【ex.suy編第1話】実験動物
「嫌だ!!!やめてくれ!!!離してくれ!!!僕は…!僕は…!!!嫌いだ!嫌いだ!お前らなんて嫌いだ!!!うわぁぁぁ!!!」
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これはカフェオレのチームに所属する「ソウヤ」のツライ過去である。
※今回結構重いストーリーかつイジメが
含まれます。苦手な方は読むのをおやめ下さい。
オレは生まれた時から不自由だった。
ガラス張りの部屋の中で育っていた。なにやら『孤児院』と呼ばれる場所らしい。だが、最低限の娯楽と自由はあるが、常に『スタッフ』と呼ばれる人に監視されている。最近の悩みは友達が突然消える事だ。昔から大好きだった先輩が消えることは良くあったが、友達が最近は消え始めた。スタッフの人に聞いてみたら
「新しい家族が見つかったんだよ!ちゃんと喜んであげないとダメだよ!」
と、言われた。だが、日に日に減る人数が増えた。そこで俺は怪しいと思った。だからこそ手紙を書くことにした。
「スタッフさん、僕、新しい家族が見たかった友達にお手紙描きたい!」
「手紙を書くことはいい事だね!書いてみようか!」
そうして俺は手紙を書いて友達に送ってみた。だがしかし、お返しの手紙は全く来なかった。いくら待っても。そんな時ガラス越しから見えてしまった。俺の書いた手紙がビリビリに破られて捨てられているところを。
「スタッフさん!!!なんで僕の書いた手紙を!ビリビリに破いて捨てたの!?ねぇ!ねぇ!なんで!!!教えてよ!!!」
「…チッ気づかれちまったか…おい、さっさとコイツを実験室に連れて行け。」
「え…?スタッフさん…?いつものあたたかい口調は…?」
「はぁ、あんなん演技だっつーの・演・技・。はぁ、ガキの世話は本当に世話が焼ける。」
「スタッフさん!どういうこと?どういうことなの?」
「あー!もういい!お前に『スタッフさん』なんて生ぬるい名前で呼ばれたくねぇわ!!!」
ドン
ガラスを蹴る音が部屋中に響き渡った。
「やめて!スタッフさん!もとの優しいスタッフさんに戻ってよ!!!」
「黙れ!!!お前はもう馴れ馴れしい仲じゃねぇんだよ!!!」
ドンドンドンドンドンドンドン
何回もガラスを蹴る音が聞こえる。俺はもう愛されていないことに気づいた。
何故こうなってしまったのだろうか…
「お前もアイツらと同じようにしてやる。耐え切れるかなぁ???お前みたいな貧弱な子供が!!!」
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ー実験室ー
俺は気づいたらどこ見ても真っ白な部屋にいた。突然左側腕(?)に痛みを感じたから見てみたら謎の紋章というかタトゥーがあった。その下には番号があった。番号は「77777」一見7が沢山並んでいて縁起が良いように見える。後から知ったことだが、これはナンバーらしく、1番から続いているらしい。つまり今までに77776人の人が犠牲になったという事だ。
「…ッチなんだよ、ここまできてコイツの能力が『友達』なのかよ…どこまで平和主義者なんだコイツは…少しは偽善者にでもなれよ。」
「おい、実験番号『77777』明日も実験するからな?耐え切られねぇと困るんだよ。上が怒るからな。」
なぜか「明日もやる」と聞くと胸が痛くなり、呼吸ができなくなる。明日も続くと思うと死にたくなってきた。
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〜翌日〜
俺は知らない部屋に閉じ込められていた。ガラス張りでなく、目の前にはスタッフがいた。
「起きたか。今日も一日中実験だからなお前は世界一の支配者になってもらう。」
「嫌です…もうやりたくないです…」
「やるんだよ!!!黙れ!!!」
「痛い!!!痛い!!!ごめんなさい!ごめんなさい!!!」
拒否した瞬間身体中に電気が走った。
もう、拒否出来ないんだ。そう確信した。
「オラ付いてこいよ!!!ノロマ!!!」
「…はい、すみませんでした。」
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ー実験室ー
「今日は『友達』から『世界制服』に進化させる。」
「始め。」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、」
呼吸が止まらない。どうしても過呼吸になってしまう。昨日何があったか分からないが、とても嫌な気配がした。昨日もあったような。
「嫌だ!!!やめてくれ!!!離してくれ!!!僕は…!僕は…!!!嫌いだ!嫌いだ!お前らなんて嫌いだ!!!うわぁぁぁ!!!」
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〜しばらくして〜
「クソッダメだったか…だが明日やれば必ず成功する。」
明日もこんなのとをやると思ったら気が遠のいてきた。そんなとき俺にも人生の転機がやってきた。ここから逃げようと。俺はスタッフが目を離している隙に逃げ出した。走って、走って、走った。森の中に『孤児院』があったから森を抜けるために走って、走って、走った。地面がガタガタでボロボロで暗くて、何があるか分からなかったが、走った。走って、走って、走った。やっと森を抜けれた。だがその時には足は紫色に変色し、血がボロボロ垂れていた。その時小屋を見つけた。とてもあたたかい香りがしたから入ってみたら…
ー想いの先にあるのは…!?ー
*次回8月24日16:00更新予定!*
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには一切関係ありません。