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転生した女性SEの異世界魔法ライフ  作者: 双月 仁介
社会人編(1年目)
166/303

166 言語翻訳

 共和国への旅行も終わり、王都の屋敷に帰宅してからもう一か月になる。

 考えるのはやはり言葉の違いによる不便さだね。この大陸が一つの国に統一されていない理由の一つには、言語の違いもあると思うんだよ。

 言語が異なる場合、統治コストが高くなるからね。


 世界共通語みたいなやつは作られないのかな?まぁ文明の進んだ前世の世界でも存在しなかったけどね(エスペラント語は普及しなかったし)。

 いや、1万年以上前は古代語が世界共通語だったのかもしれないな。

 古代語研究の第一人者といえばうちの工房の紅一点シャルロッテさんなんだけど、仕事が忙しすぎて古代語研究は進んでいないらしい。ごめんよ、忙しい職場で。


 そうそう、古代語といえば魔法陣のローカライズも着手してないね。理由は面倒くさいから。

 もう鑑定魔法とアイテムボックスは私専用の魔法ってことで良いよ。なにしろ転生特典3点セットだからね。


 そんなことを考えているとアレンから相談を受けた。

「マリアさん、言語を翻訳する魔法や魔道具ってできないものだろうか?」

 アレンも共和国でアメリーゴ語を片言(かたこと)でしか話せず、ヒアリングも(ろく)にできなかったことを気にしていたみたい。

 いや、かなり話せていたほうだと思うよ。【全言語理解】というずる(チート)をしている私が異常なんです。


「言語翻訳ですか。難しいですね。とっかかりすら思いつきません」

「マリアさんでも無理なら世界中で誰にもできないね。諦めるよ」

 何、その謎の信頼…。私は天才じゃないよ。


 あれ?でも待てよ。詠唱魔法の文言(もんごん)ってその国の言葉でしゃべっているよね。つまり、この世界というOSには各国の言語を理解する能力が備わっていることになる。

 だったら、OS上の二つのプロセスが異なる言語で通信する、いわゆるプロセス間通信の仕組みって作れないかな?

 例えば、あるプロセスから別のプロセスに接続し、一方はグレンテイン語での入出力を行い、もう一方はアメリーゴ語での入出力を行うわけだね。

 ちょっと面白いかも。魔法陣を設計してみようかな。


 虚空(こくう)を見つめて固まってしまった私を静かに見守るアレンとルーシーちゃん。私の思考を邪魔しないように配慮してくれるという、私のことをよく分かってる友人たちなのだった。


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