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028 領地視察

 結局、飛行魔法については自由に空を飛ぶという目的を果たすことはできなかった。単なるドローン魔法になっちゃった。まぁ魔法陣設計の経験値を得るという点においては作って良かったと思う。

 やはり風系統の魔法ではなく、重力制御の手段を見つけるしかないのかな?

 てか、重力って前世でも謎だったよね。4つの力の内、重力だけが異常に弱い理由とか分かんなかったし。


 少し落ち込んでいる私だったが、朝食の席でお父様からビッグニュースを聞いて気分が高揚した。

「みんなちょっと聞いてほしいんだが、昨日我が領地からの知らせが届いた。そこには鉱山の中から古代文明の遺跡が発見されたとの報告があった」

「すごいじゃないですか、お父様。僕行ってみたいです」

 お兄様の食いつきっぷりがすごい。

 12歳なんてそういうのが好きそうだもんね。私もだけど。


「それで、良い機会だから家族みんなで領地へ視察に行こうと思うんだが、全員の意見を聞かせておくれ」

「私は構いませんわ、久しぶりですし」

「僕は初めて領地へ行くので、すごく楽しみです」

 お父様の言葉にお母様とお兄様が答える。


「マリアはどうだい?」

「私もぜひ行ってみたいです。ついでに遺跡も見たいです」

 遺跡から魔導書が発掘されないかな?魔導書の原本が欲しい、今日この頃。


「そうか、それでは三日後に出発しよう。全員しっかり準備をするようにね」

 全員旅行気分でうきうきだ。もちろん私もな。

 私の場合、必要そうなものは何でもかんでもアイテムボックスに入れておけば良いので、準備がとても楽だ。


 三日後。

 王都の屋敷は執事と使用人に管理してもらって、我々家族は領地へと出発する。馬車に揺られて約一週間らしい。ちと遠い。

 アレンやルーシーちゃんなどの友達には不在連絡済みだし、家庭教師のジョゼフ先生は長期休暇ってことになる。往復の時間と向こうに滞在する期間を考えると一か月くらいかな。


 街道整備されている王都内とその近辺は問題なかったけど、郊外に出てからは道が悪くて振動がひどい。

 尻が壊れるって。やわらかいクッションを下に敷いても上下運動で酔いそうだよ。サスペンションはどうなってんだ?過去の転生者はちゃんと仕事しろ。

 馬車と転生者を理不尽にも呪いながら、ようやく最初の街に到着した。

 ちなみに馬車1台だけで移動しているのではなく、きちんと護衛の騎士が4騎ついてきている。一騎当千らしいので4騎といえど安心だ。

 まぁ、いざってときにはお兄様と私の魔法もあるしね。100人規模の大規模盗賊団であっても私の魔法陣で殲滅するよ。

 はたして人を殺せるか?もしくは傷つけることに抵抗はないか?って問題はあるけどね。PTSDとか怖いです。あと魔法陣はまだ秘密なのでできれば使いたくない。


「今日はこの街で一泊するからね。出発は明日の早朝だよ」

 貴族は街にお金を落とすことも考えなければいけないらしい。ノブレス・オブリージュだったっけ?

 もう夕刻なので街歩きは難しいかな。おとなしく宿で疲れを癒そう。


 翌日の早朝、朝食を取った後、この街を出発した私たちはひたすら街道を進んでいく。

 昼の休憩をはさみながらとにかく進む。ひたすら進む。最初のほうこそ今世で初の田園風景に目を輝かせていた私も、同じような風景ばかりが続くのでかなり飽きてきている。

 あー、なんかイベントが発生しないかなぁ。っとやべぇ、フラグを立てちゃったかも。


 立てたフラグは回収せねばなるまい。ってこの世界の管理者が思ったのかどうかは分からんけど、屋敷を出て三日後の道中、ある子爵領を通過しているときに事件は発生した。


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