仲を深める火曜日
なんか眠い、いつもより少し遅くまで起きていたからだろうか
生活のリズムというのはちょっとしたことで狂ってしまう、ただ狂ってもすぐ慣れる
慣れてしまえば変化には気づかない、だから睡眠時間なんてたまに短くても大したことはない
「おはよう」
妹が俺に声をかけてきた、俺は適当に返事をする
今日も1日が始まる、部屋を出て、妹の声を聴くと、朝だなぁと妙なとこで感じる
相変わらずご飯食べて、妹と一緒に登校する、妹と登校するメリットとして話しが弾み退屈しない
女の子と歩ける、そして寂しくないといったところだ
「兄さん、今日火曜日だっけね?」
「そうだな、まだ休みまでは遠いよな」
「あと4日もあるよぉ、あ~」
そんなだらけた話している途中で出会ったのは優菜、容赦なく話しを遮って間に入ってくる
またしても君に会ってしまった
「おっはようです、遥ちゃん、お兄さん」
そう元気よく挨拶をして、俺たちの隣を歩きだす、この3人で登校するのは初めてだ
遥は俺の左腕にぎゅぅと力を込めた、これがしがみつくということか、めったにやられないが可愛くて歩きにくい
「ところで優菜、これ私の机の上に置いといて」
そう言って自分のカバンを渡す
「えっ・・・」
そりゃ戸惑うよね
「お願い」
そう戸惑う優菜にさらに一押し、もしかして押し付けてるのかな
次の瞬間、分かりましたと言って学校へとダッシュする優菜
なんだろう、こいつらの間に主従関係でもあるのか、そう聞いてみたところ遥はこう答えた
「ちょっとね、いらっときただけ」
ちょっと憎しみ篭ってて、いつもの遥と違う気がする
「兄さんといる時は静かに過ごしたいじゃない」
「確かにちょっと騒がしいやつだよな」
「ね、まぁでもあの女は気を付けた方がいいよ」
去り際にその一言を言うのかと思い少し気になった
確かに仲良くなって、懐くまでに早すぎる、美少女ゲームでは最初は冷たくされることが多い
妙に親しい場合、裏がある、しかし考えても裏が見えない、裏だからまだ見えなくて普通なのかもしれない
考えても答えは出なかった、放課後になり楽しい現実がある
「お兄さん、一緒に帰ろう」
そう言って廊下で見つけて楽しそうに飛びついてくる優菜、俺はこの子に裏があるなんて思いたくないだけだ、この楽しい時間が続けばいいなと思う、それだけだ
「今度の土曜日デートしようよ」
帰り道の途中で誘われた、今が楽しければ、その楽しさを疑わなくてもいいのかもしれない
そして楽しく2人でデートの内容について話し合いながら帰った
土曜日13時に駅に集合する約束を無事に取り付けた
遥に気を付けたほうが良いと言われたが目の前の女の子、楽しさには勝てなかった