第二話
この小説は、設定資料集および人物紹介を読んでいないと
話の内容がまったくわかりません。
まだ読んでない人は先にそれらの資料を見てから
この小説を読んでください。
逃げようとしていたにいさんは急に喋らなくなったと思ったら、今度は急に顔の表情がクルクル変わっていく。
どうやら、マホウの意思とやらと会話しているらしい。
(にいさんも大変ですねー)
昔からマホウが暴走したり、勝手に精神を乗っ取られたりと色々と大変な目にあっているにいさんはそれはもう恐ろしいほどの面倒くさがり屋となった。まだ人の常識が残っているのか困っている人は見捨てないものの、やはり普段は生粋の面倒くさがり屋であるため、注意が必要なのだ。
特に今日のような試験の日は、自分たちが見張っているか、百合さんが来ないとあっという間に逃げられてしまう。
今だって、百合さんがこなかったらお姉ちゃんとケンカしている間に逃げられていた。
(別に魔術を使ってもそんなに怒られないと思うんですけど)
にいさんはいつも、校舎の破損がどうだの魔術が強すぎるのがいけないなど言っているが、そんなのは校庭で的を破壊する試験などをやればいいことだ。実際、今回の試験は魔術持ちのにいさんや百合さん、その他マホウ使いや魔術師のために特別な結界を造ったとお姉ちゃんが言っていた。
これなら、どんなマホウや魔術を使用しても大きな被害はないだろう。
(まあそれでも、鮮血の暴君の能力には注意が必要でしょうけれど)
にいさんの魔術は剣を振っただけで剣を振った直線状、もしくわ任意で選択した対象を必ず切り裂くという恐ろしい能力を持っている。
(まあ、お姉ちゃんに聞いたらちゃんと対策はしてあると言っていましたし)
たぶん、大丈夫だろう。お姉ちゃんの超絶ドジっ子スキルが発動しなければ。
(あれ、むしろお姉ちゃんが対策をとる方が不安になるのはどうしてでしょう?)
少し、未来に不安を感じた。自分の姉がいざ兄の番になったときにありえないドジを踏むというビジョンが浮かんできた。
うん、これは忘れよう。そうしよう。
浮かんできた不安をキレイさっぱり消し去ったと同時にいつの間にやら、百合さんと夫婦漫才をしていたにいさんが動き出した。どうやら真面目に試験を受ける気になったらしい。
(さてと、私もにいさんの心配ばっかりせずに、自分の試験に気を向けなければ)
少し気合を入れた後、学校に向けて歩き出した。
大変長らくお待たせしました。
このところ大会や試験やらで忙しかったため
なかなか更新することができませんでした。
次話の更新も未定なため御気を付けください。