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097 ストーンキャノンの開発④

 リヴァスト領には二週間ほど滞在する予定だったけど、五日目でおおまかな目途(めど)はついた。

 あとは要件定義から基本設計、詳細設計だけど、そこまでの過程は夏休みに入る前に既に終わらせている。

 なので、実験の結果に基づいてベースとなる魔法陣(荒野で使ったもの)を改修していくだけだね。

 固定するパラメータと起動後に設定可能なパラメータはどうしよう?

 砲弾サイズや初速を変えられるようにした場合、発射角による到達距離の検証をその都度(つど)やり直さなくてはならなくなるね。

 ふむ、だったら硬度だけを変更できるようにしようかな?その設定値によって砲弾に込める魔力量(言い換えれば爆発の威力)を調整しよう。

 炸裂術式は常時オンで、着弾後に爆発するのはデフォルトだ。ただし、前に検討していた破片を飛ばすことで殺傷能力を向上させる案は採用しない。凶悪過ぎるよ。


 最終仕様は以下の通り。

・口径:50ミリメートル

・砲弾長:60ミリメートル

・初速:800メートル/秒

・着弾後の爆発:オン(砲弾を構成する魔力を100%火属性に変換)

・硬度:5~10を設定可能(このパラメータのみ変数化する)


 モース硬度と魔力量の関係はこうだ。

・硬度5→3000

・硬度6→6000(これが実験したもの)

・硬度7→9000

・硬度8→12000

・硬度9→15000

・硬度10→18000


 つまり硬度と人数の関係はこうなる。

・硬度5…3~6人

・硬度6…7~9人

・硬度7…10人~13人

・硬度8…14人~17人

・硬度9…18人~21人

・硬度10…22人~24人


 発動に必要な最低人数は3人で、人数が増えるほど(合算バッファが増大するほど)込められる魔力量が増大し、爆発した際の威力が増す。

 最大魔力量は18000だけど、荒野で実験した魔力量6000の3倍だ。どのような爆発になるかとてもじゃないけど実験できないね。

 単純に3倍の威力で、TNT換算3キロトンってことになるのかな?こうなるともう戦術核だね。でも放射能汚染が無いだけ、こっちのほうがましかな。


 私が魔法陣のコーディングで屋敷の部屋にこもっている間、みんなは荒野に行ってファイアボールやストーンライフルの練習をしてたみたい。

 いや、まぁ良いんだけどね。くそー、楽しそうだな。


 王都へ帰る二日前、ようやく魔法陣の改修作業が終わった。魔法名はストーンキャノンだ。石の大砲?なんかしょぼそうな名前だけど、別に良いんだよ。名前なんて飾りです、偉い人にはそれが分からんのです。などとガ〇ダムねたを入れてみる。

 コーディングのし過ぎで頭がくらくらするせいで、変なテンションになっているのだ。許してほしい。


 自分を入れて7人分の魔法陣(7枚)を描き終わり、夕食の席でみんなに披露した。このとき、仕様を書いた紙も魔法陣と一緒に全員に渡した。

「皆さん、戦略級魔法ストーンキャノンの魔法陣が完成しました。仕様はこちらの紙をご覧ください。現在試すことができるのは硬度5と硬度6のみです。硬度6は前回の実験で試したものと同じになります。何かご質問があればどうぞ」

「マリアさん、この魔法陣、ストーンライフルにかなり似てるね。覚えやすそうだ」

 アレンの感想だ。まぁベースとなったのがストーンライフルだからね。


「マリアちゃん、合算バッファの輪の中に魔法を使えない普通の人を入れたらどうなるのでしょう?」

 うん、ルーシーちゃん、良い質問だね。おそらく発動するはずだよ。なぜなら管理者が言ってたから。『魔法は誰でも使えるよ』と。

「私の推測だけど、発動すると思う。検証するには信用できる人を荒野に連れていく必要があるけどね」

 まぁ、そこまではしなくても良いかな。


「一応、明日まではここに滞在させていただく予定なので、明日テストを兼ねて、荒野で全員の発動練習をしましょう。皆さん、今夜中に魔法陣を覚えるように」

 やる気に満ちている顔のアレンとルーシーちゃん、不安そうな顔のブレンダとペリーヌ。

 お兄様は平常心でいつも通りだね。ロザリーちゃんは分かってるのかな?きょとんとしてるけど。


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