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予報を見なかった事を俺は後悔・・・しないっ!

作者: 酢兎

もうすぐお盆。

ということで幽霊のお話を書きたくなって書きました。

が・・・完成度はとても低いです。

それでもいいよという方はどうぞどうぞ。


登場人物↓


俺(主人公)

両親共に海外に行っているため、生活費を貰って一人でボロアパートで過ごしながら高校生活を送っている。ある日予報を見ていなかったため、傘がなく家まで走ることにするが・・・


少女

俺がショートカットしようとした公園で出会う幽霊。

自分が見える主人公に成仏させてくれと頼む。

放課後、天気予報の通り外は雨だった。

天気予報を見ていれば傘を見ていれば俺だって傘を持ってきていただろう。

見ていれば・・・。

「うおおおおおおおお!!!!」

幸い俺の家は学校から徒歩十分だ。

走れば五分で帰れるだろうと予想し、

俺は雨に濡れながら家に向かって走っていた。

「そういえば、ここを通ればショートカットだったな」

途中、いつもなら通り過ぎている公園を見て俺は考えた。

いや、考えるまでもないか。

ちょっとでも雨に濡れるのが嫌な俺は考えもせずにその公園を通ることにした。

「流石に廃棄された公園は汚えな、走りづれえ」

俺は愚痴りながらゴミが散らばっている道を走った。

・・・シ・・・ク・・・

公園を半分ほど行った時、どこからか声が聞こえた気がした。

だが立ち止まり周りを見渡しても誰もいない。

「気のせい・・・か?」

俺が再び走りだそうとした時、また聞こえた。

・・・シク・・・・シク・・・

耳をすましてみれば奥にあるブランコから聞こえている様な気がする。

雨に濡れるのは嫌だが聞こえた以上放置するのも後味が悪いと思い、ブランコに向かった。

どんどん聞こえてくる声。

・・シク・・・シク・・

泣いている・・のか?

不思議に思いながらもブランコの近くに着くと、そこには

「シクシク、シクシク」

雨の降り注ぐ中、ブランコに乗って泣いている少女がいた。


俺が近づいたのに気付いたのか少女は泣き止み、顔を上げて俺を見つめていた。

置いて行くことは出来ない、よな。

「キミ。こんな所で何しているんだ?しかもこんな雨の中を」

俺は少女に話しかけていた。

しかし少女は答えず俺を見つめ続けていただけだった。

「あ、怪しい人じゃないぞ!雨の中キミの泣き声が聞こえたから来ただけで!」

俺はつい言ってしまった。余計に怪しい人に思われてしまう言葉を。

だけど少女は

「ぷ、ぷぷぷぷ・・・」

何故か笑っていた。

「えーっと・・・」

俺はどうすればいいのかよくわからなくなり、呆然としていた。

「おにーさん面白いねっ。ぷぷっ」

笑いながら少女は俺を指さしていた。

泣いていたから心配したが・・・

「そんなに笑えるなら大丈夫そうだな」

俺は若干拗ねながらそう言って帰ろうとした。

「おにーさん待って待って。笑ってごめんなさい」

少女がブランコから立ち上がり俺を引き止めてきた。

俺は振り返りながら言った。

「なんだよ、こんな雨の中声が聞こえたから来たのに笑われたおにーさんに何か用かよ」

若干じゃなかった、結構拗ねていた。我ながらなんというか・・・。

「ごめんねおにーさん。実際にああ言う人を見たの始めてだったから、ついね」

少女は俺に近づいてきた。

あれ、さっきはよく見えなかったがこんな雨の中にいて濡れていない?

少女の体を見て俺は不思議に感じた。

「あれ、おにーさんどうしたの?」

俺の様子が変だと思ったのだろう、少女はそう聞いてきた。

「キミ、この雨の中なんで濡れていないんだ?」

俺は疑問に思ったことをそのまま聞いた。

「あーなるほどね。それはあれですよおにーさん。私は幽霊ですからっ」

何故か胸を張って言う少女。いやちょっとまて。

「幽霊!?キミが?」

俺は生まれてこのかた霊の類なんて見たことないし、感じたこともない。

だから俺は信じられなかった、目の前の少女が幽霊だという事に。

「その顔は信じてないでしょ。

いいよ、だったら証拠を見せてあげるっ」

少女はいきなり俺に飛びかかってきた。

「おい!危ないだろ!!」

俺はとっさに両手を広げた。

しかし少女は俺の体をすり抜けていった。

「え??」

「これで幽霊だって信じてくれた?」

いや、それはまあ・・・。

「流石にすり抜けられれば、な」

「ふっふっふ。う~ら~め~し~や~」

「怖くない怖くない」

幽霊ってのはもっと怖いイメージだったんだがな。

テレビとかで見るのはもっとこう恐ろしい感じで。

「さて。少し脱線してしまいましたが、

私が見える人に出会えたのは初めてなんですよ!

