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ツンデレ系アサシン、異世界にてパティシエを目指す   作者: こたつ猫
第一章 ツンデレ系アサシン、異世界転移したそうですよ
7/12

正面から戦っちゃダメだよね

今回、初めての戦闘シーンを書いてみました!

かなりめちゃくちゃになってしまった気がしますが、最後まで読んでもらえると幸いです(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾


 





「……全くもって意味が分からないんだが…」


「なんだ?案外頭が悪いじゃ無いか。戦うことにる理由なんて必要ないぜ。気が乗ったから戦うんだ」



 冒険者って、人の話を聞かないことがデフォルメなのかな。今の話の流れで戦うことになる理由が、割と本気で分からないんだ。


 こちらとしては、こんな厄介そうなのと関わりたく無い。適当な理由をつけてはぐらかそう。



「こちらには、戦う意思もメリットもない。そんな勝手な理由に付き合う気は無い」


「つれねーなぁー。ボリッツを一撃でのすぐらいなんだから、そこそこできるんだろう? なら、拳で語り合おうぜ!」


「……オボロさん。この人は、こうなったら止まりません。申し訳ないのですが、少し付き合ってあげてください」


「そうそう。ユリの言う通りだぜ、にいちゃん! 諦めて俺と殴り合え!」


「…あんたが言うなよ…はぁ…。腹をくくるしか無いか」



 すんごい強引な人だな〜。はぐらかせないし、逃げ道も塞がれてしまった。唯一助けてくれそうなユリさんも「ごめんなさい」と、申し訳なさそうにしているし…。


 ここは、俺がどこまで戦え得るか試すとしよう。いきなり実戦で戦うよりかはマシだろうしね。それにシグルムみたいな強者と戦えるのは、俺にとってもメリットになる。思いがけないタイミングだったけど、案外ちょうど良かったのかもしれない。


 頭の中で思考を、無理やり前向きにしていると、シムルグが1人で歩き出してしまった。



「早くついてこいよ。ギルドの闘技場で、早速バトろうぜ!」


「…あまり急かすんじゃ無い。ちゃんと付き合ってやるから、声をかけてから移動してくれ」


「そりゃあ、すまんかったな。次から気をつけるってことで、早く行こうぜ!」


「…すいません、オボロさん。一度スイッチが入ると、戦うことしか考えられない人なんです」


「そうみたいだな。もう諦めた方が早そうだ」



 ガハハ。と1人笑うシムルグは、楽しそうにしている。戦うことしか考えてないのが、丸わかりだよね。絶対にああゆう人って、人の話を聞かないんだよな〜。ソースは母親。


 まあ、ユリさんも慣れきっているみたいだし、俺も早く適応できるようになろう。…じゃないと、心労が増えそうだ。


 結局押し切られる形で戦うことになった俺は、ユリさんを含めた3人で闘技場に来ていた。ちなみにユリさんは、心配だからついて来てくれたらしい。本当に天使に見えて来た。



「じゃあ、さっそく始めますか! 早くお前も武器を取れ!」



 学校のグラウンドのような闘技場で、シムルグが肩に背負っていた大剣を抜き放つ。


 …あれはゲーム中盤で出てくる、グルート鉱石を使った大剣だな。つまり、火属性の攻撃をしてくるって事なんだけど、暑いのは嫌だなぁ。もっと平和に生きたいよ。


 と言っても、シムルグはいまにも飛びかかって来そうだし、さっさと構えるとしますか。



「…いつでもかかって来ていいぞ」


「ほう?随分余裕だな。まぁ、いいと言うなら行かせて貰うぞ!」



 言い切るやいなや、シムルグが弾丸のように突撃して来た。


 どうしてあの巨体で、ここまで早く動けるんだよ!この非常識の塊め!



「ガハハ! 一撃で終わってくれるなよ!」


「……っつ!」



 ブオン。と俺の真横に体験が振り下ろされ、風圧でコートが揺れる。まだなんとか見切れているけど、これ以上早くなったら危ないかも。早めに対処しなきゃ!


 一旦距態勢を立て直すために、バックステップで距離を取る。まず相手の間合いの外に出ないと、好き勝手されちゃうからな。中距離から様子を見───って、危なぁ!



