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転生した女性SEの異世界魔法ライフ  作者: 双月 仁介
社会人編(4年目)
263/303

263 論功行賞②

 うーん、どうやって収拾をつければ良いんだ?これ…。

『軍人が民間人を見下し、貴族が平民を見下す。内心で思うのは勝手ですが、それを言葉や態度に表すのは問題ですね。なにより私たちを無実の罪で逮捕し、魔道具を奪い取ろうなどと言語道断の所業。何か申し開きがありますか?』

『…』

 何も言えないようだ。見苦しく言い訳をしたり、他人に罪をなすりつけたりするかと思ったんだけど、そこまで落ちぶれてはいないってことかな。

 シゲノリ大佐が嬉しそうに発言した。

『貴様らはサクラ様に対して働いた無礼な言動により、貴族()剥奪(はくだつ)と軍務の退役は(まぬが)れないだろうな。どうだ、民間人で平民になる気分は?』

 三人の師団長が絶望の表情になっている。

『わ、(わし)が平民だと…』

『き、貴様のせいだぞ。貴様が最初にシゲノリ大佐の叙勲に異議を唱えたりしたせいで…』

『俺は悪くない。俺はこいつらほど暴言を吐いてないよな。な、な?』

 やっぱ見苦しい奴らだった。


 私は通信魔道具を取り出して、あるID番号をセットしてから接続ボタンを押した。

『誰だ?』

『皇帝陛下、サクラ・ガルムでございます。論功行賞の場で少々問題が発生しまして、陛下のご判断を仰ぎたくご連絡させていただきました』

『おお、サクラか。今回の戦闘での多大なる貢献、皇族の一員としてよくやってくれたな。余も嬉しく思うぞ』

『はっ、ありがたきお言葉。それで問題というのは…』

 私は馬鹿三人組の言動を全て詳しく説明した。この会話を聞いた馬鹿三人は顔面蒼白で、もはや息をしているのか分からないくらいになっている。

『…というわけでございます。この者たちへの処罰はどのようになさいますか?』

『うむ、そうだな。とりあえず逃亡せぬよう捕縛して帝都へ連行するように。もちろん師団長の職務は罷免(ひめん)する。貴族としての処遇については帝都で決めることとしよう』

 まぁ、予備役(よびえき)編入くらいが落としどころかな。まさか貴族位剥奪なんてことにはならないだろう。


 私は皇帝陛下との通信を切ったあと、馬鹿三人に向かって言った。

『あなた方の予備役編入は仕方ないとしても、貴族位の剥奪まではいかぬよう陛下に口添えしてあげましょう。ただし、このシゲノリ大佐への嫌がらせなどがあった場合には、あなた方の一族もろとも(つぶ)しますのでよくよくわきまえておくように』

『『『ははぁ』』』

 この言葉の最後に殺気を込めて威圧したら、馬鹿三人だけでなく周りの全員が一緒になって震え上がったのは何なの?

 アレンがまた(あき)れ顔になって私を見てるけど、別にやらかしてないよね?ちょっと殺気を放っただけだよ。


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