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転生した女性SEの異世界魔法ライフ  作者: 双月 仁介
社会人編(5年目)
298/303

298 ミカ様の合格

 3月、高等学院入学試験をミカ様が受験した。

 付き添いはできないのであとから聞いた話なんだけど、午前の筆記試験は問題なく合格点を取れた感触だったらしい。

 ミカ様は魔法が得意じゃない(魔法陣による魔法発動を覚える以前に、体内の魔力移動が下手くそ)ので、午後の実技は魔法ではなく武術で受験することになる。8人目の賢者候補だったんだけど、結局魔法陣による魔法発動技術を教えることはできなかったよ。残念。

 なお、武術の試験は自分の得意な得物(えもの)で型を披露するものであり、対戦形式ではない。受験者のほとんどは剣や槍、少数派だけど弓や無手もいたそうだ。

 で、ミカ様が選択したのは射撃術。愛用の精密射撃装置(ライフル)を使って超遠距離射撃を披露し、試験官の度肝(どぎも)を抜いたそうだ。魔道具を使ったことで採点に及ぼす影響が協議されたらしいけど、実際に試験官が精密射撃装置(ライフル)射撃を行って命中させることの難しさを体験したことで問題なしと判断された。


 合格発表の日、ミカ様と二人で高等学院に結果を見に行った。久しぶりの学院だ。

 もちろん問題なく合格していて、さらには最上位クラスのAクラスだったよ。うん、良かった良かった。おめでとう、ミカ様。

「マリアお姉さま、ミカ様、ごきげんよう」

 突然マリアンヌちゃんから声をかけられた。現在は学院の2年生で、今年の春に3年生に進級するナタリア先生の娘さんだ。

「久しぶり。マリアンヌちゃん」

「マリアンヌ様、4月からこの学院に通うことになりました。よろしくお願いします」

 私たちも挨拶を返し、しばらく談笑した。ちなみに、マリアンヌちゃんは魔法組(魔法による受験)で、入学時からずっとAクラスだそうだ。


 そういえば卒業間近のリオン君(ペリーヌお義姉(ねえ)さまの実弟)だけど、就職先は父親と同じ王国軍らしい。槍の腕前を考えるとすぐに頭角(とうかく)を現すことになるだろうね。

「マリア姉ちゃん、ミカ様、こんにちは」

 噂をすれば影だな。リオン君がやってきた。私とミカ様も挨拶したんだけど、なんだかリオン君とマリアンヌちゃんの間の雰囲気が妙だ。

「マリアンヌ、君は先輩としてミカ様の助けになってやるんだぞ」

「ええ、もちろん分かっているわ。リオンも卒業するとはいえ、色々と私たちを助けてよね」

 こ、これは!?どう見ても付き合ってる男女の会話っぽい。横目でミカ様を見ると、めっちゃショックを受けてる顔になっているよ。

「リオン君、マリアンヌちゃん、まさかあなたたち付き合ってるの?」

 私の問い掛けに対して、二人とも顔を赤くして反論した。

「そ、そんなわけないよ。と、友達だから」

「そ、そ、そうですわ。良い友達ですの」

 うん、これは確定的だね。二人ともおめでとう。そしてミカ様、ご愁傷様。

 高等学院合格という幸せな気分が一転して、失意のどん底に落ちたミカ様は見るのも気の毒なくらい落ち込んじゃってるよ。

 大丈夫、きっと学院で良い出会いがあるよ。気休めだけど。


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