表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した女性SEの異世界魔法ライフ  作者: 双月 仁介
社会人編(2年目)
190/303

190 転移魔法①

 帝国の動向にやきもきしても仕方ない。私は一介の男爵令嬢だよ。

 戦略や作戦を考えるのは王宮(参謀部)の仕事だからね。きっと給料分の仕事はしてくれるに違いない。

 私は私のできることをしよう。それは魔法陣(または魔道具)の開発だ。てか、それしかできない…。


 どうすれば旧ファインラント王国へ行くことができるのか?

 うちからだと間にガルム帝国があるので、帝国を突っ切っていくのは危険すぎる。アメリーゴ共和国からいくつかの小国を()て行くのが最も安全だろう。時間はかなりかかりそうだけど。

 うちの王宮(というか陛下)に了解を得ているのであれば可能かもしれないけど、精密射撃装置(ライフル)自動連射装置(サブマシンガン)の存在を秘密にしている以上、無理だな。


 異世界ものでよくある『転移』って、実現できないかな?アイテムボックスは異次元空間に倉庫を作るけど、その異次元を経由して現実空間の離れた場所に移動することは無理?

 うーん、アイテムボックスの制約として『命あるものは格納できない』っていう特記事項があったけど、異次元空間を通り抜けるだけならできないだろうか?


 余談だけど、私のアイテムボックスには護身用として30キログラムから100キログラムくらいの石(または岩)がたくさん入っている。もしも襲われた際には、襲った相手の頭上に石を取り出せば良いよね。なにしろアイテムボックスからは目視指定した位置に取り出せるんだから。

 目の前にある石を格納してから、後ろを向いてそれを取り出せば、その石は『転移』したと言えないだろうか?


 問題は、生物(てか人間)の転移が可能かどうかってことと、目視できない場合の取り出し位置指定(座標指定)だね。もちろん制約に引っ掛かるので、アイテムボックスの魔法では無理だ。

 しかし、それが不可能であることを意味するものでもない。

 アイテムボックスの魔法陣は高機能な分、超絶複雑で解析も難しいんだけど、要は『生物を入れて出す、出す際の空間座標を目視以外で指定する』ってことを実現できるかを検証すれば良い。

 最初に倉庫を作って個人IDと紐づけしてとか、倉庫の自動拡張とかそのあたりの難しい処理は無視する。つまり、すでに存在する私個人の異次元倉庫を使えば良い。


 検証するのは次の二点だ。

・生物を格納後、すぐに取り出すことができるか

・取り出し位置の座標を指定する方法


 私の推測ではアイテムボックスに生物が入れられないのは単なる安全装置だと思うんだよね。つまり入れようと思えば入れることができるけど、危険だから妥当性確認(バリデーション)しているんじゃないかってこと。

 アイテムボックスの魔法陣の中にそういうチェック機構の記述があったと思うんだよ。


 取り出し位置の座標については目視で指定した場合の空間座標を数値として確認すれば、どのような値になっているかが分かるはず。

 座標は必ず三次元空間座標になるので、三つの数値で表しているだけだと思うんだよね。桁数がすごいかもしれないけど(例えば100桁の数値とか)。

 あ、この宇宙の絶対座標じゃなくて、発動者を中心とした相対座標かもしれないね。


 あ、そうだ。私の個人倉庫を使うのなら倉庫のIDを確認しないといけないね。

 いやまてよ、別に倉庫は必要ないんじゃないか?だって入ってすぐに出るんだから倉庫は不要だよね。異次元空間の存在さえあれば良いわけだから。

 まぁそのあたりも魔法陣を描いて検証すれば良いだけだ。何事(なにごと)もトライ&エラーですよ。うん、アジャイル開発の基本だね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