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キミと出会う日曜日

1日目(日)12時

俺はこの休日をなんとなく過ごしていた、何も考えなくていい、ひたすらに退屈なこの時間を。

何もやることがないのだ、部活には入ってなければ友達からの誘いは来ない

暇な時間を過ごしていた、忙しい時ほど退屈な時間に憧れるのに、いざこうなるとつまらない、何日かを何もせずに過ごしていたがいい加減に飽きてきた




「お兄ちゃん、一緒にお出かけしない?」


そう、扉越しに妹の遥が話しかけてきた、その言葉は嬉しかった、暇で何もやることがなかった俺には救いの一言だ、いつもの予想から荷物持ちとして来てほしいのだろうと予測できる、それでも嬉しかった

やることなくて休日に飽きていた、気分転換に丁度いい


俺は遥に行くと伝えると準備にとりかかった、用意するのなんて財布と携帯ぐらいなのですぐに終わる、ポケットの中に入れると部屋を出て遥に話しかけた


「お待たせ」そう言うと微笑んでくれた

それが少しだけ嬉しかった、どうでもいいような話しをしながら隣を歩く妹はご機嫌である

連休中のテンションなんてそんなものかとは思う、普通の人は楽しみだろう、めんどくさい事をシャットアウトできるのが連休

ただ楽しみがなければひたすらにつまらない、それが連休だ


俺は妹に連れられ、服屋を見て回った、楽しそうな妹を見てるとこちらまで笑顔になってくる、それだけで来てよかったと思える

しかし遥はいろいろと見て回るが買う気配がなかった、お金を使わずに休日を過ごす良い方法だ


「今日はありがとな、連れ出してくれて、しかしなんで誘ったんだ?」


お礼と同時に、疑問をぶつけてみた


「だってなんかつまんなそうにしてたし、それに男と歩いてるとリア充っぽく見えるでしょ?」


それだけ言うと、また可愛い物を見て楽しそうにウィンドウショッピングを楽しんでいる

そんな理由に思わず笑ってしまった、自分でも笑ったのが久しぶりな気がした


「あれ?遥ちゃん?」


そう言って遥に話しかけてきたのは知らない少女だった

遥より少し背が高く、俺より低くて小柄、髪は肩より少し長く、両サイドを真ん中の位置で縛ったツインテール、吸い込まれそうなほどに綺麗な緑色の目

水色のスカートに白いYシャツ、まくった袖から見える白い肌が印象的だ


「あ、優奈ちゃん、お買いもの?」


「うん、そうだよ、家にいてもやることないからお買い物でも行こうかなって思ってさ」


「あ、クラスメイトの優奈ちゃんね?可愛いでしょ?」


挨拶を交わした後に紹介してもらった、確かに可愛い、俺が頷くとむーと頬を膨らませるあたり、遥の可愛さも負けてないんだなとは思うけども目の前の子の可愛さのが新鮮味があった


「男の子とお買いものなんて珍しいじゃん、あの遥がね」


「えへへぇ、いいでしょう、ってかあのって何よぉ、かっこいいでしょ」


そう言って俺の腕にしがみついてくる、さっきから何もしゃべってないが見ているだけで楽しく退屈ということはなかった


「もしかしてお兄さんとか?」



「なぜ、ばれたし、やっぱり兄弟にしか見えないのかな?」



「いつもお兄さんの話しばっかしてるからね」


何それ、詳しく聞きたい、だが俺が口をはさむわけにもいかず、しばらく立ち話を続け、結局何も買わずにお店を出た



「兄さん、話し長くてごめんね、退屈だったよね?」



「別に、お前ら見てると少しおもしろかったし、ってか優奈まで兄さんって呼ぶなよ」


「え~、ダメですか?お兄さん」

そう言って、上目使いで迫ってくる優菜、こいつ何か狙ってやがる


「まぁ別にいいけどさ」


迫られるのは弱い、遥にやられた時も断れた試がなかった

俺が頷いた後に見せる、笑顔は本当に可愛くて、きっとなにされても許せるんじゃないかってくらいに可愛かった


優奈とは初対面だけど、悪い印象はないはず、振り返れば楽しかった休日と思えた、たった1つの出来事だけどそれだけでいい連休と言える

同じ学校なんだし、明日また会えれば嬉しいなと思った


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