結構長い間待っていたのですけどね・・・。

それはさておき、やっと出会えたおにーさんにちょっとお願いがあるんですよ」

「まぁ乗りかかった船だし、無理なお願いじゃなきゃ叶えてやるぞ」

最初の泣き声、あれは恐らく嘘じゃない。長い間一人ぼっちだったのだろう。

そんな同情もあった。

「私を成仏させて欲しいんですよ!」

「成仏、か。幽霊ってのは大抵心残りがあるらしいが、キミにもあるのか?」

「わかりません!」

俺は即座に回れ右を

「あぁ嘘です嘘。ありますあります」

「あのなぁ・・・」

「いいじゃないですか、久しぶりに会話するんですから」

ぐ、そう言われるとあまり強くは言えないけどさ。

「私たちが今いるこの公園。一体何時から廃棄されたか知っていますか?」

「いや、知らないな。昔事故があって廃棄されたと聞いたことはあるけど」

「そうですか、だったら教えます。今から三十年程前、今日みたいに雨が振っていたある日のことです。

ある少女がここで事故にあいました。それからこの公園は廃棄されたのです。」

「で、キミがその少女だって訳か」

「その通りです。

で、ここからが本題なのですが私はこの公園が大好きです。

大好きな公園が廃棄された理由が私の事故とはいえ、流石に悲しいのですよ」

「まさか俺にこの公園を蘇らせろっていうのか?」

それは無理に決まっているだろう。

「いえ、流石にそんなことが出来ないことは分かっています。

ですが、せめてこの公園を綺麗にして欲しいのです」

確かにゴミだらけだしな。俺は周りを見渡して思った。

ふぅ・・・ちょっとしたショートカットのつもりだったんだがな。

やれやれだ。

「オーケー、分かった。この公園を綺麗にしてやる。

とはいえゴミを捨ててやるぐらいしか出来ないけどな」

厄介なのはこの雨の中やるってことなんだよな。

が、今更多少濡れた所で関係ないかと開き直りゴミを集め始めていると

「い、いいんですか?」

さっきまでのおちゃらけた雰囲気とは違い、少女は何か怯えるような雰囲気だった。

「おいおい、頼んできたのはキミだろ?」

「正直、断られると思っていました。この雨の中ですし、この公園結構広いですから」

そりゃ・・・俺だって断りたかったさ。だけどな、

「かわいい女の子のお願いを断れるほど俺は人間終わっちゃいねえさ」

少女はすごく驚いていたようだが、

「私、三十過ぎてるんですけどね」

と言ってそっぽを向いてしまった。

ありゃりゃ、そういえばそうだな。

事故があったのは三十年前らしいし・・・。

女性に女の子はないか。

まあいいさ、とりあえず風邪を引かない内にさっさとやりますかねっ!

いやもうアウトか。

くそっ!どうとでもなりやがれ!!

開き直ってゴミ集めに精を出している時、

「ありがとう、ございます・・・」

少女が何か言っていたようだが俺には聞こえなかった。


恐らく日をまたいだだろう。結構な時間をかけてゴミを一箇所に集め、

近くにあったゴミ捨て場に捨て終わった俺はブランコに乗っていた。

雨が降っている?なんぼのもんじゃーい!

もう雨なんてないものと考えていた。

完璧に明日は風邪だけどなっ!!

「あのー、ここまでしてもらっていうのもあれなんですけど」

隣で同じくブランコにのっている少女が申し訳なさそうに言ってきた。

「なんでこんな雨の中したんですか?」

え?

「いやキミが綺麗にして欲しいって言ったじゃないか」

「そうは言いましたけど、別に今日中とは言ってませんよ?」

は・・・・はい!?

「いやほら、今日みたいな雨の日とか言ってたじゃないか!

