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029 盗賊イベント

 うちの一行のように護衛に守られた貴族の馬車を襲撃するような間抜けな盗賊は存在しない。

 コストパフォーマンスが悪いからね。

 襲撃するとすれば護衛がいないか、いても少ない数しかいない商人の荷馬車なんかが狙い目だ。


 街道のかなり先のほうからすごい勢いで走ってくる幌馬車とその後ろから追いかける5、6人の馬に乗った男たち。

 商人の幌馬車を襲う盗賊って感じだ。

 幌馬車の御者もこちらに気付いたようで喜びが顔に出ている。その反面、馬の男たちはぎょっとしたような顔で馬にブレーキをかけている。


「どこのご領主様か存じませんが、盗賊に襲われております。どうかお助けください」

 商人さんが助けを求めてきた。

 護衛の騎士のうちリーダーの人がうちの馬車に横付けし、お父様に指示を仰いでいる。とっとと助けてあげて。

 しかし、馬の男たちはとっくに散らばって逃げ出した後だ。戦わずして勝つ。孫子の兵法。いや、この世界に孫子はいないけど。


 馬車を降りたお父様が商人さんと話している。

「ありがとうございました。このご恩は忘れません」

「いや、こちらは何もしていないから気にしなくても良い」

 実際、何もしていない。盗賊が勝手に逃げただけだ。


 商人さんは王都へ向かうとのことで、進行方向はこちらと反対だ。また襲撃されないか心配だが、ついていくわけにもいかないので仕方ない。

 なんてことないイベントだったなぁ。拍子抜けだよ。

 …ってフラグをまた立ててみる。

 本当にこれで終わり?まじかよ。


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