「おいおい、逃げてくれるなよ! 寂しいじゃねぇか!」


「…その顔面しておきながら何をほざいてやがる。絶対に思ってないだろう」


「釣れない奴だなぁ。───なら、俺に首ったけになるようにしてやる!」


「……なっ…!?」



 ゴオォ。シムルグの大剣が松明のように燃え盛り、空気を震撼させていく。


 あれって殺す気だよね! もはや模擬戦のレベルじゃ無いし!


 しかもグルート鉱石から生まれる炎は、何をされても一定時間消えることのない追撃の焔。掠っただけでも、火だるま確定じゃん! なんてもん使ってんだあいつ。頭がおかしいんじゃないの!


 大剣の能力を発動したシムルグは、焔で牽制しながら隙をついて突撃してくる。こっちは触れるだけで危ないから、大きめに回避しているし、視界を焔で埋め尽くして死角から切り掛かってくるから、手に負えないんだけど!



「なんだ? その程度のやつだったのか?ツマらねぇな、もっと熱くなれよ!」


「…貴様はどこの修造なんだ…鬱陶しい…」


「本当に冷めたやつだなぁ。早く反撃してこいよ。でないと───死ぬぞ」



 ゾクっ! やばい、これは本気の殺意だ!あの筋肉ダルマ、マジで殺しに来るぞ。


 …しょうがない。試したことがないから不安だが、スキルを使うしかないのか。はぁ、本当に最悪だぞクソ野郎が!



「この脳筋が…! 物騒なもん振り回しやがって、後悔させてやる!」


「させてみろよガキがァァァ!」



 俺の声に応えたシムルグが、上段から必殺の威力を持った一撃を振り下ろす。


 あぁ、今目の前に、明確な死が迫っている。


 ───ドクン。こんな危機的状況だと言うのに、頭が急速に冷静になっていく。まるで戦い慣れているように。そして自分の中に眠っていたものが目覚めるように、自然と体が動きスキルを発動させる。



「暗技───【迅狼】」



 シュン。微かな呟きと共に、オボロの体が霞のように消える。



「なんだとぉ!」



 渾身の一撃をかわされたことで、シムルグの顔が驚愕に染まる。何故なら、歴戦の猛者であるはずの彼でも、オボロの動きが全く見えなかったからだ。


 そのあり得ない状況を前に固まってしまったシムルグ。この隙は、オボロにとって反撃の狼煙をあげるきっかけになった。



「気を抜いたな。──今度はこちらから行かせてもらうぞ」



 暗技【迅狼】によって高速移動したオボロは、ガラ空きのシムルグの背中にクナイを投げつける。すぐ我に帰ったシムルグが、大剣を盾にして後退する。


 しかし、そんなことをオボロが許すはずもなく、袖の中から手首を捻るだけで増え続けるクナイで、徐々にシムルグを追い詰めていく。


 シムルグが攻撃に転じようとすれば、大剣を掲げることで生じた死角から、的確にクナイが命を奪わんと殺到する。


 漆黒のクナイ───【十六夜】が

 大気を斬り裂き、黒色の殺意を乗せ、飛翔する。


 消えては現れ、また消失いく。まさしく朧の様に霞んでいく姿は、闇夜に潜み敵を葬り去るアサシンの本懐。シムルグに息をつく暇を与えず、円を描くようにクナイを投擲する。



「…クッソ! ちまちま攻撃して来やがって…! 男なら特攻してこい!」


「…俺はそんな無謀なことはしない。ただ確実に───葬る!」



 ガキィン!今までで一番鋭い斬撃が、シムルグの防御に穴を開ける。衝撃で態勢を崩したシムルグだが、すぐに焔で自分を円形に囲いクナイに備える。文字通り嵐のように吹き荒れていたクナイ。あの縦横無尽に飛んで来る攻撃に対応するには、これが最適だと直感で判断する。


 ───それが、オボロの狙いとも知らずに



「視界を潰したな。これで終わりだ───!」



 高速で移動するオボロが、片手で空中に印を結ぶ。全てはこの瞬間のために動いていたのだ。


 先程からしつこい程クナイを投げていたオボロだが、これには理由があった。彼が使っている闇が溶け込んだように黒色のクナイ───【十六夜】には、1つ1つに細工がしてある。オボロがよく使うものであれば、麻痺毒を塗っているものが例に上がる。

 しかし今回彼が使用したのは、溶け込んだ特殊な術式が埋め込まれた【十六夜】だった。それは対象を中心として円形に印を結ぶことで、行為魔術を発動するもの。つまり──儀式魔法だ。


