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007 魔法陣②

 翌日の計算の授業はやはり(退屈過ぎて)拷問だったが、魔法の授業は楽しかった。

 足し算やだ。魔法楽しい。


 詠唱の文言(もんごん)については世界に語り掛けることさえできれば、ほかの文言でも良いみたい。

 だから、最初に習った指先に火を灯す魔法は、中二病的な文言から次のように省略することができた。


 もとは「火の精霊に対し奉る、我が指先に蝋燭の火を灯す奇跡を賜らんことを。スモールファイア」だった文言を「指先に小さな火を灯せ。スモールファイア」へ。

 精神衛生上とてつもなく楽だよ。

 短くした詠唱で魔法を発動すると、ナタリア先生は驚いてたみたいだけど。


 さらに数日後、ナタリア先生が魔法陣が描かれた紙を3枚持ってやってきた。

 待ちに待った魔法陣だ。

 博物館でお金を払えば研究者向けに魔法陣の転写サービスをしてくれるらしい。

 博物館に払ったお金は必要経費としてお父様に請求するようナタリア先生に伝えた。

 念のため、私からもお父様に伝えておこう。


 受け取った一枚目の紙に描かれた魔法陣を見て驚いた。

 読めるじゃん。そうか、コンパイル後はマシン語に変換されるとはいえ、マシン語という言語なんだから【全言語理解】で読めるのか。てか、マシン語じゃねぇよ。


 おそらくOS(この世界の仕組み)に最適化された何らかの言語なんだろうが、とにかく魔法陣の中の様々な記号や図形が意味を持つ言葉として頭に入ってくる。

 うーむ、私自身で新たな魔法陣が作れそうだな。

 それに以前立てた仮説通り、自然魔力吸収モジュールが組み込まれていて、本体の魔法を発動した際に並列実行されるようだ。マルチスレッドかよ。


「先生、これはどのような魔法を発動する魔法陣なのですか?」

「うーん、ごめんなさい。実はよくわからないのよ。古代語で説明文が付いてるみたいなんだけど、未だに解読が進んでいないの」

「そうなんですね。残念です。でも魔法陣の模様がきれいで見てるだけでも幸せです」

 ニコニコしてそう話すも、本当は何の魔法なのかは分かっている。

 これはファイアボール。なかなかの威力を持つ攻撃魔法だ。こんなの発動したらやべぇことになるよ。

 でも発動したいな。悪魔のささやきが…。


 一人で出歩けるようになれば実験できるだろうけど、あと5年は無理かな。

 いや10歳でも貴族令嬢が一人で出歩くことはできないか。

 なんとかごまかして実験する方法はないかな?


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