023 飛行魔法の開発②
鑑定魔法って、鑑定対象物の重量は出ないんだけど、出るように改良して飛行魔法に組み込むか?
いや、規模が大きくなりすぎるな。
飛行させる対象物のおおよその重量を推測値としてパラメータ入力するか。
最終的には自分を飛ばすわけだから重量(体重)は分かっているしね。
時間当たりの風の噴出量を対象物の重量に合わせて増減させるようにして、あとはその出力調整を魔法発動中に行えるように改良する。つまり、スロットルとしての機能を付ける。
魔法陣の改修に3日かかったけど、なんとかアルファ2が完成した。
羽ペンで試すのは壊れた時のダメージが大きいので、落ちても大丈夫な枕を飛ばしてみよう。落下の音もしないだろう。
枕を見つめて魔法を発動。次にパラメータとして枕の重量を入力する(脳内で)。多分1キログラムくらい?
風の噴出が始まりゆっくりと枕が上昇していく。天井近くまで上昇したので、スロットルを絞って風の噴出量を減らす。
重力にしたがって下降してくるので、再度スロットルを開けて上昇させる。
めちゃ楽しい!
前世でドローンの操縦をする機会はなかったけど、買えば良かったとちょっと後悔。
しかし、羽ペンとは違い重量物の枕で試すとかなりの風が吹き荒れるな。髪の毛がバサバサなびいている。
はっ、横移動!今の時点ではできないじゃん。
上下移動だけだよ、できるのは。
対象物の水平方向に風を噴出する機能が必要だ。
いや、もちろん設計書には盛り込んでるよ。まだ実装してないだけで。
この機能を組み込めばベータ版と言っても良いんじゃないかな。
上から見て0度、90度、180度、270度の方向へ風を出力する機能を付けた魔法陣が完成した。
もちろん垂直移動のスロットル調整とは別系統で、水平移動のスロットル調整ができるようにしている。
操作が多少難しくなるけど、慣れで解決するんじゃないかな?
あと、上昇と落下の兼ね合いがちょうど吊りあう風の出力値を実験で求め、ホバリングできるようにした。
上がったり下がったりを繰り返すと、人間の場合、酔っちゃうからね。ジェットコースターじゃないんだから。
さて実験だ。
枕は重すぎるのと水平4方向の向きが分かりにくいので、ぬいぐるみで試そう。
100グラムほどの小さな熊のぬいぐるみ。重量については秤を使って正確に計測している。
発動して目の前くらいまで浮かんだらホバリングを実行。
おぉ、ヘリコプターやドローンやF35Bのように高度を維持している。素晴らしい!
次は水平方向の移動だ。
熊の後ろから風が出るようにスロットルを操作して(もちろん脳内で)、前進することを確認。噴出を止めればゆっくり止まるが、急ブレーキをかけたければ逆噴射すれば良い。
左右方向の移動も試して、慣れると自由自在に操作できるな。くー、楽しすぎる。ラジコンみたい。
いや、前世においてラジコンで遊んだことないけどさ。
一応ベータ版だけど、もうほとんどRC(リリースキャンディデイト…リリース候補)版だよね。
あとは細かいバグを修正すれば完成だな。