052 ブレンダの実家
私たち3人、ブレンダの実家の宿屋に遊びにいくことになった。てか、ブレンダからの申し出だ。
試験会場だった高等学院の敷地から歩いて30分くらいのところらしい。
ちょうどみんなでお茶しようと思ってたのでちょうど良かった。
宿屋ではあるけど1階は食事処ってことなので、4人でテーブルを囲んで色々おしゃべりしよう。
「ただいまー。試験終わったよー」
「おかえり。どうだった?」
「うん、まぁまぁかな。んでね、友達連れてきたんだ」
「あらまぁ、いらっしゃいませ。じゃあ皆様こちらのテーブルへどうぞ」
ブレンダの母ちゃんなのか姉ちゃんなのか分からんけど、美人のお姉さんが席へ案内してくれた。
「3人とも貴族なんだよ。すごいでしょ」
「ええっ?この子はそんな失礼な口をきいて。皆様申し訳ございません」
「僕はリヴァスト侯爵家のアレン、この眼鏡の娘がシャミュア子爵家のルーシーメイ嬢、あと、この娘がシュトレーゼン男爵家のマリア嬢。そんなにかしこまらなくても大丈夫ですよ。それからブレンダとはもう友人で、敬語無しでしゃべる間柄なのでご心配なく」
「は、はい。どうぞうちのブレンダをよろしくお願い致します」
「もう、お母さん。挨拶は良いからお茶と何かつまみになるようなものを持ってきてよ」
お菓子とかあるのかな?まさか酒のつまみじゃないよね?あと、母ちゃんだった。若いな。
「でもアレンって高位の貴族なのに偉ぶらないよね。ルーシーやマリアもだけど」
「まぁ、多分マリアさんの影響だろうな。ルーシーもそうだと思うけど」
「ええ、私もマリアちゃんのせいだと思いますわ」
お忍びで(平民のふりをして)一緒に市場とかに行ったりしたときの話だろうな。お店の人との会話なんかは普通にしてたし。いや内面は庶民だから、私。
お茶とお菓子も出てきて一息ついたので、まずは一人ずつ自己紹介だ。
各人の趣味や特技などをしゃべって、これで全員の情報共有はばっちりだよ。もはや親友だろ、私たち。
「ねえ、ブレンダ。あなたの詠唱しない魔法発動なんだけど、もっと検証したいのよ。明日、もし暇ならうちに来ない?」
「えええ、マリアのうちって男爵家だよね。無理無理。緊張しちゃう」
「僕も行っていいかな?ぜひ検証したい大発見技術だからね」
「私も行っていいかしら?ブレンダも行こうよ、お願い」
アレンやルーシーちゃんも後押ししてくれる。
「うーん、ちょっとお母さんに聞いてからだな。明日宿屋の手伝いを免除してもらえば行けると思うけど」
明日は休日(この世界にも一週間に一度の安息日がある)なので学院は休みでお兄様も家にいるし、ブレンダに紹介したいんだよね。お兄様も魔法馬鹿だし。
ブレンダの母ちゃんは快諾してくれたけど、実は貴族に忖度した可能性もある。まぁブレンダが来てくれるなら何でもよし。気にしない気にしない。
集合時間を決めてから、今日のところは解散した。みんな、また明日。




