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転生した女性SEの異世界魔法ライフ  作者: 双月 仁介
社会人編(2年目)
185/303

185 打ち上げ

 私たちの誰もが優勝することを疑っていなかったリオン君が決勝戦で敗れた。

 あまりにも驚いて、思わず鑑定魔法を対戦相手に使っちゃったよ。そこでさらに驚いたのが、この4年生の先輩も【槍術】の才能持ちだったってことだ。

 こりゃ来年もリオン君の優勝は難しいかもしれないね。

 でも敗れたリオン君はさばさばした感じで「上には上がいる。(おご)らず鍛錬しないと」って言っていた。内心は悔しがってるかもしれないけど。

 まぁ、2年生で準優勝したのは、かなり素晴らしい成績だよ。誇って良いと思うよ、リオン君。


 閉会式のあと、打ち上げをしようと全員でブレンダの高級宿屋(の中の高級レストラン)へ向かった。

 ミカ様が立派な建物に驚愕している。

 参加者は、ミカ様、アレン、ルーシーちゃん、ブレンダ、リオン君、そして私の6人だ。ロザリーちゃんは後片付けの仕事で来られなかった。

 乾杯の音頭をミカ様にお願いした。

「リオン様、準優勝おめでとうございます。皆様もお疲れさまでした。乾杯!」

「「「「「乾杯!」」」」」

 ミカ様のグレンテイン語もうまくなったものだ。語学の天才か?


 高級な料理がテーブル上に次々と並べられていく。円卓で私の両隣がアレンとリオン君だったので、こっそりとリオン君に教えてあげた。

「リオン君、(きみ)が負けた4年の先輩だけど、あの人も槍の才能持ちだったよ。だから勝敗は単純に鍛錬の年数の違いだね」

「!!!」

 もやもやした気持ちだったのがすっきりしたのだろう。決勝戦終了後はじめて晴れやかな笑顔を見せてくれた。

 私が他人(ひと)の才能を見抜けることについては疑ってもいないみたいで、お姉さん少し心配だよ。将来、(だま)されて壺とか買わされないと良いけど…。


「ミカ様、ファインラントの料理とは全然違うと思うんだけど、うちの料理ってどうかな?」

 ブレンダがミカ様に料理の感想を求めているね。ふむ、幼馴染のお兄ちゃんは確か料理人だったっけ?ふふ。


「とても美味しいです。素材も料理人の方の腕も良いのでしょうね。ブレンダ様はこの店のお嬢様なのですか?」

「ありがとう。料理人に伝えれば、きっと喜ぶよ。あと、様付けとかお嬢様とかやめてよ。私のことはブレンダって呼んでね」

「分かりました、ブレンダ。それでは私のこともミカと呼び捨てにしてくださいね」

「ええ?それは無理でしょ。お姫様だよ」

 いや、その口調はお姫様に対するものじゃないよ。まぁそれがブレンダの良いところだよね。


 あ、そうだ。この機会にリヴァスト領への訪問を打診しておくか。

「アレン、今度リヴァスト領へ遊びに行きたいんだけど、都合はどうかな?」

「もちろんいつでも大歓迎だよ。何か目的があるんだよね?」

「ええ、ちょっと新型魔道具の実験で広い場所が必要なの。あと、星の丘をミカ様にも見せてあげたいし」

「ああ、星の丘ね。以前来たときは真夏だったけど、今は秋だから前のときとは別の花が見られるはずだよ」


 リオン君が前のめりになって発言した。

「アレン様が同行するなら僕も一緒に…」

「ダメよ。リオン君は学院があるでしょう?残念ながらロザリーちゃんとリオン君は行けないわ」

 私に速攻で断られてがっくりするリオン君。


 ルーシーちゃんはいつも通りだった。

「マリアちゃん、私は必ず同行しますわよ。王国の至宝を護衛するのが私の重要な任務なのですから」

 また出たよ、王国の至宝。それって誰が広めてるの?シャミュア家の情報網なら分かるよね?


 ブレンダは宿屋の仕事が忙しいのか、難しい顔をしながら言った。

「私も行きたいなぁ。あの花の咲く丘は本当にきれいだったよね。仕事の都合がつけば良いんだけど」

 …ってことは、確定がミカ様、アレン、ルーシーちゃん、私で、未確定なのがブレンダってことだね。

 それじゃあ、都合の良い日程をすり合わせしますか。往路一日、復路一日、滞在三日で合計五日間ってところかな。


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