 本来ならこんな回りくどいことをせずとも、単身で発動できるのだが、今はレベルが下がっているせいで、こんなに手間がかかってしまったのだが…


 ───そして、宙に浮かんだ梵字が、オボロの詠唱によって意味を成す



『我は踊る 十六夜の月の下 世界の半分を染める闇夜とともに───【円影孤月】』



 オボロの祝詞によって、本領を発揮した十六夜が、空間を染めるように、黒黒とした濃霧にかわる。そしてシムルグを囲むように漂う黒煙が、徐々に収束していき、無数のレーザーとなって殺到する。


 必殺の威力を持った黒線が、、高速に、弧を描き、焔の壁を貫き

 ───シムルグを穿つ


 全方位、そしてオールレンジからから放たれた銃撃は、不滅の焔を霞に変えて蹂躙する。まさしく雨のような弾幕は、数十秒に渡ってシムルグを蹂躙する。


 しぃーん…。壮絶な連撃のせいで闘技場には無数の穴が空き、視界を覆い尽くすほどの砂煙が上がった。


 これ程までに攻撃すれば、さすがに動けないと思うんだけど…これってフラグだよな〜。

 と、フードに隠れて見えないのをいいことに、呑気なことを考えていた。



「……ていうかシムルグのおっさん、死んでないよな? 全然反応がないから不安なんだが…」



 …さすがにやりすぎたかな。あのくらい化け物じみて強いと、このくらい平気そうなんだけどな〜。それに見学しているユリさんも何も言わないし、やりすぎってことはないでしょう! ナイス、俺!


 一応反撃に備えながらも、砂煙が晴れるのをじっと見つめる。こういう時油断して反撃を受けるなんて、笑えない冗談だ。しっかり対応しないといけない。少し意気込みながらクナイの感触を確かめていると、


 ───ズォォォ


 一瞬にして静寂を打ち破り、天まで届く炎柱が爆発のように現れた。



「───あっはっははは! ほんっとうに面白い! こんな愉快な気持ちになったにはいつ以来だよ、おいっ!」



 舐めるように焔をが、漂う黒煙を食い尽くしていく。その中心では、煤まみれのシムルグが大爆笑している。


 …あれで無傷とか、本当に人間やめてるよなぁ。それに死にかけて笑えるとか、どんな神経してんの? これが異世界スタンダード?

 とりあえず、シムルグが生きていたことを喜ぶべきか、無傷なのを嘆くべきか…うん。わからん。流れに身を任しておこう!



「なんだなんだ? 急に黙っちまいやがって、もっとテンション上げていこうぜぇ!これから楽しい楽しい、宴が始まるんだぞ!」


「…俺が黙ったんじゃなくて、お前がうるさくなっただけだ。というか、なんで無傷で入られる。そこそこ殺す気で行ったんだがな?」


「───あっははは! そうかそうか俺がうるさかったか! これは一本取られたわ!」


「…なんでそこに反応するんだ……」



 殺す気で攻撃しったって言ってるのに、スルーするなんてどんな神経してんの? それとも殺し合いが普通の生活をしているからなのか? 冒険者コワ! 関わりたくないわ。



「スマンスマン。久しぶりに燃え上がってるからな、細かいことが気にならんのよ」


「…できれば、俺にわかる言語で喋ってくれ。さっきから全く意味がわからん」


「普通に喋ってるつもりなんだが…まぁいい。つまり何が言いたいかというと───ここからが本番だって事だ」



 獰猛な笑みを浮かべたシムルグに呼応して、吹き荒れていた火炎がより一層燃え上がる。

 どうやら、あれだけ滅多打ちにされても、まだ戦いたいらしいな。とんだバトルジャンキーだよ、まったく。



「…俺としては、もう終わりにしたいとこなんだがな…」


「おおっと、そうは問屋が卸さないぜ。お前は俺が満足するまで、血肉沸き上がる殺し合いをするんだ──」



 こっちの話をまったく聞かない様子で、火の粉を撒き散らしながら突っ込んできた。


 ──シムルグとの戦闘は佳境へと突入する










どうでしたかね?途中に厨ニ病すぎる表現があった気がしますが、どの位までがセーフなのでしょうか?

とりあえず、次回でシムルグとの戦闘は決着がつきます!

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