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ファイブセックスセブン

作者: 小波


 自分を忘れるくらい没頭するなら現実逃避と呼んでもいいかな


セックスより気持ちいいことをしようよ。

この感情の揺れセックスくらい気持ちいい、そういうのなんだろう。お互いにしたい。それを叶えてくれて、あ、ありがとうみたいな。あなたも良かったしわたしもよかった。そうやって昔よく遊んだものだね。


あの時もあの時も裸を知る感じた表情を知る特別な感受性を見せたあの相手はもうハサミで切った写真くらいの位置。


なのに出産したら夫の名前と間違いそうになったの。

あの人やあの人、ぜんぶじゃない。(ここ大事だな)

言い訳だけど存在として同一だから、白いご飯みたいな名前なんだ。

セックスするほどの仲、いやただの体の交流、人それぞれ、仕事で使うこともある体。体に連れ回されて猫のふりして寝る私。

どきどきしなくていい。許されたい。


私は幸せになっていい。


ぎこちないのは体ではなく心だ。体だけが雄弁で心はそれだけじゃないからね、と舌を噛む。

先へ進むことよりもっとしゃべろうよ。


同じ景色の中でどこにでもある世界で、


なんでもなかった日を思い出す。


居心地が良かったのは恋人ではなかったからだ。



遠慮と気遣いと。こうして欲しいなんていう無茶がない。あなたに願望を結ばない。

自分の世界でアルコール0%で魅力だけで酔わせようなんて

冒険もしない。

漆黒に白をばら撒いて、しろに赤を擦って、それもいいなと大声で笑うこともあった。だけどひとつの絵を描こうよなんて、やれやれとため息が出たり、誕生日忘れたの!?と怒ってみたり。

愛されて当然でしょ?っていう可愛さではなくて。これぐらい当然よね‥という見返りを怨念みたいにもって。


他人のまま夕日の照り返しのまま笑顔のままさざなみの音の中。


繋がなかった指があたたかい。





執着は息遣いを浅くする。


なんにもいらないよーの五頭身が縁石に腰掛けて頭をひっくり返したら全部見えた。宇宙まで見えた。



自分のままで生きられなかった。その悔しさを母の私の肩を噛んでくる我が子を一緒に泣こう。






ありがとうございます。

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