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ツンデレ系アサシン、異世界にてパティシエを目指す   作者: こたつ猫
第一章 ツンデレ系アサシン、異世界転移したそうですよ
3/12

第一異世界人発見!?

前回より早めに更新できました!

本文はまだまだ少ないですが、これから増やせるように頑張りたいです。

  街を目指し歩き始めたオボロだったが、早速壁にぶち当たっていた。




「どっちに進んだら街があるのか全くわからない」





  最初は適当に歩いていけば街にたどり着けると楽観的に考えていたが、いつまでも変わらない風景にいつしか不安を抱き始めていた。


  まったく知らない土地で、無計画に行動した自分を呪いたい気分だが、まずはこれからどうするべきなのか考えなくてはいけない。




「…如何したもんかな。たとえコンパスがあったとしても、どの方向に街があるのか分からんし」




 ザァ…。風で木が揺れて、不気味な音を出す。


 …テンションの低い時に、追い打ちをかけられた気分だわ。


 しかもさっきから何も口にしていないし、最悪の状況だな。さっさと家に帰りたいっつーのっ!

 

 …はぁ。イライラしててもしょうがないし、取り敢えずインベントリからなんかだそう。食べられるものくらい入ってるだろ。

 

 フッ。さっきと同じように右手を振ると、目の前にインベントリの一覧が出てきた。画面にはゲームと同様に、種類別にアイテムが並べてある。食料欄には、あまり戦闘をせずに集め続けた食料がひしめいている。そこから水を選び出しタップしてみると、




「───お、空中にいきなり出てくるんだな。でもこれほど便利なものないだろうなぁ。要するに4次元ポ〇ットだし」




 陶器製の容器に入った水を飲みながら、独りごちる。


 …ちなみにこのマスクだが、着けながらでも飲食が可能みたいだ。穴は空いてないみたいなんだが、如何いうわけか俺に害のないものは、取り抜けるみたいだ。…謎すぎる。


 それは置いとくとしても、ゲーム内の機能が使えるのは僥倖だった。これでしばらく飢えることがないからな。


 ───ゲーム内の機能が使えるなら、マップも使えるんじゃないか?


 突然の閃きを、即実行すると、




「あ、普通に使えたわ……」




  当たり前すぎることに気づき納得する反面、何でこんな単純なことを思い出せなかったのか不思議でしょうがない。


  しかし終わったことをいちいち気にするような性格ではないオボロは、何事も無かったかのようにマップのタブを開いた。

 

  するとメニューとは別の画面が開き、そこにこの周辺の地図と思われるものが映し出されていた。


  地図には味方を現す青い丸と、敵を示す赤い丸がのっていた。さらに画面の左上に、《クリス密林》と表示されているので、それがこの森の名前なのだろう。



「マップを開いただけで、色々と簡単に解決したな。…あれだけ苦労していたのが、嘘みたいに…」




 はぁ。とため息が溢れるが、すぐに切り替える。


 そして 早速マップを使用するために、指示されている設定を行っていく。設定のしかたはゲームと同じだったので問題なく完了した。

 

 設定した機能は、まずマップを念じるだけで開けるようにすること。次に条件を入力すれば、目的地までの道案内をしてくれる。最後に索敵を常に自動で行い、敵が近づいてきたら警鐘を鳴らすように変更した。




