プロローグ
プロローグになります。
「捕まえてごらん♪」
「おかあさん」
ブラウン色の髪をした三〇代の女性は五歳くらいの娘と一緒に公園の中で遊んでいる。それは日常で見るありふれた瞬間である。この公園は大きいため、女性たち以外にも親子で遊んでいる。女性は子どもの足の速さに合わせて、ゆっくり走っている。そのため、女性と子どもの距離は、あともう少しで捕まるくらいである。そして、女性は子どもに捕まり、子どもは女性の足につかまる。
「おかあさん、つかまえた」
「さすが、○○ちゃん」
女性は足につかまる娘を抱き上げた。女性は満面の笑みで子どもを見て、子どもは無邪気に笑う。
「つぎはおかあさんがおにだよ」
「ようし、○○、かくごー♪」
女性は娘を下ろし、子どもはすぐに走り出した。女性は捕まえようと追っかけようとした。その時、女性の目に女の子二人が追っかけっこする姿が映り、女性は動きを止めた。一見すると何気ないものだが、女性にとっては特別なものだった。そして、女性は何か思い出のようなものに浸った。幼い頃に別の女の子と一緒に追いかけっこする場面。
「おかあさん、はやく」
「あっ、ごめんね、○○ちゃん。○○ちゃん、まてー♪」
果たして、女性の思い出は何だったのか。
第一話に続きます