それでキミは雨の日しか出てこれないんじゃないかと思って・・・」

「そんなわけないですよ。雨の日限定でしか現れないだなんて

人に出会うチャンスが無いじゃないですか。

晴れの日でも居ませんでしたけど・・・。

何にせよ、私としては近日中に綺麗にしてもらえればよかったんですよ」

お、おいおい。

「それだったら俺がゴミ集めしている時に言ってくれないかな!?」

「ちゃんと言いましたよ。ですが

「俺は雨の子元気な子~」とか「雨?降ってねーよそんなの」って

言ったのはあなたですよ」

いやどう考えてもおかしくなってるじゃねーか。その辺気にならなかったのか!?

「はぁ・・・まあいいさ。で、どうだ?成仏できそうか?」

俺は本題を聞くことにした。

「えぇ、おかげさまで。雨さえ上がれば成仏できそうです」

まぁ事故の日と同じ雨の中は嫌だよな。

「そうか、だったらいいんだ。これで無駄骨だったら俺は立ち直れん」

「私はとても感謝しますよ」

にっこりととてもいい笑顔で少女は言った。

「これまで誰も私のことが見えませんでしたからね。

やっと会えたのがおにーさんです。

もしかしたら断られるかもと思っていたのですが、おにーさんは引き受けてくれました。

さらにはこの雨の中を、です。

心苦しいのはそんなおにーさんにお礼を上げれないということなのですが・・・」

「気にしなくていいさ。強いて言うならもう貰っているしな」

「あれ?何か上げましたっけ私」

ふ、と俺は笑い

「美少女の笑顔はプライスレスさ」

と言った。

「あは、あははははは」

少女はお腹を抱えて笑っていた。

計算通り!じゃなくて本気で思っていたんだけどな・・・。

「おいおい、笑うなよ。世の真理だぞ?」

たくよぅ・・・結構へこむぞ。

「あははははははっ!!」

ま、いいか。

俺は少女の笑顔を見ながらそう思うのだった。


もう少しで日が昇るという時間、雨の勢いが弱まってきた。

そろそろ、か。

というか俺こんな時間まで外に居て学校どうすんだよと思ったが、

どうせ風邪で休むから大丈夫かと自己完結した。

「そろそろ、だね」

「そうだな。やっと成仏できるな」

三十年ほども一人ぼっちでいた少女の事を理解出来ている訳じゃないが、

俺だと無理だろう。しかもその理由が廃棄された公園の為だというのだ。

「本当にありがとうございました。そういえば名前を聞いていませんでしたね」

そういえばそうだな。まあいいだろう。

「気にするな。それにおにーさんという呼び方も嫌いじゃない」

俺は一人っ子だからな。兄妹には憧れていたから結構気に入っていた。

「・・・・」

何故かドン引きする少女。あ・・・

「いやそういう意味じゃねーよ!?怪しい人じゃないから!」

「あははは、また言ってる」

「は、はははは」

怪しい人程言いそうな言葉、な。

この少女とは出会って一日も経っていないが、なんだか長かった気がする。

それほど楽しかったんだろうな。(建前)雨のせいもあるんだろうが。(本音)

太陽が見えてきて、それと同時に空も晴れてきたようだ。

「それじゃ、おにーさん。ありがとね」

「あぁ、成仏、おめでとうな」

ばいばーい、と手を振りながら少女は透明になって消えた。

「さて、風邪薬余っていたかな・・・」

俺は綺麗になった公園を通って家に帰った。




やはり風邪を引いた俺はあれから三日間寝込んでいた。

看病してくれるやつなんていないからな・・・。

自分で言ってて泣けてくる。

窓から夕日が見えてきた。

ふぅ、結構長引く風邪だな。

そんなことを考えていると、


ピンポーン


インターホンが聞こえた。

勧誘か?

だったら風邪を移してやろうかな。なんて考えて

未だにしんどい体を引きずって玄関の扉を開けた。

すると扉の前に居たのはスーツ姿の金髪碧眼の女性。

その女性は俺が出てきたのを確認すると、

「すみません、風邪で寝込んでいる所を。

私は幽霊管理局の・・・・」

どうやら俺は何か変なことに巻き込まれるらしい。

オーケー、わかった。巻き込まれてやるから、今は・・・・寝かしてくれ。

俺は意識を失って倒れた・・・・。

この後、幽霊管理局の一員となった主人公はこの世に残っている幽霊たちを成仏させていく。

とか妄想しています。続く予定はありません。

こういう終わりも私は大好きです、次回の伏線って感じが!!


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