表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した女性SEの異世界魔法ライフ  作者: 双月 仁介
社会人編(4年目)
245/303

245 奇縁

 せっかくなので少し雑談をした。なお、シゲノリ中佐は屋敷の客間に泊まってもらうことになった。

「そういえば聞きそびれていたけど、シゲノリ中佐ってご結婚は?」

「もう34歳になりますけど、まだですよ。いや、もう半分諦めてますけどね。とにかく男所帯の軍で、しかもこれだけ出張が多いと…」

「今まで浮いた話は無かったんですか?」

「貴国の高等学院に留学した際、私が新入生のときの最高学年に初恋の人がいましたよ。4歳年上になりますが、とても美しい伯爵令嬢でした。彼女は私がガルム帝国からの留学生だと知って、グレンテイン語を教える代わりにガルム語を教えて欲しいと言ってきたのですよ。言語学にとても興味がある方でした」

 ん?言語学に興味のある伯爵令嬢?どっかで聞いた話だな。

「その伯爵家の家名は覚えていますか?」

「ええ、忘れもしません。シャンポリオン家ですよ。マリア嬢ならご存知ですよね」

「あー、もしかして伯爵令嬢のお名前はシャルロッテさんですか?」

「おお、マリア嬢のお知り合いですか。その通りです。今ではどこかの貴族家に(とつ)がれて、幸せに暮らしておられるのでしょうね」

「そうですね。ある意味幸せなのかも。あ、ちょっと失礼します」

 私はいったん応接室を出てから、部屋の外に控えていたメイドさんにあることを依頼した。


 しばらくしてから応接室の扉がノックされた。

「シャルロッテです。お嬢様、お呼びとのことで参上しました」

「どうぞ、入ってください」

 シャルロッテさんは職人らしく作業着だけど、相変わらず可愛らしい。もう38歳かな?とてもそうは見えないよ。まだ20代くらいに見える。

「シャルロッテさん、紹介します。こちらガルム帝国軍参謀本部のシゲノリ中佐です。シゲノリ中佐、こちらはシャルロッテ・フォン・シャンポリオン伯爵令嬢です。まぁ初対面ではないでしょうけど」

 二人とも絶句して見つめ合っているよ。こんな漫画や小説みたいな展開ってあるんだねぇ。世間は狭いな。

「お、お久しぶりです、シャルロッテ様。覚えておいでですか?」

「うん、シゲノリ君だよね。懐かしいな。元気だった?」

「はい、おかげさまで。先ほどのマリア嬢のご紹介では伯爵令嬢とおっしゃっていましたが、ご結婚はされていないのですか?あ、すみません、不躾(ぶしつけ)な質問をして」

「いえ、大丈夫ですよ。結婚は一度もしていません。実家からは半分勘当されてるような状態です。でも今はここの工房で魔道具職人として働かせていただいてますのでとても幸せですよ」


 そうだ!明日は休日だし、二人とも積もる話もあるだろうからデートでも(すす)めてみようかな。

「陛下との謁見は調整が必要なので、とりあえず明日はシャルロッテさんがシゲノリ中佐を案内して、王都観光でもしてもらおうかな。二人ともどうかな?」

「はい、私は大丈夫ですよ。しっかりとご案内させていただきます」

「私も大丈夫です。シャルロッテ様のお手を(わずら)わせて申し訳ないのですが」


 ここでミカ様が爆弾を投下した。

「お父さん、良かったね。美人とデートだからって鼻の下を伸ばしちゃダメだよ」

「え?お父さん?え?ミカ様のお父さん?」

 シャルロッテさんがめちゃくちゃ混乱している。

「あー、嘘だから。帝国を旅したときの嘘設定ね。シゲノリ中佐は独身だよ」

 ミカ様が悪い顔をしているよ。ミカ、恐ろしい子…。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