255 アンチエアクラフトガンの開発①
精密射撃装置がある程度有効であることは実証された。ミカ様という狙撃手あってのことだけど。
しかし、それに頼り切るのも問題だ。投下を防ぐには早い段階でかなりの数を撃墜する必要がある。3割くらいの兵力を削減することができれば、敵は投下自体を諦めるかもしれない。
でも30秒以内に約30機を撃ち落とすのは現状では到底不可能だ。
やはり高射砲(高角砲)を魔法陣で実現するしかないかなぁ。シップガンを改造するか。
ちなみに、シップガンの魔法陣は以下の仕様だ。
・口径:20ミリメートル
・砲弾長:20ミリメートル
・初速:1000メートル/秒
・着弾後の爆発:オン(砲弾を構成する魔力を100%火属性に変換)
・モース硬度:8(タングステン以上)
・魔力量:800
これを高射砲の仕様に改造する。魔法名はアンチエアクラフトガンだ。って長いな。
・口径:20ミリメートル
・砲弾長:60ミリメートル
・初速:1000メートル/秒
・定めた秒数後の爆発:オン(砲弾を構成する魔力を10%火属性に変換し、残りの90%を直径6ミリメートルの粒に分解して拡散させる)
・モース硬度:5
・爆発するタイミング:発射時に秒数をパラメータ入力する
・魔力量:600
つまり砲弾を大きくする代わりに軟らかく(硬度を小さく)することで魔力量を抑える。砲弾を小さな粒(散弾)に分解したあと、爆発の威力を使って球状に撒き散らすことで敵にダメージを与えるというものだ。
敵に最も近づいたときに爆発するようにできればベストだけど、ちと難しい(前世のVT信管だね)。なので、秒数をパラメータ入力して一定時間後に爆発させるしかない(前世の時限信管だ)。
魔力量600の1割を爆発力に変換するので、TNT換算では100キログラム程度の炸薬量になるかな。
これなら一人でも発動できる魔力量なんだけど、拡散する散弾は100粒程度しかないのが問題だな。砲弾サイズを大きくしたいんだけど、そうすると戦略級魔法になってしまい、一人では発動できなくなるんだよね。
まぁ、とにかくこの仕様で魔法陣を描いてみよう。効果については実戦で検証してみないと分からないからね。