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転生した女性SEの異世界魔法ライフ  作者: 双月 仁介
社会人編(3年目)
208/303

208 戦闘終了

 トーチカを出た私たちは兵士たちの大歓声に迎えられた。あれ?私たちがやったって知られないようにするためのトーチカなんだけど。

 まぁ、因果関係を推理すれば分かっちゃうか。

 私はトーチカをアイテムボックスに収納し、何事もなかったかのように桟橋のほうへ歩いて行った。

 港に停泊していた手ごろな漁船にアイテムボックスから取り出した船外機を取り付けて、敵船へ向かう準備を整えるためだ。

 陸上の敵は全て制圧できたはずなので安全だとは思うけど、私以外の全員は防御結界装置を発動している。私の防御結界装置はヨシテル将軍に貸してしまったので、アレンが私の横にぴったりとくっついて守ってくれてるよ。照れる。


 三隻の漁船に船外機を取り付けてから、通信魔道具でヨシテル将軍を呼び出した。

 すぐにこちらに向かうそうだ。

 ほどなくしてヨシテル将軍がシゲノリ中佐とともに現れた。

 海上で停船し、火災まで発生している敵船を見て、絶句している。

「これは大使閣下がやったのかね?いや、まさかな」

「私ではありません。随員(ずいいん)であるこちらのブレンダがやりました」

 犯人を指摘する目撃証言のような感じで言ったら、ブレンダから(にら)まれたよ(犯人は彼女です…いや、本当のことだから)。


「どうやって、というのは聞いてはいけないのだろうな」

「はい、王国の秘匿技術の一つです。付け加えておくと、我が国はこの大陸を統一する能力はありますが、陛下にそのご意思はありません」

 このくらい言っておけば、今後帝国が大陸統一の野心をむき出しにすることもないだろう。

「それよりもあの敵船へ兵士を派遣して、生き残りがいれば捕縛をお願いします。船外機の使用方法をお教えしますので」

 第1中隊から30名を選抜し、10名ずつ三隻の漁船に乗って敵船へ向かうことになった。

 敵船へ乗り込むためのフック付きのロープなど必要な機材の準備もあり、出港したのは朝日が敵船を照らし出した頃だった。火災は下火になりほとんど鎮火しているように見えるけど、敵船が動き出す気配はない。全員死亡とは考えづらいので、おそらく動力に被害が及んだのだろう。


 三隻の漁船は船首、中央、船尾の三か所から兵士たちを乗り込ませていった。ロープ一本でほぼ垂直の船体を登っていったのは、やはりすごい。精鋭と言っていただけのことはあるね。

 あとで報告された内容によると、多少の抵抗はあったみたいだけど問題なく制圧できたそうだ。なお、乗っていたのは50人ほどで生き残りは40人ほど(ただし20人は重傷)だったらしい。


 どうやらこれで終わりだね。完全勝利と言っても良いんじゃないかな?

 ただ、今回の一件の後始末を考えると憂鬱になるけどね。面倒くさい。


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