第一話
この小説は設定資料と登場人物紹介を読んでいることを前提として話が進みます。
まだ読んでいない人は先に設定資料と登場人物紹介を読んでから第一話を読んでください。読まないとまったく話がわかりませんので注意してください。
それでは第一話をどうぞ!
さて、俺と姉貴たちは家を出たわけだが……しかし試験か。べつに攻撃魔法の試験なら出ていいんだけどよ、アレって手を抜いたら一発でばれるんだよなー。かといって全力でやったら校舎に被害が出て説教されたあげく試験の点もパーになるんだよ。くそ、よくよく考えてみたらすげえ理不尽じゃねえかよ!やっぱ試験サボろうかね?
そんなことを考えてるのが伝わったのかヒナが
「にいさん? なんかすごい悪いこと考えていませんか?」
やべっ、ごまかさねえと。
「あっあははは。そんなこと考えてるわけえねだろーが」
「嘘ですね。十中八九嘘ですね。お姉ちゃんが失敗するときに必ず言う大丈夫くらい信用できません」
「ヒナちゃん!? それどういう意味なのっ!」
「あー、えぇっと……それはぁ。……それはお姉ちゃんがドジッ子という意味です!」
「ごまかしきれなくなったから開き直ったな」
「にいさんうるさいです!」
「それよりもヒナちゃんまず私に謝ろうよ!」
よし!ヒナの注意が姉貴にそれた。いまの内にダッシュで逃げればいくらヒナでも追いつかないはず!
そうと決まれば早速……
「やっほー。壊斗なに逃げようとしてんの?またヒナちゃんと喧嘩?」
百合ーーーっ!!!
百合の言葉に俺が逃げようとしているのがわかったのか二人が
「何を逃げようとしているんですかにいさん!」
「壊斗くん、サボっちゃダメだよ?」
くそ見つかった!おのれ百合ぃ!!この、のほほんとした笑顔を浮かべて楽しそうに俺たちを見ているのは、俺たちのお隣さんというやつで、もう何年も一緒にいる幼馴染。その名も要 百合。
年齢は俺と同じで16歳。髪型はブロンドの髪をツインテールにしている。
目の色は深い色合いのマリンブルー。顔の造形も美少女といってなお、お釣り来るような超絶美少女だ。
スタイルだって貧乳を除けば、ほぼパーフェクト。だがこいつはなぜだか知らないが全くモテない。それについてはむかしヒナが何か言っていたような気がしたが気のせいだろう。
ともかくこいつのせいで姉貴やヒナに見つかってしまった。
姉貴はうちの高校の生徒会長。
ヒナは一年生にして風紀委員長なった猛者。
つかまった日には試験を受けなければいけない。だが、試験を受ければ手を抜いてやってもマジメにやっても結果は一緒。いや、マジメにやったほうが被害が大きくなる始末。これじゃあ八方ふさがりじゃねえかよ。
俺がそう思っていると頭に声が響いてきた。
(壊斗。そこまで悩むならいっそのことあたって砕けたらどうだ?)
(お前ばっかじゃねえの鮮血の暴君! あたって砕けたらこんなめんどくさいことしてまで頑張った意味がねえだろうがよ!?)
(そうは言っても壊斗。お前にこの状況を打破できる策があるか?)
(むっ)
確かにこの状況を切り抜けられる策などないが、自分の魔術に諭されるなど本当にダメ人間街道まっしぐらな気がするのは果たして気のせいだろうか?
この頃とくに自分の性格について危機感を抱く壊斗だった。
次は三日後くらいに更新すると思いますので、その間はどうぞ本命の小説をたっぷりと読んでいてください。最後に、この小説があなたの暇つぶしにでもなれたら幸いです。それでは!