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転生した女性SEの異世界魔法ライフ  作者: 双月 仁介
社会人編(3年目)
194/303

194 特命

 帝国から王国へ講和の申し出があったそうだ。捕虜返還のための賠償金についても支払うらしい。さらに共和国との講和の仲介も依頼されたとのこと。

 この急転直下の展開はおそらく黒船の襲来によるものだと思われる。

 昨日の敵は今日の友ってことかな。優秀な魔法研究者と魔道具技術者を帝国に貴賓(きひん)として招きたいという話さえ王宮外務部に来たそうだ。

 陛下も黒船(って言ってるのは私だけなんだけど)には危機感を覚えているようで、なぜか私が王宮へ召喚された。


「マリア嬢、よく来てくれた。さっそくだが、この大陸外の国から来たという来航者に関するそなたの意見を聞かせてくれないだろうか」

 謁見室に入るなり話し始めた陛下に戸惑ったけど、挨拶の後に自分の意見を述べさせてもらった。

「お召しにより参上(つかまつ)りましたマリア・フォン・シュトレーゼンでございます。来航者の技術レベルにつきましては、実地で調査してみないことには何とも申し上げようがございません。ただし、海洋を渡ってきたことから考えて、我が国や帝国よりも進んだ技術力を持っていると思われます」

「うむ、そうであろうな。来航者の目的が侵略であった場合にそれに対処できるか、攻撃に対して防衛できるかが重要なのだが、その見極(みきわ)めはここでは無理かな?」

「はい、現地で船を観察し、できれば来航者の捕虜を尋問して技術レベルを判断したいと思います」

「マリア嬢、帝国へ行ってくれるか?」

「もちろんです。私以上の適任者はいないと断言できます」

 捕虜がいたとしても尋問できるのは【全言語理解】を持っている私だけだからね。

 私に対して陛下は深々と頭を下げた。謁見室内は二人っきりとはいえ、臣下に頭を下げるなどあってはならないんだけどな。


 頭を上げた陛下は私を見据(みす)え、威厳を持って命じた。

「帝国派遣団の人選は任せる。そなたが適任だと思う者を連れて行くと良い。人数も自由だ。さらには、そなたを王国特命全権大使に任命することとする。支度金(したくきん)については財務部に申請するように」

「ははっ。帝国での現地調査の任、しっかりと果たして参ります。調査結果は随時、通信魔道具を使ってご報告致します」

 さて、誰を連れて行くのがベストだろう?

 アレンは確実に同行するとしても、二人だけというわけにもいかないし、うーん。


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