「これで準備は終了だな。ようやく出発できる」





  はぁ。ようやく行動指針が出来たよ。なんだかんだ言っても不安だったからな、これで一息つけそうだ。


 …しかし、これからの生活が不安だな。


 見知らぬ土地に、たった1人で放り出されたんだ。さすがに心細……くはないな。うん。


 あのハチャメチャな母親に振り回されていたせいで、結構耐性ついてたわ。


 ───ありがとう、母さん。久しぶりに感謝したよ。


 なんかあの人の所業を思い出したら、今の状況が屁みたいに思えてきたわ。


 …さて、切り替えて今後のことを考えるか




「これから生きていくために、何が課題になってくるかだよな…

  まずは一番苦労しそうな言語だが、固有スキルに《言語マスター》があったから、スキルが正常に発動しているなら大丈夫だろう」




 この辺はデフォルメ機能に感謝だな。




「次に問題なのが金だな。とゆうかこれが一番の問題かもしれないな。 先立つものがないと、生きていくなんて不可能だからな

まぁ、とはいっても《インベントリ》の中の物を適当に売れば、しばらくは生きていけるだろう。

  かなりレアなアイテムも持ってるし、下手すればそれを売るだけで一生くらせそうだ」

しかしレアアイテムを売れば確実に目立つだろうし、大金を手にしたら狙われるかもしれないからな。

  それに《インベントリ》がこの世に存在しているのかわからない以上、迂闊に人前で使えないか。これも目をつけられる原因になりそうだかな。

  こうなると何か対策を立てなきゃいけないんだが、どうするべきだろうな…」




  考え事をしていると、時間がたつのが速いとよく言うが、本当にその通りで気がついたら森を抜けていた。


 自分でもよくこの無警戒さで無事に森を抜けられたと、不思議でしょうがない。


  実は無意識のうちに、マップに指示されたルートを進んでいたらしい。




「はぁ、やっと森を抜けられたが、なんか長いようで短いような変な感じがする。ともあれ、森を抜けたら街まで後少しのようだし、もうひと踏ん張りしますかね」





  森を出られたおかげで気力が回復し、街に向かう足取りは先程より軽やかだった。


  しかしいくら気力が回復しようと、体がついてくるわけではないので、休み休み進んだ。


  そして三度めの休憩の後に、ようやく街が見えてきた。そして街に近づいてきたせいか、ひとの姿も見かけるようになった。


  なので《インベントリ》のカモフラージュとして、バックに金になりそうなものと、旅に必要最低限のものを入れておく。

  そしてバッグを担ぎ、街の入り口である門へと向かっていった。




「対策は充分にしてきた。多少は怪しまれるかも知れないが、多分問題ないだろう」




 …意外とこういうことは、本人が思っているほど大事ではない。気楽に構えるのもいいだろう。


 しかし、さすがに全く大丈夫なわけじゃないけどな。




「しかし身分を証明するものを、持っていないのが辛いな。こういう時テンプレとしては、田舎者ってことで押し通せたらしいが、果たして実際に通用するのか不安だ」


 



 … 俺ってこんなに弱気だったか?もっとズボラだと思ってたんだけどな。自分の事は、案外分からないってことか。


 取り留めもないことを、ボォ〜っと考えているといつの間にか、列が進んで俺の番が来ている。


 …うわ…!リアル兵士がいるよ。まさにファンタジーだな!柄にもなく、テンションが上がっているのがわかるわ。


 思わずしげしげ眺めていると、不審がられたのか少しきつめの声で、




「次の者! この街に来た理由と、身分を証明するものを見せろ」




 訝しげな目をしながら詰問された。


 …この格好も、怪しまれる原因だよな。めっちゃ怪しいもん、コレ。


 まあ、これ以上心象をるくしないように、無難に答えるか




「田舎で生活がたち行かなくなったから、街に出てきた。そのせいで身分を証明するものを持っていない」


「そうか。なら簡単な審査と、仮身分証の発行を行う。ついてこい」




 一瞬ムッとした兵士だが、すぐ表情を戻すと門に併設されていた詰め所に入っていった。


  …如何やらあそこで話の続きをするようだな。さてさて、どうなることやら…


 トコトコ。飄々とした様子で詰所の中に入る。先に中にいた兵士は俺に座るように促し、自分も向かい側に椅子に座った。


 …微妙にボロい椅子だな。机もシミがひど…んん!これ、血の跡じゃん。なに、今から拷問でもすんの?


 俺のやばい妄想をよそに、兵士は机の引き出しから何かを取り出した。


 ──ついに凶器の登場か!


 っとテンションが上がったが、ドン。兵士が取り出しいたものは水晶で、それを机の上に置いた。




「ではまず、この水晶に手を置いてみろ。ちなみに手袋は外さなくてもいいぞ」


「分かった。これでいいのか?」




 言われた通り、目の前の水晶に手を置いた。すると水晶が青く光り、兵士は目に見えて気を抜いた。




「よし!どうやら犯罪歴は無いみたいだな。次に仮身分証の発行に移るが、手数料として30000エル──銀貨三枚をいただく」




 ──ついに来たか。ここからが正念場だな。




「今、俺は金を持ってないんだ」


「む、そうか。ならば売れるものは無いか?大抵の物なら、ここで買い取りができるぞ」




  その言葉を待ってましたとばかりに、脇に置いていたバッグに手を伸ばす。そしてゲームだと雑魚キャラの素材を出した。


 これならば、俺が持っていても怪しまれることは無いだろう。




「ふむ、魔獣の素材か。早速査定に入らせてもらおう。……よし!まずワイルドボアの毛皮だが、5枚で80000エルだ。次にホワイトウルフの牙が、8本で50000エルだから、合計で130000エルになる」




 ゲームとも日本とも違う通貨か…。全く相場や価値が分からないせいで、適正価格か判断できない…。


 ──ここは大人しく従っておこう。


 こくん。と俺が頷いたのを見て、




「仮身分証の発行料を抜いて、100000エル―銀貨10枚だな。そしてこれが仮身分証だ。確認してくれ」




 話を進めてくれた。…ほぅ。どうやら無事に終わりそうだ。


 何事もなく 兵士から買い取りの代金と、仮身分証を受けとる。そしてバッグに仕舞うふりをして、《インベントリ》の中に入れておく。


 そんな俺の動作を確認してから、




「これで街に入っても大丈夫だ。だが1週間以内に身分証を作らないと、街から強制退去となるから気を付けろ。

 さっきの素材を見る限り、そこそこ腕は立つみたいだから、冒険者ギルドに入るといい。ギルドカードはすべての国で、身分証として使えるからな」


「分かった。ギルドに登録することにする」




 これまたテンプレな冒険者ギルドに登録することになったが、身分証が手にはいるならと、詰め所を出てギルドにむかった。


 ──ここから、俺の異世界生活が始まる

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