
「トイレの個室で一緒に遊ぶのよ、ほら青春の汗と涙を流せば仲良くなれるものよ」
いや、怖すぎるわ、そしてその汗は冷や汗なのか、それによってでる許してくれという降参の涙のことなのか
それはもはや仲良くなるというよりも従えるというのではないかと
「随分と恐ろしいことするな、でもなんでトイレで遊んだんだ?」
「仕返しよ、いじめられたら倍返ししないとって思ったからさ」
遥は優菜が可愛くて友好的に近づくが優菜の方は興味がないらしく、いじめに発展したらしい
それにむかついた遥がトイレに呼び出し、倍返しで仕返しをして、今となっては遥の手中に収まった、そんな話しだった
それからというもの2人は男子を1週間で落とせるか等、特殊な遊びをしてたらしい、そして優菜の可愛さに落ちない男子はいなかったとのことだ
「それで兄さんは今回のターゲット」
「うん、兄さんなら失敗するかなと思ってたんだけどね」
「そうだったか、なんか悔しいな」
「でも、大丈夫、作戦はまだ立てられる、逆に優菜から告白させれば優菜の負けだから」
つまり、俺に屈服させろとそう言う話なんだろうか
それから遥といろんなことを話した、主に優菜の落とし方の作戦会議といったほうがしっくりくるくらいにいろいろと教えてもらった
明日、早速やってみようと思う、妹と考えたおもしろ怖い計画を
「ってかそこまでやっていいのか?いろいろとまずくないか?」
「大丈夫、私が許可するから好きなようにしてよ、ただし、絶対落とすこと」