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転生した女性SEの異世界魔法ライフ  作者: 双月 仁介
社会人編(3年目)
224/303

224 ルクス公国再び

 皇帝陛下にも言ったようにそろそろシンハ皇国の船団がやってくる時期だ。

 私たちは帝都ガルムンドを出立し、ルクス公国へ向かうことになった。なお、シゲノリ中佐も同行する。私もだけど中佐も忙しいよね。

 自動車なので野営すれば割と早く着くんだけど、途中の街や村に立ち寄りながらなので、約一週間くらいかな。

 例の設定(平民の一行)で旅をしてるんだけど、今度は悪徳領主を釣り上げることができなかった。さすがに謁見の間や舞踏会などで顔を知られ過ぎたみたい。

 シゲノリ中佐は残念そうだったけど、私は平穏な旅になって嬉しいよ。


 特筆すべきこともなく、ルクス公国国境の検問所に到着した。

 私たちを見た検問所の担当者が声を上げた。

『聖女様!我が国への再度のご訪問、ありがとうございます。ささ、どうぞお通りください』

 あー、聖女かぁ。実は『苛烈(かれつ)の聖女』の省略形なんだよなぁ。苛烈って何なんだよ。そこまで苛烈である自覚は無いよ。

 憮然(ぶぜん)としている私を見て、アレンが笑いを噛み殺しているのが分かる。ったく失礼だな。


 翌日、港のある例の街に着いたので、まずはヨシテル将軍のところへ行こう。

 師団司令部は港のそばの5階建ての建物とのこと。そう、シンハ皇国の侵略者たちが拠点にしていたところだね。

 大通りを自動車で進んでいく私たちを見かけた人たちが『聖女様』という不穏な単語をつぶやくとともに安堵の表情になっている。どうやら街を逃げ出すかどうか迷っている人が多いらしい。前回、ルクス公国軍を信頼したら大変な目にあったわけだから分からなくもないよね。


 師団司令部に到着後、シゲノリ中佐がヨシテル将軍に報告した。

『参謀本部シゲノリ中佐、大使閣下ほか二名をご案内してただいま参陣致しました』

『ご苦労。よくお連れしてくれた。これで住民の不安を解消することができるだろう』

 やはり侵略者の第二陣が来ることが確定している以上、住民の不安は(ぬぐ)えないよね。いくら帝国軍の1個師団が駐屯しているとは言っても。

 私が来たら不安が解消されるってのは変だけどね。うん、納得いかない。


 まぁとにかく私たちも挨拶しておこう。

『お久しぶりです、ヨシテル将軍。そろそろやってきますかね?』

『マリア嬢、久しぶりだな。大洋を渡ってくるのだ。多少は時期が前後しても仕方ないが、そろそろだと思うぞ』

 だよねー。何だったら、うちの船を沖へ偵察に出しても良いな。それだけの技量があるかどうかは分からんけど。

 艦砲魔道具(シップガン)の実験はどうなったのかな?私たちが帝都へ出発したあと、リヒャルトさんには定期報告を工房長のクラレンスさんに行うよう命じているからね。

 このあと、船を見に行こう。

 アレンとミカ様もヨシテル将軍に挨拶した。特にミカ様が皇帝陛下から謝罪と領主の任命を受けたことを聞いて、自分のことのように喜んでくれた。

 皇帝陛下にはおそらくヨシテル将軍も口添えしてくれたのだろう。感謝しかないよ。


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